「マイホームヒーロー」の原作者と「トリニティセブン」の絵担当のコンビニよる作品。
トリニティセブンはマンガとしては微妙なんですが設定が好きなので読んでいたことと、この「100万の命の上に俺は立っている」がアニメ化するというので読んでみました。
読んでみた感想としては……「面白いけどすごい読むのが面倒くさいマンガ」って感じです。
正直そんなにおススメではないので簡単に。
「なろう系」のように見えるけど「デスゲームもの」
この作品はスタート地点ではこんな感じです。
①主人公がある日突然見知らぬ世界に飛ばされる。そこには2人のクラスメイトの少女がいた
②その世界では勇者とか戦士みたいな職業とスキルがあり、主人公にも割り当てられる。
とこのあたりまで読むと「なろう系かな?」って思うのですがさらに以下のような設定が続きます。
③規定時間内にミッションを攻略しなければいけない。難易度はかなりシビア
④ほかのパーティーメンバーが一人でも生きている限りは死んでも生き返れるが、全員死ぬとゲームオーバー
⑤ミッションを達成すると、この世界に主人公を送り込んだ存在から情報をもらえる⑥10ステージをクリアする必要があり、スタート地点ですでに4ステージ目である
⑦1ステージクリアするたび一度元の世界に戻り、次のステージに挑む際に異世界に戻った際には大幅に時間が経過してしまっている
ということでこれは「ミッションクリア型のデスゲームもの」と認識したほうが良いです。
主人公は「元の世界にいた3人の女の子」を中心にしてパーティーを組み「パーティー内一人でも生きてれば生き返れる」という設定を利用してかなりシビアな世界を何度も何度も死にながら、あるいは時にパーティーメンバーを犠牲にしながらなんとかミッションをクリアしていきます。
私はデスゲームものが好きなので、この時点では悪い印象はないです。
www.tyoshiki.com
主人公をはじめとしてキャラ設定は嫌いじゃないです
主人公は「Darker than Black」のような合理主義者的・サイコパス的な要素と、一方でやたらと青臭い「人間嫌い」の中二病要素が合わさった独特なキャラです。一方で、主人公とパーティーを組む女の子はそれぞれ非常にわかりやすい性格をしており、このあたりの掛け合いの要素もまあ嫌いじゃない。
ただ、原作者と絵を担当している人の相性が異常に悪いような気がしますね……
じっくり読めば面白いんだけれど……漫画として、異常に読みにくいです。
明らかに、原作者がやりたいことにマンガ担当の人の技量が追い付いてません。
例えばこのページですが……
いちおう絵にはしてますが原作者が書いてることをそのまんまベタにしゃべらせているだけです。
絵が何の役割も成してませんし、むしろ邪魔です。
他にも問題点はほかの読者さんがまとめてくださっています。
mangaron-1990nenndai-umare.hatenablog.jp
こんな感じで、設定もキャラも割と興味深いんですが、とにかく肝心の「漫画」としてきついです。
私よほどいい作品でない限りは一巻だけ読んで作品を評価するのが嫌いなので一応5巻まで読みました。しかしここまでくるとキャラが増えてきたことによる「キャラの描き分けができてなくて混乱する」という別の問題も出てきて、ますます読むのがきつくなってきてしまっていったん中断。
奈央先生はもうこの作品含めると3回もアニメ化している漫画家さんなのになぜこんなに読みにくいのか本当に謎……。