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「僕が私になるために」 会社員をやりながら性適合手術を受けた人の体験談

この間、性適合手術を紹介する動画がちょっとしたバズになっていましたが

実際にGID(性同一性障害)の診断を受け、「治療として」この性適合手術を受けた人がその体験をマンガにしたのがこの「僕が私になるために」です。



GIDの内面描写などは難しいのでよくわからないけど、手術にいたる過程や手術を受けた当事者の視点からわかる話が丁寧に描かれている

GIDについては、すでに庄野陽子先生の作品がありますが当事者からはあまり評判が良くなかったそうですぐ打ち切りになってしまいました。

G.I.D.(1) (モーニングコミックス)

G.I.D.(1) (モーニングコミックス)

ならばもう、当事者が自分で語るしかないだろうというところでこの作者さんが登場したわけです。



といっても、当事者の心情描写みたいなのがメインじゃなくて、本当に手術メインです。
これはあとがきで書かれていますが、作者さんが自覚的に「私からは何も伝えないようにしよう」という決断によるものです。


おかげで一般人の私にもめちゃくちゃ読みやすい作品になっています。
本当は思うところたくさんあったと思いますが、あえて自分をおさえて情報提供だけに絞って世に出してくれたことに、強い敬意を表したいです。




あらすじはこの記事にまとめておきますが、深刻なテーマなのにタイのナースさんの描写など非常に明るく描かれており面白い読み物になっているので、ぜひ作品も実際に読んでみてほしいです。

僕が私になるために (モーニングコミックス)

僕が私になるために (モーニングコミックス)






GIDの相談をしてから手術を受けるまでに2年間かかっている

・性同一性障害と、性分化疾患の区別のため慎重な診断が行われる

・診断のメインは心理テスト

・「Real Life Experience」として、実生活で自分が望む側の性で生活をし社会に適合できるかを確認する必要がある →いきなり性を変えてうまくいかずに自殺されては困るから

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・他に、染色体検査および、性器が正常である確認が必要

・そこから1年半かけて、ホルモン治療を行いながら(ホルモン注射は診断が出れば保険適用になる?)さらに検査や診断を重ね、書類を集める。

・この期間にもかなり胸が育って大変だったらしい。


手術のためにタイに1か月程度滞在

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・まず手術を受けるためには2人以上の精神科医師によるGID診断が必要
 とはいえ、日本では3か月くらいかかる診断がタイでは30分で終わる。

・持病についての診断も必要。

・手術についての診断が必要。戸籍変更のために造膣なしの手術をする場合は必要ないが性交渉をするために造膣を行う場合は「膣の深さ」の希望なども答える。執刀医の先生に性器を確認してもらうのがきつい。


・手術の形式はいろんなパターンがあるが、作者が選んだのは腸の一部を切り取って性器の一部として利用する術式。このため腸の機能回復が大事。


・手術は寝てる間に終わっているが、終わった後の痛みがやばい。施術部も痛ければ、鼻から挿入されてるドレーンの痛みもすごいらしい。
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・S字結腸法で行った場合は、生来からの女性と全く区別がつかないらしい
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と、ここまでがだいたい3分の1くらいの内容です。

抜歯後に、半年くらいいろんな苦しみに耐えなければいけない

(1)苦痛
・スープジャー期間の病院食がクソまずい
・幻肢痛
・ダイレーション
・孤独との戦い
・しばらくおしっこが出ずに膀胱破裂の危機

(2)手続き
ja.wikipedia.org


・精神科医によるGIDの診断を受ける
・医師による性器チェック
・戸籍の性別変更のため裁判所に書類提出

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めちゃくちゃ面倒くさそう……


作者である「平沢ゆうな」先生の新作「鍵つきテラリウム」めっちゃ面白いのでぜひ読んでみて

comic-meteor.jp

www.tyoshiki.com
今月のイチオシ作品です!