頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

「鬼滅の刃」の「サイコロステーキ先輩」のページが何回見てもシュール過ぎて面白い

「鬼滅の刃」はアニメスタッフがすごすぎて、アニメだと最初から面白い作品だったことが伝わりますが私が原作読んでてなんかおもしれーぞこれ!って思ったのは4巻の後半から。だいぶ遅いです。 ここらへんで「あ、この作品3×3EYESみたいなものだ」とようやく理解してきます。


このあたりから実は「キャラの特徴づけや掘り下げ」がめちゃくちゃしっかりしているということに気づく。登場した時点ですでにこのキャラをどういう風に描きたいかがしっかりと定まっているのがわかってくる。いのすけに代表されるように、「どうやったらこんな発想出てくるの?」っていうくらいオリジナリティにもあふれている。ストーリーはそれほど目新しくないのに、キャラのオリジナリティとその掘り下げが両立されてるからずば抜けて面白い。


ただし、序盤ではそのキャラクターの描き方が模索中であったのか、「特徴」を一目で読者に伝えようとするあまり、表現が過剰になりそれがどちらかというと「奇行」「奇声」「かみあわないやり取り」などのギャグになってしまっていた。



一方で、序盤はそういう突飛な行動で説明しきれない部分は言葉で一気に説明しようとしてた。「意味不明な行動をとってるやつ」が、「いきなり理性的に自分の特徴を説明しだす」という感じでこのチグハグさというか「面白いんだけど……なにこれ?」みたいなシュールさがあった。この辺りのキャラ描写については6巻の「柱合裁判」が終わったあたりから急に落ち着いて丁寧になっていくのだがそれまでのハチャメチャぶりの方が独特で面白い、という人もいるかもしれない独特の癖がありましたね。



「サイコロステーキ先輩」という特異点

そんな「描写が落ち着くようになる」手前の段階にさっそうとあらわれてさっそうと退場していった一人のキャラがいる。

上で説明したように

①「しっかり掘り下げられ、意味づけも明確なレベルに作りこまれたキャラクター」「サブキャラまで手抜きなく考えている丁寧さ」と
②「奇行」「意味不明ぶり」と「やたらと語りたがる」などの描写の粗さ

というギャップがもたらす面白さが、ある時「ページ数の制約」という大人の事情により2ページにギュッと圧縮された。



その時に生まれたのが伝説の「サイコロステーキ先輩」である。


鬼滅の刃 5 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 5 (ジャンプコミックス)



2ページしか登場シーンがなくセリフがあるのは1ページのみなのにやたら印象に残る「サイコロステーキ先輩」

f:id:tyoshiki:20190618001254p:plain
「鬼滅の刃」5巻の36話

①まずめちゃくちゃ唐突で、しかも異物感が半端ない

・何このかませキャラ 必要だったのか

・めっちゃしゃべるな……

・お前が将来どうしたいかなんて誰も聞いてない.....

・こんなガキの鬼なら→俺は安全に出世したいんだよという理屈はおかしくないんだけれども自分語りのタイミング唐突すぎてなにいってんだこいつ感が強すぎる

・長台詞の間にちょくちょく映る棒立ちの鬼がじわじわ来る

・お前まじなんだったのってなる

・このページだけだとめっちゃ漫画下手に見えるなワニ!

②そして、この1ページの会話で性格からバックグラウンドまでだいたい伝わる強烈なテンプレ

・情報が押し寄せてくる

・こいつ極端にセリフ多いというほどでもないのにいろんな意味で1Pの情報量すごい

・ゲス先輩、何気に鬼殺隊にお給料が出るっていう設定を初めて公開してくれてる。 今回の蜘蛛編は村田さんやポニテといい鬼殺隊の設定・バックグラウンドを上手い事見せてくれるね。

・政府が非公式って書き方だから税金だろう。つーか非公式の解釈は公に出来ないっことで合ってるよな?

http://www.saikyo-jump.com/archives/49901838.html


③一ページしか出番がないわりに実はキャラクターとしてもめちゃくちゃ立っている?

・一台詞ごとに小物ポイントを積み重ねていくよく喋る先輩

・あの地獄の試験通ってこの考えすごい

・先輩も不意討ちできない男だった…

・派手すぎず地味すぎずキャラにちょうどあった程よい動きが好き

・サイコロさん、実力がない善逸みたいなやつだなw 性格的にもほぼ真逆だし

http://www.saikyo-jump.com/archives/49901838.html

「サイコロステーキ先輩」はアニメクオリティだったら完全に省略されそうな異物なんだけど、このキャラから逃げるならアニメの負けまである

上のコメントにあるように、このシーン、ものすごい下手というか違和感があるんですよね。

普通にアニメ化するなら絶対にここ別の隊員におきかえて省略すると思います。

でも、アニメのクオリティが高いので、あえてこのシュールさを表現しきれないか挑戦してみてほしいという期待がすごくあります。


アニメはサイコロステーキ先輩から逃げるな(古戦場のノリで)



<追記>
ちゃんとアニメでもサイコロステーキ先輩登場してて私うれしい……

www.nicovideo.jp



鬼滅の刃では「サイコロステーキ先輩」と「胡蝶しのぶ」がダントツで好き。

しのぶさんの場合はキャラそのものというか、「立ち位置の独特さ」が無茶苦茶好き。

これも最初から「ああいう展開」になることを想定しての位置取りだったんだろうなって。

問題は、作者はともかくしのぶはどこまでそのことを考えてたか、なんよね。 
煉獄さんや宇髄さんとかと比較するととても面白いと思う。