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の続き。
繰り返しになるけど、年金で問題なのは「若年層の」年金不足である。 年金問題で怒るべきなのは老人じゃなくて若者。
「年金返せデモ」ですが、サラリーマンが「厚生年金から脱退させろ」とか、「会社負担分を含む年金保険料を全額返せ」と要求するのはきわめて正当です。これで20歳の若者は4000万円ちかい損失を回避することができます。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
なんで今「老人が」怒ってるんだ、、、<追記>ブクマで教えていただいたリンク先面白かったので引用します。
公的年金とは今現在の現役世代が稼いだ金を国家権力を通じて高齢世代に再分配しているのだということがちゃんと分かっていれば、年金をもらっている側がそういう発想になることはあり得ないはずだと、普通思うわけです。でも、年金世代はそう思っていないんです。この金は、俺たちが若い頃に預けた金じゃ、預けた金を返してもらっとるんじゃから、現役世代に感謝するいわれなんぞないわい、と、まあ、そういう風に思っているんです。自分が今受け取っている年金を社会保障だと思っていないんです。まるで民間銀行に預けた金を受け取っているかのように思っているんです。だから、年金生活しながら、平然と「小さな政府」万歳とか言っていられるんでしょう。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/
(中略)
年金というものを「ワシが積み立てたものじゃ」と認識する私保険的感覚(それ自体は一つの経済イデオロギーとしてありうることは否定しませんが)の社会政策的帰結に対して、もう少し敏感であってほしいという思いは否めません。
それ以上に理解できないのが「国民年金」に対して金返せっていてる人。 国民年金は「基礎年金」として「厚生年金から金を引っこ抜くまでして」利回り的に優遇をしている。なので実際にかなり目に得なのだけれどこれに対して「金返せ」ってどういうことなのか。今すぐまとまったお金が必要な人以外、普通に金返されたら損だと思うんですが。 全く仕組みを理解せずにわめいているだけではないのか。 まさか月1.6万円しかはらってないのに厚生年金入ってる人とおなじように支給されると思ってたんじゃああるまいな?
その辺、無料漫画にしてみました。
— あむぁい ⋈ (@amulai) June 17, 2019
(癖が強いのは私の作風です)https://t.co/2ghfVvhpJM pic.twitter.com/Jml5dA4gRv
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問題なのは「若年層の年金負担問題」であり、このことを少なくとも「2012年1月時点では」政府はちゃんと認識していた
なお第二次安部内閣は2012年12月末から。
国民年金と厚生年金の格差について多くの反響がありますが、これについては経済学者がすでに試算しています。もっとも有名なのは下記です。「衝撃的な内閣府版「社会保障の世代間格差」」 https://t.co/maO4dCvZ52 厚生年金のモデル世帯(40年加入で、専業主婦の配偶者有)の世代間損得です。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
実は、はっきり言って、この数字でもまだまだ甘い。
(中略)
現実的な経済前提に直して、最近に至る積立金の予定外の取り崩し・運用損を含めれば、100年安心とするためには、保険料率の大幅な引き上げか、マクロ経済スライドの大幅な発動が不可避であり、それを計算にいれれば、さらに将来世代の損失額は大きなものとなる。私の一連の著作よりも、年金部分の将来世代の損失額がやや小さくなっているのは、そのためである。
また、このモデルの限界として、支払い額は保険料だけに限定されており、社会保険に大幅に投じられている税金の負担額を含んでいない。いま議論している消費税5%引き上げや、すでに岡田副大臣、安住財務大臣、藤村官房長官が、10%では足りないと言い始めているように、将来的に20%から30%台に引き上げられる予定の消費税負担を考えれば、さらに将来世代の損失額は大きくなる。
これは内閣府経済社会総合研究所での鈴木亘さんら経済学者の議論をまとめたもので、2012年に内閣府がHPに公表し日経新聞が報じました。この時点では、すくなくとも内閣府は、社会保障制度が若者に巨額の損失を押しつけている現実を正しく認識していました。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
現状で月21万円以上払ってもらえる厚生年金加入者よりも、今の20代が増税抜きに生活保護ラインを越える支給を受けられなさそうなことがより問題
そもそも団塊ジュニア世代の時点で、すでにマクロ経済スライドの影響から以下の有様である。
24ページには、今の高齢者の標準的な収入・支出状況が出ていますけれども、今のマクロ経済スライドを受けると社会保障給付の19万円は、おそらく15万円ぐらいまで団塊ジュニア世代から先は下がっていくだろう。それから、非消費支出の2.8万円は、昨年5月の経済財政諮問会議の見通しだと、これが1.3倍、1.4倍ぐらいに上がってくるとなると、月々の赤字は5.5万円ではなくて、団塊ジュニアから先の世代は10万円ぐらいになってくるのではないか。
団塊ジュニアの世代ですでに「不足額」は月10万くらいになると書かれている。「平均」の「不足額」という数字にはあまり意味がないが、つまり支給額合計が生活保護以下になる人の割合が増えることは間違いないだろう。
今ですら税金を大量に投入して支給額支えてる状態なのだから。増税ペースが間に合わなくなった時点で減額せざるを得ない。
なんで経済ブレーキかかるのわかってるのにこんなに増税したがるかというとこれですよ。ピンポイントで老人を敵に回すより国全体の景気悪くなるのを受け入れるほうが選挙的にはマシだからです。
橘さんは将来企業負担分の支給がまるまる消える可能性もあるとみているようですね。
それが「見ず知らずの他人への仕送りに同意した覚えはない。ちゃんと損得を教えろ」と加入者の価値観が変わったことで、「年金はバーチャルな積み立てで、支払った額に相当する受給権を国が保証している」という理屈に変わりました。北欧なども同じなので、これは問題ありません。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
それが「見ず知らずの他人への仕送りに同意した覚えはない。ちゃんと損得を教えろ」と加入者の価値観が変わったことで、「年金はバーチャルな積み立てで、支払った額に相当する受給権を国が保証している」という理屈に変わりました。北欧なども同じなので、これは問題ありません。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
私が厚生年金の仕組みに気づいたのは20年前で、「こんなのにとてもつき合ってられない」と思ったのが、フリーになることを後押ししてくれました。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
資料の2000万円は無意味な数字だけど実際は老後の蓄えが2000万ですむなら全然良かったと言うレベルになりそう
話題の資料だけに関して言えば2000万円という数字はあんまり意味がない。そもそも現金資産か不動産の区別すらされていない数字のようだし。
退職世代等の保有する資産の約3分の2が住宅・宅地資産なのである。金融資産ではないのだ。この参考資料にはそう明記されている。もちろん、これも平均値ではあるが、資産状況の傾向は示されているだろう。ぶっちゃけ、中央値で見るなら金融資産は700万円に満たないので、金融資産の問題は庶民にはほとんど関係ない。すぐに取り崩して消える。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2019/06/post-41b314.html
でも今の若者が老後の蓄えが2000万円で足りると思ってるのだとしたら、国のことを信じすぎだと思う。国は若者の信頼には一切答えたりしないよ。万が一国民民主党であってもね。年金制度維持するだけで消費税20%-30%は当然覚悟すべきだし非消費支出は増える。物価も上がるが給料はなかなか上がらない。いい加減保育士の給料あげないといけないから介護もますます費用が上がる。2000万頑張ってためれば安心できる社会ならどれだけ良かったことかって多分思うようになる状況が来ても全然おかしくない。
みんなそれがよくわかってるから2000万円どころか4000万円貯蓄があっても不安。それが現状だし今後もっと悪くなる。そしてその頃になったら一定年齢で、貯蓄一定以下の人には安楽死認められるようになって、そういう人たちを周りが追い込む社会構造になってるのかもしれない。子供のない人間への迫害や重税も正当化されるかもしれない。
こんなやばい社会が将来ありえるとおもうくらい、私は国のことは全く信用してない。
とはいえ、シルバー民主主義下において、政治家が選挙重視で老人に何の説明もしない限りはどうやっても現状維持にしかならない
独身や共働きのサラリーマンは専業主婦の年金を肩代わりしているので、「三号被保険者制度を廃止しろ」と要求すべきですね。それに対して専業主婦やその夫は、「私たちの年金を破壊するな」と抗議するでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
そして戦後日本社会の主流派(マジョリティ)である団塊の世代は、ほぼ全員が年金受給者になったので、「年金制度に指一本触れるな」と叫ぶにちがいありません。このなかで誰の声がいちばん大きいかはいうまでもないでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 18, 2019
あれ、これ詰んでね?
とりあえず現状で老後にどのくらい必要か知りたい人はこの本いいかもしれない
- 作者: あべかよこ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/07/19
- メディア: 単行本
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なので、どちらかというと、投資よりも「老後にどのくらい必要か」を一度計算したほうがいいと思う。
まだ発売してないので未読だけど、この本はちょっと読んでみようと思う。