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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「ネクログ」  死者の冥福を祈るということ

自殺したネット上の友人を救えなかったことに苦しむエントリを見た。

どうすればよかったのか、それを悔いてもその人はもう戻らない。

じゃあどうすればいいのか。冥福を祈るしか無い。

その行為に意味はあるのか。意味なんか無いんじゃないのか?

この作品はその問への答えとして一つのストーリーを提示してくれていると思います。

これが正しいとは言わないですが、こういうストーリーは少し心を救ってくれるなと思います。



主人公の男には血は繋がらないが、隣家に住んでいて実の家族のように育った大好きな姉がいた。

しかし姉は貧しい家の出身で、彼女にとって人生は不幸の連続だった。
ある日姉は強盗に襲われ瀕死の状態になった。
この時、通りがかりの仙人がいのちを助けようとするも姉は復活を拒否して死を選んだという。

男はそんな姉をなんとしてもこの世にとりもどそうとした。
長い間仙人の下で修行し、才能は全くなかったが根性で様々なトラブルを乗り越えつつ
(この過程で、死者の魂を蘇らせようとしたり、利用しようとしたりするいろんな人達を見る)
ついに姉の魂をこの世にとりもどすべく冥界までたどりつく。


しかし、現世では辛い顔ばかりしていた姉は
冥界においてはとても幸せそうな顔をして暮らしていた。

話をシてみたものの、やはりこの世に戻ることは望んでない。
それでもなお生きかえらせることが正しいのか。

「姉ちゃんは生き返ったばかりじゃないか。
これから生きる希望や楽しみを見つけるんじゃないか。
姉ちゃんはこの世で幸せにならなきゃいけないんだ。
俺はそれを支えなきゃいけないんだよ」

「……それは、オマエの幸せじゃんか」

男はただ姉のことが好きだった。
生前の姉を不幸から救えなかった自分を悔いてきた。
無力な自分も、姉を苦しめる加害者であるように感じ、ずっと罪悪感に苦しんできた。
謝りたかった。もう一度会いたかった。
そのためだけに一生を捧げて姉の反魂を求め続けてあがき続けてきた。

しかし、それは全部、自分のためだった。
姉のことを思っているといいながら、やはり姉のためにならないことをしていた。

「なんだ・・・すべて無駄だったのか」

「いいえ、あなたの姉の冥福は、あなたのおかげです。
 冥府の帳簿にきちんと記されていました。
 昔から積み重ねた供養と祈り。
 君はもう十分きみのお姉さんを幸せにしていたんですよ」

想いはちゃんと報われていた。
自分が望んだ形ではないにせよ、あの世で彼女を幸せにしていたのだった。