この件についてなんとなくモヤモヤしてたのでスペースでお話してみました。
最初は独り言で30分くらいしゃべるだけのつもりだったんですが、途中で他の方にも飛び入りで参加いただいて、いろんなお話をお伺いしました。あらためて話を聞いてみて、「私もあのnoteのような経験をした」ということで具体的な話を聞かせていただき、同じような悩みを抱えてる人多いんだなと感じましたね。
※ちなみになんですが、上のnoteを書いたのは私じゃないですよ!
みなさん、本当に良い人ばかりで「なんとか発達障害者の人を理解しよう、手助けしよう」として自主的に勉強をしたり自費で研修にまで参加してる人がいました。それでも一向に発達障害者の人との溝が埋まらず、自分の仕事にも支障が出てきて「私が悪いのだろうか」と心を病みそうになっていたといいます。
今って「運が悪く世話をすることになった」一部の人だけに負担を押し付けて他の人が「合理的配慮」が何かを理解することもなくきれいごとを言って現場の人を追い詰めるような構造になっている気がします。
職場全体、社会全体で理解が広まってほしいなと思いました。それによって一人一人の負担が軽くなって発達障害者の人にも「合理的な」働き方の選択肢が与えられるようになってほしい。発達障害の当事者でもあり、かつ実際に発達障害の人を受け入れる際に苦労した経験もある人間としてはそういう風に思います。
ということで、せっかく話の中でいろいろ教えていただいたので、皆さんにもおすそわけ
https://www.works-i.com/research/works-report/item/developmental2019.pdf
追記:私がスペースで特にお伝えしたかったこと
私がスペースで強調したのは「発達障害者はとにかく脳のメモリが貧弱すぎて、自分の事で頭いっぱいであるために他人を配慮する力が極端に低い」「短期的には配慮できるが他の人よりも稼働時間が極端に短くなる」「よほど障害が軽くないかぎり基本的に毎日8時間のフル稼働は無理です」ということです。
発達障害者はこの記事でいうところの古い脳の割合が多いとかよくいわれますね。
logmi.jp
実際のところはどうか知らないんですが、とにかく対人関係に割けるメモリの容量が少ないことだけは間違いないです。
そのため、普段から脳のメモリを効率的に活用するために整理が必要になります。
それをサボってる人はひたすらに「自動思考」に支配されるようになります。
その結果として発達障害者は生育環境によって独自のルールをどんどん自分の中にこさえてしまい
そのルールに従ってなかば無自覚に反応をすることが多いです。
だから発達障害者の診断の際にはかならず親などからの生育環境をヒアリングするという過程が求められるんですね。
発達障害当事者といってもこのあたりのメカニズムを理解してる人は半数もいなくて、結局自分で何ができるのかわかってない人が多いです。
ひどいのになると、「発達障害」であることを言い訳にしていろいろと過剰に配慮してもらおうとしたり自分ができないことを言い訳にして開き直ったりします。
同じ発達障害者として言わせてもらいますが、こういうのは発達障害そのものの問題ではないです。これらは二次障害とか後天的に獲得された性格というものです。この区別が受け入れる側も発達障害の当事者もできてないとお互いに不幸になります。
生まれつきの発達障害の特性はなおすことはできませんが二次障害や後天的に獲得した自動思考については、後述する方法で可視化できれば「仕事に支障のない範囲で」是正することは可能ですし、これは絶対にやるべきです。これは発達障害当事者にとっての希望でもあります。
巷ではよく「発達障害は病気じゃない!治療しろとかいうのは差別!」という無理解極まりないコメントをする人がいますが、発達障害当事者だってなおせるところと直せないところを見極めて、改善できるところは改善したいのだからよくわかってないなら余計なことを言わないでほしいです。
発達障害当事者というのは本来は個性であり、社会が求める働き方が変化していく中で適応できない脱落者に障害というレッテルをはったものがほとんどです。もちろん重度の人はいますが、軽度な人は職場環境次第で普通に受け入れが可能です。一方で、職場全体の理解がないと絶対に受け入れは不可能です。少数の世話役に負担を押し付けるようなやり方だと間違いなく破綻します。
とにかく大事なのは「発達障害者を健常者と全く同じように扱わなければ差別だ」とかいう無理解にもほどがあるゴミみたいなエセ道徳やらエセ倫理を捨てることです。 受け入れを通じて、個人の個性に応じた働き方を構築できるようになれば問題はジワジワと解決していくと思っています。
コロナによってリモートワークや時短勤務が少しずつ受け入れられるようになってきたわけですし、「発達障害者のため」ではなく健常者の方々が「自分の個性に会った働き方」を手に入れるためにも、もうちょっと発達障害者での職場受け入れについて理解が広まってほしいと思います。
この問題について考えてる人におすすめの漫画4作品!
本はどうしてもお堅いものがおおくてとっつきにくいと思いますので、まずはこの3冊をお勧めします。
8巻では発達障害者受け入れの話が丁寧に行われています。特に7コラム法の活用についてはぜひ参考にしてほしいです。発達障害者の頭の中がどうなっているのかを理解するヒントとしてとても優れています。1巻の冒頭では現場の人だけに「合理的配慮」を押し付けることがいかにむごいか、それによってどういう感情が生じてしまうのかをこの上なく見事に描いています。
そして世話係の女の子が発達障害児気持ちをぶつけて相互理解が進む希望の展開を描いてくれているのが「放課後カルテ」です。こちらは大人がしっかりしてたので何とかなりました。
www.tyoshiki.com
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受け入れ側の人に特におすすめの本
障害者雇用を利用して就職した人の話ですが、大事なのは「受け入れ側も、相手が発達障害者であることが判明していればこういう外部機関の支援を得てフォローができる」という知識がかなり具体的に語られていることです。
障害者雇用について説明してる本がほとんどお堅い内容でどうしても差別にならないように気を使って書かれているのに対して、こちらの本はかなり本音トークの本となっており、職場との軋轢をどう解決したかも書かれているのでめちゃくちゃ参考になりました。 私はこの本を参考にして、職場で発達障害をカミングアウトした上で「こういう風に仕事をさせてほしい。給料は下がってもいい」という感じで交渉を行い今に至ります。短い内容でサクッと読めるしunlimited無料なのでここに書かれてる内容くらいは皆さんも共有してほしい。