の続き。2巻にして早くも登場する名馬たちがウマ娘世代になってきた……。もっと古い馬を知りたいのだが……

- 作者:やまさき 拓味
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: Kindle版
- 1話 チケゾーの恩返し・ウイニングチケット
- 2話 ライスシャワーの前のヒールといえばこの馬だった・クライムカイザー
- 3話 偉大なる労働者・カネミノブ(マルゼンスキーと同期)
- 4話 兄の代わりに地方からクラシックに挑んだ妹・オグリローマン
- 5話 ライスシャワーはなぜ宝塚記念を走らなければいけなかったのか……
- 6話 中山大障害を5回勝利したバローネターフ
- 7話 岡潤一郎とリンデンリリーの哀しき栄光
- 8話 装蹄師・福永守に救われ「鉄の女」となったイクノディクタス
1話 チケゾーの恩返し・ウイニングチケット
ウイニングチケットは伊東厩舎に入るが、同期で期待されていたのはニホンピロスコアという馬。チケゾーは当初オープン馬になれれば上等、くらいの評価だったらしい。
ウマ娘ではやたらと感情豊かに描かれているが、実際のチケゾーは逆にめちゃくちゃ繊細な馬であり、ストレスでしょっちゅう蕁麻疹になっていたり調教を嫌がったりと手がかかっていたらしい。
それを島厩務員が丁寧に付き合って育て続けた。
ちなみに、レース内容としてはダービーの時よりも京都新聞杯の上がり3ハロンの追い込みの方が強い走りだったといわれている。
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2話 ライスシャワーの前のヒールといえばこの馬だった・クライムカイザー
トウショウボーイとテンポイントの一騎打ちを期待していた観衆を裏切り、すごい脚でまくった一頭がいた。
1976年 ダービー
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シンボリルドルフを破った「あっと驚くギャロップダイナ」やこの「クライムカイザー」など、競馬は何が起きるかわからない。「競馬ゆっくり」で見たレッツゴーターキンやダイユウサク、フサイチコンコルド、ダイワメジャーなどいろんな番狂わせがあるけれど、その番狂わせを成し遂げた側の視点の物語も面白い。
3話 偉大なる労働者・カネミノブ(マルゼンスキーと同期)
出走数・勝利数・掲示板を外さない手堅さといいナイスネイチャをほうふつとさせる馬。
1981年は年明けのAJCCが引退レースとなり、勝利すれば中央競馬歴代最高賞金王という記録が掛かっていたが、ホウヨウボーイの4着敗れた。同年引退。
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しかし、この馬は有馬記念を制していたにも関わらず、種牡馬としてうまくいかずそのまま行方不明になった。(マルゼンスキー同期はハードバージ含めて全体的に悲惨な馬が多い)
まぁ行方不明系のネタはあんまり触れたくない…… 例えばこの動画とかもぼこぼこに批判されてるしね。
「ハマノパレード」「ファーディナント」あたりで検索すると解説動画が出てくるが、競馬ファンがコメント欄でマジ切れしているのがわかる。
4話 兄の代わりに地方からクラシックに挑んだ妹・オグリローマン
第56回桜花賞
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結局オグリローマンがG1で勝利したのはこの1つのみだったが、オグリの妹が地方所属馬初の牝馬中央G1勝利ということで大いに盛り上がったらしい。
5話 ライスシャワーはなぜ宝塚記念を走らなければいけなかったのか……
勝てなくなったライスシャワーがそれでも引退できずに7歳まで走り続けた理由については多くの人が同じ意見。
就職活動に失敗して深い傷を負った競馬研究会の学生が、ライスシャワーの末路について涙ながらに語っていてめちゃくちゃつらい。
7話 岡潤一郎とリンデンリリーの哀しき栄光
岡潤一郎このレースの後1年3か月後、レース中に落馬し、その際に運悪くヘルメットが外れたところを後続場に蹴られて重態に・・・そのまま死亡した。
この勝利はリンデンリリーばかりでなく騎乗した岡潤一郎にとっても、管理調教師の野元昭にとっても初めてのGI制覇となった。しかしゴール後すぐに岡はリンデンリリーから下馬。診断の結果、右前脚浅屈腱不全断裂を発症し競走能力を喪失していることが判明した。なお負傷はレース中、最後の直線を走行していた時点で既に発症していたものと推測されている。
レース映像を見ていた人がこれは予後不良と思ったという感想をのべていた。命だけは助かったがリンデンリリーにとってこれがラストレースとなった。
8話 装蹄師・福永守に救われ「鉄の女」となったイクノディクタス
元々は蹄鉄が合わず屈腱炎になっていたが、福永に預けられてから1か月で完治し、その後は故障もなく走り続け当時の賞金女王になった。