という本を読んでいます。
第一話からチャレンジングなあおりで、性教育は「学校では学べないことがある」「親が教えることのメリットが大きい」と語っています。
そもそも性教育自体の必要性自体が理解されてない状態である
性教育はポルノとは全く違っていて、自然科学・社会科学といった科学的知見をベースにして自分の身体を正しく理解するための基礎的な教養。
一方、日本では性産業が非常に盛んであり、少年・少女向けマンガなどでも性的表現が非常に多いため、幼いころから無防備な形で性表現に触れることによって、「性=ポルノ」というイメージが非常に強くなっている。
さらに、親自身が性教育とポルノの区別がついておらず、性に関して語ること自体をタブーとしている節がある。
こういった親の意識をアップデートする必要がある。
親の抵抗感があると子供の性教育への姿勢にもマイナスに作用するということかなと。
家庭での性教育の大きなメリット
性教育そのもののメリット
この本では、まず性教育そのもののそのメリットとして以下の2点を挙げています。
①子供が性的トラブルを理解して避けられるようになること
②自分の性や身体について理解することで肯定的にとらえられるようになるため自己肯定感が高まること
成長期の悩みの際、子供たちに最低限の知識が備わっていない場合周囲の人間関係によって大きく認知が変わってきます。
「胸が大きい方が魅力的」「はやく性経験をしている方が偉い」となったりその真逆になったりまちまちです。その状態で痴漢などの被害を受けると当然対処もできないし、性嫌悪や自分の身体性の否定につながるケースが多いなどの問題があり、そうした問題については事前に性教育でしっかりフォローしようということですね。
家庭内で性教育に取り組むことのメリット
こちらについても2点あげられています。
①学校の性教育では肝心なところは教えてくれない
おそらく日本では今後もそういった部分を学校で教育できる可能性は低い。学校で教育しろと言いつつ大事なところを教えるのはけしからんと手足を縛り、それでいて責任だけは学校に押し付けるような理不尽な状況が続く。
なので学校教育に期待することはできない*1
知識の伝達が虫食い状態なので、結果として情報が足りない子供たちにとってはアダルトサイトやAVからの情報が主流になってしまう。
エロいコンテンツが悪いわけではなくて、これらはもともと大人向けに作られているのに日本の場合は性教育がきちんとできていないため性の知識がそういうものに依拠せざるを得ないところが問題だという話。
このあたり、ネットで暴れてるフェミニストさんはちゃんと区別できてない人がかなり多いんじゃないかな。*2
②「思春期からではなく幼児期から段階を踏んで話ができること」
思春期まで一切性の話をしていなかったのに、思春期に入ってからいきなり性の話をするのは算数を全く教えてこなかった子供にいきなり高校数学を解かせるようなもの。
結果としてハードランディングになってしまう。
親側で、無理のないレベルでコントロールしながら自然と教えられることは大きなメリットがある。
性教育のしっかりしている国の方が15歳までの性交渉体験率は低い
正しい知識を持っていない状態で性行為への好奇心が膨らむことこそが一番危険
リスクをきちんと知って自分で判断できるようになると、意外と子供たちは自分を大切にする。リスクがきちんとわからないと、「リスクを取る方が偉い」という謎の風潮によって、無防備な状態で性行為に巻き込まれることになる。*3
そうはいってもどうやって家庭内で教えたらいいの?
そもそも親が正確に教わったことがないから体系的な知識などないし、子供に対してどう教えたらいいのかわからないというのがある。
実は「学校教育」ってこの要素が凄く大事で情報そのものよりも情報を体系立てて学ぶための「型」を教えてるところがある。
イケハヤやゆたぼんくんじゃないけど、情報だけならネットでいくらでも検索できるのは確かだ。でも、ネットだけだと虫食いだらけの断片的な情報のまとまりになる。何より、ちゃんと勉強してない人ほど「自分が手に入れた情報」を自分勝手に組み合わせて独自の理論を作ったりしてしまう。*4
自分自身がこの「型」をきちんと教わっていないのに、家庭で子供に性教育をしろというのは、親にとってハードルがめちゃくちゃ高い。
私もインターネットで断片的に情報は調べられるけれど、他人に必要な知識を体系的に説明できるかというと絶対に無理。
だから、ネットの意識高いフェミっぽい人たちは「家庭内での性教育の必要性」を感じつつも、この部分をどうすればいいかがわからないから、そのフラストレーションを「学校叩き」や「オタクコンテンツ叩き」に向けてるわけだ。本質から目をそらしているわけだけれど気持ちはわかる。
「おうち性性教育はじめます」という本は、そういう人のために「性教育」に特化した形でどうすればよいかをまとめてくれているのですごく価値がある一冊だと思う。
自分で本を読んでくれるのが一番いいと思うけれど、私自身全く分からなくてとても興味があるので、これからちまちままとめていきたいと思います。
*1:正確には学校教育に期待できないというよりは、保護者達が学校側にまともな教育をさせないといった方が良い
*2:とくに新橋九段氏やかえる(ふくろ)氏などのようにコンテンツそのものや、そこから派生してオタクをたたきにいてる人はカスだと思ってます。
*3:西野信者の人たちがグルグル目で「リスク取りましょう」って念仏のように唱えてるのと同じ。あの人たちはリスクとは何なのかを具体化・言語化することが全くできてないよね
*4:青〇才さんとか見てればわかると思う。彼は自分が手に入れた情報だけで勝手に話を組み立ててしまうので、彼の言ってることが正しいか間違っているかは、手に入れた情報がコアの部分かどうかというガチャ次第になる。時々すごく正しいことをいうのだが、手に入れた情報が枝葉末節部分だけの場合、トンデモなく的外れなことを平気な顔をして言う。日本にいてトランプ信者になってる人たちが、常識では考えられないような嘘も平気で信じてしまうのもこれが原因。一度学校で体系立てた知識を学ぶということはそのくらい重要だったりする