以前紹介した「Shrink 精神科医ヨワイ」ですが、
「パニック障害編」「ほほえみ鬱編」の次のエピソードである「ASD編」も終わりました。
ADHDではなくASDをきちんと扱ってくれてるのがかなりうれしかった
・最近ADHDの認知は高まってきているのだけれど
ASDは外からわかりにくい兆候などが少ないため理解されにくいこと。
・そのせいでASDはますます誤解されるケースが多く
自信を失ったり社会不安障害や鬱などの二次障害へとつながりやすいこと。
・ADHDと違ってASDは薬による状態改善などが難しいこと、
それゆえに適切な治療が受けられなかったりして絶望するケースが多いこと。
・ADHDと違って学校の成績では苦労しないことが多く、学生の間はなんとか適応できるけれど、
神経過敏などの問題もあって、社会人になってから適応が困難になるのが少なくないこと。
などがきちんと説明されます。
ASDの人間は理解者を得られないとずっと「他人に軽んじられる苦しさ」を味わうこともある
しかも、この作品の場合は毒親問題や、職場でのいじめ問題も描かれています。
ちょうど今日fujiponさんがこういう記事を書かれていたのですが
fujipon.hatenablog.com
私もこの記事で書かれていることにかなり共感を覚えました。
「自分では普通にしてるつもりなのに」周りから否定され続ける中で
だんだんと自分で主張をすることができなくなっていって
他人から何か言われると「とりあえず謝る」という癖がついていた時期もあります。
そういうことを繰り返していくと、他人からすごい舐められるんですよね。
人間って「こいつは怖くない」と思ったらどんどん態度が増長していくようで
男でも女でも、いろんな人から自分の立場を軽んじられる経験をしてきました。
それがもとでひどい鬱になったことがあるというのは以前お話した通りです。
私自身はブログをずっと書き続けてるうちに
少しずつ頭の中が整理されてくることで少しずつ自信を取り戻し、
他の人にも主張をすることができるようになってきましたがなかなか時間がかかります。
この作品に登場するASDの人は、ASD特有の諸事情に悩まされているのに誰からも理解を得られず、
親から否定され続け、職場でもいじめられて続けるなどして消耗していき、
ようやく精神科医である主人公のもとにたどり着いた時には憔悴しきっていました。
障碍者手帳を取得した上でオープンポジション(障碍者雇用枠)での採用に挑むという道について
この作品では、障がい者手帳を取得した後で、
障がい者雇用に理解のある職場を得てなんとか自立することに成功するというストーリになっています。
まだまだ発達障碍者の雇用というと単純作業のようなところが多く、
理解が得られないケースも多いということも述べていてかなり誠実な漫画だなと感じました。
あらためて単行本が出たら紹介したいなと思っています。
ASDの話は2巻で初登場の他、何度か登場します。ADHDについては結構たくさん本出てるんですが、ASDの人を丁寧に描いてくれている本が少なかったのでとても助かる。