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よく言われる「人手不足倒産」とは本当のところどういう意味なのか? セブンイレブンの24時間営業問題について考える

昨日紹介した「東洋経済4月6日号」の話の続き。

セブンイレブンの24時間営業問題についてデータで考える

東洋経済は特集以外のニュース最前線も結構面白いです。


前回の記事ではフィットネス業界ニュースを紹介しましたが

今週はセブンイレブンの24時間営業問題です。これを「データをもとに」考えようということですね。


週刊東洋経済 2019年4/6号 [雑誌]

週刊東洋経済 2019年4/6号 [雑誌]


考えるべきなのは、なぜ「今までは」不満が爆発せず、「今になって」爆発したのかだと思う

セブンイレブンの24時間営業の問題は前からずっと言われていました。しかし大事なのは「なぜ今のタイミングになって」一気にコンビニ加盟店ユニオンが団体交渉を求めるなどの動きが生じ始めたかということです。逆に言うと「なぜ今までは不満が爆発しなかったのか」というところ。これを考えてみましょう。



以下のグラフはとても分かりやすい。これに「どんどんコンビニ店員に求められる労働が多様化していっている」ということを踏まえると、いよいよ限界になってきたことがわかります。

f:id:tyoshiki:20190406170039j:plain

このグラフからわかることは

「給料を上げればなんとか人手を集めることはできていた」ということと。
「忙しくはなるけど売り上げは上がっていってるから、人件費は高騰していってもなんとか吸収できていた」ということの二つです。


「売り上げさえ伸び続けていれば」「人件費が低くても雇うことさえできていれば」
オーナーはコンビニ会計や本部の態度に不満はあってもとりあえず続けることはできた。


ところが、それが一気に「両方の面で」崩れたわけです。 
「売り上げが下がった」のと「人件費が上がり、そもそも確保ができない」のダブルパンチで
そもそも24時間営業を必死にやっても赤字になるか、そもそも実施することが無理、という二択になってしまった。


こうなるとさすがに組合を結成してでも本部に叛逆するしかありません。


結局のところ、ビジネスの前提を崩すのは「売り上げの減少」と「人手不足=人件費の高騰」だということがわかります。
どちらか片方だけなら耐えられるけど、その両方が重なった時に「人手不足倒産」が起きるわけです。

「人手不足倒産」と言われる時、実際には人手不足だけではない

というわけで、最近ニュースで見る「人手不足倒産」という言葉については、正確には「売り上げの減少と人件費高騰のダブルパンチ」であることをちゃんと理解したほうがいいです。こうした報道を見るたびに、文字面だけとらえて「人件費上げろや」ってはてなブックマークコメントしてる人よく見かけますが、これは理解不足です。もう賃上げは不可能なんです。単なる人手不足や供給能力不足なら事業は継続できるケースも多いです。 (もちろん「黒字倒産」というのもありますが、それはキャッシュフローの問題ですから違います)


さらに今週号では各コンビニチェーンでの「時短営業」への取り組みの状況と、その課題についても説明があったのでなかなか読みごたえがありました。



日本版も面白いですが、やはり本家のほうがレベルが高いので、今週号を読んで面白いなと思ったら本家もぜひ読んでみてください。