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今回の宇崎ちゃんの炎上は「オタクの内輪ネタ」の「内輪」がでかくなりすぎたことが原因かもしれない

11月12日追記:ちょっと待って!今更この記事にはてブついてて困惑してるんだけど、この記事10月15日=炎上翌日に書いたやつだからそれ前提で読んで!この記事の後に6個くらい宇崎ちゃん関連で補足記事書いてるから文句あるならそれ読んでからにして!「まだやってんのかよ」って言われてもそれ私のセリフだから!



『「宇崎ちゃんは遊びたい」の献血PRポスターはセクハラ』との批判と、それに関する議論 - Togetter

これについて、まず一番最初に確認しておきたいことがあります。


みなさん、宇崎ちゃんがどのくらい人気のコンテンツか正しく認識できてますか?


批判してる人はもちろん、擁護してる人もこの「宇崎ちゃん」という作品が1冊あたり20万部くらい売れてるということを知らないんじゃないかと思う。(7月25日時点で60万部突破のツイートがありました)

オタクであり、1巻時点で感想書いてた私ですら、3巻の時に宇崎ちゃんが50万部も売れてるのを知ってビビったくらいなので、普通の人ならなおさらわからないんじゃないだろうか。

宇崎ちゃんは遊びたい! 3 (ドラゴンコミックスエイジ)

宇崎ちゃんは遊びたい! 3 (ドラゴンコミックスエイジ)

ましてや、今回問題になってるポップが、3巻の表紙と全く同じだということを知らない人もいるんじゃないかと思うんですが。この宇崎ちゃんマジで超うざいよねw

追記:やっぱりみんな宇崎ちゃんがマイナーマンガだと思ってるね。
今回の件で「宇崎ちゃん」を初めて知った



上の記事でも書いたとおり、作者さんに失礼なことを承知で言うとぶっちゃけ宇崎ちゃんがなぜこんなに人気があるかは私にはようわからんです(老害)



何がいいたいかというと。

上で述べた要素を合わせて考慮すると、この作品は「エロいから」ではなく「オタクにすごく人気の作品だから」使われてるのだってことです。性的意図に基づいてこの絵が選ばれた、という環境型セクハラの条件をこの絵は満たしません。


「オタク=エロ」が直結してるオタク絶対シスベシフォーウな人でなければこの違いは判るはずです。


宇崎ちゃんを環境型セクハラと呼ぶのは、巨乳の女性を性的な存在とみなす偏見の発露では?

少なくとも、宇崎ちゃんは特にそれに特化した作品ではないです。

この作品は「天野めぐみはスキだらけ!」という作品あたりから注目されだした「性別的な垣根に対して無自覚な幼馴染や後輩」という系統の作品ではあるのですが、その中でも最もエロとかフェチ要素を武器としてない作品です。

「長瀞さん」とか「着せ替え人形」とか「やんちゃギャル」とか「恋愛感情のないなんちゃら」はエロ推しに該当すると思いますが、宇崎ちゃんは巨乳であること以外にはその要素がほとんどない。

天野めぐみはスキだらけ! (17) (少年サンデーコミックス)

天野めぐみはスキだらけ! (17) (少年サンデーコミックス)

イジらないで、長瀞さん(1) (マガジンポケットコミックス)

イジらないで、長瀞さん(1) (マガジンポケットコミックス)

その着せ替え人形は恋をする 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

その着せ替え人形は恋をする 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

やんちゃギャルの安城さん(1) (ヤングキングコミックス)

やんちゃギャルの安城さん(1) (ヤングキングコミックス)

恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 1 (バンブーコミックス)

恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 1 (バンブーコミックス)

ギャルごはん 1 (ヤングアニマルコミックス)

ギャルごはん 1 (ヤングアニマルコミックス)

www.tyoshiki.com


むしろ「巨乳=エロ」を真っ向から否定してるといってもよい。宇崎ちゃんの胸が大きいことは作品特に重要な意味はなく、別に「宇崎ちゃん」が巨乳でなくても作品として全然成り立ちます。どっちかというと一目で見てわかるように「後輩がうざい」要素のほうが大事です。

「先輩がうざい後輩の話」とか「今どきの若いもんは……」みたいなノリを楽しむ作品です。

先輩がうざい後輩の話: 1 (comic POOL)

先輩がうざい後輩の話: 1 (comic POOL)

今どきの若いモンは(1) (サイコミ)

今どきの若いモンは(1) (サイコミ)

ついでに言うと、こういう目線もある。「お互い様」なんですよね。

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©「宇崎ちゃんは遊びたい」1巻 7話 いつも思うけど巨乳の反対の消費ってこういうやつだよね。巨乳の対比で局部の話する人変態過ぎでは?



※ここまで読んでなお、「じゃあなんで胸大きくするんだよ」とか「必要ないなら胸を大きくするな」「とにかく大きな胸というだけで公共の場にはふさわしくない」っていう意見を言う人がいたらそれはただ「巨乳に対して自分がどういう偏見を持ってるか」の開陳になるだけだから黙ってたほうがいいと思うよ。別に作品に必要なく胸が大きい女の子がいても全然問題ないやろって思えないならその人は相当やばい


批判してる人の感情というか「前提の違い」は考慮すべき

一方で、批判してる人にはそんなん知ったこっちゃないからこのキャンペーンのために「わざと胸を大きくした」「エロ推し」のキャラが無理やり使われてるくらいの認識だったんじゃないだろうかと思います。

んで、それはめっちゃ分かる。

オタク絵に慣れてるけどこの作品の宇崎ちゃんは絵として明らかに記号的だしこの制服なんてまだかわいい方で、浴衣でも乳袋できてるのとかオタク的な感性からしても違和感あるよ。

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©「宇崎ちゃんは遊びたい」23話 これはちょっと…

だから、ぱっと見の印象として「私は気持ち悪く感じるよ!」などの感想は全然ありだと思います。*1

でも、さっき言った通り、作品のことを知らないからとはいえ、ただ巨乳キャラを出してるというだけでそういう批判をするのは、自分の「巨乳=エロ」という偏見を暴露してるだけで自爆じゃないかなと思います。(まぁそうは言いつつ、作中でも主人公以外は宇崎ちゃんが巨乳であることは当然気にするんだが)

「巨乳じゃない乳袋だ全然違う」という話をする人がいるかと思いますがこれにはちょっと懐疑的。「乳袋」の表現がリアルではないのは事実でしょうが、これに対して「違和感がある」「私は気持ち悪い」の域をはるかに超えて、過度に性的な意図を勝手に見出して批判するのは全然自明なことではありません。「そういう風に感じる人がいる」という話で尊重はされるべきだけど「内心の決めつけ」やまして断罪が許される範囲ではない。 このことを理解してない人が多すぎると思います。



エロはともかくとしてオタクっぽさはすごく感じる

あと、別の意味で今回の件に抵抗を感じる気持ちも、正直わかる。

私オタクだし宇崎ちゃんのマンガ好きだけど献血の車にこんなんがでかでかと出てたらその車では献血しないと思う。さすがにこのポップだと「それ」目的だと思われたくないから避ける。エロいかどうかというよりもこのオタク感バリバリの内輪感がきついねん。「オタク以外お断り」といわれているように感じてしまう。

私はオタクだけど100%常時オタクという要素だけで生きてるわけではない。普段はオタクじゃない自分が表で行動してる。なので、100%オタクっぽい空気が出てる場はネットならともかく公では近寄りがたい。それ以外の部分も考慮してほしい

ましてオタクじゃない人からしたら「こんなポップ置かれたら、私たち献血したいと思ってもできない」「献血という大事な行為がオタクに私物化されてる」みたいな発想になるのはまぁそうだろうな、と。

だから正直「性的搾取」とか「環境セクハラ」って話じゃなくて「いくら何でもオタクの内輪感きついわー」とかだったらすごいわかる。

正直、これに限らず、オタクのTPOのわきまえなさ自体に、オタクである私ですら個人的に嫌悪感を覚える時もある

一時期のラブライバーはオタクの私から見てもちょっとドン引きするような人たちが結構いた。私は陰キャのオタクなので、ああいう陽キャのオタクがミューズのキャラのバッジをめっちゃたくさんつけて内輪以外の眼を全く気にせずにウェイウェイしてるのは普通に「なんだこいつら」って気持ちになった。

はい、もちろん嫉妬です(´ω`)

けどそれ抜きにしてもこいつら周り見えてなさすぎじゃね?ってなった。最近のネットでは、一部の痛々しいFGOファンの振る舞いも、すげえ幼稚だなと思ってた。(たぶんこっちは本当に子どもが多い)


そういうのに対しては「ちょっと自重しろよ」くらいは思うときはあった。

でも、もう特にFGOなんかは規模が大きくなりすぎて「自分たちの感覚があくまで内輪にしか通じない」ってのがわからなくなってるひとたちが結構いるんじゃないかなあと思ったり思わなかったり。個人的にはオタク的な感性ってどんだけ規模が大きくなっても「自分たちの感覚が普遍的なものだ」とはならないと思うし、だからこそいいと思ってるんだけど。良くもわるくも「キモい=他者の感覚と違う」のがアイデンティティちゃうんか。
そうでもないのかなー。このあたりよくわかんね……。


まとめ

結局何が言いたかったかというとこういう話です。

吉本興業という関西ローカルの、しかも関西人としてあまり共感できない本来「狭い」「劇場型」の笑いが全国メジャーになった結果としていろんな弊害が出てるように、オタクの内輪受けも、あまりにオタクがメジャーになりすぎたことによる弊害が全くないとは言えないかもしれないという、もう10年くらい言われ続けてる話です。

でも、いよいよ吉本興業の弊害が顕在化して批判されてる最中だからこそ、オタクも「驕れるオタク久しからず」という警戒心くらいは持っておきたいな、と。

別にみんなが表現の自由みたいな単語が飛び交う「最終防衛ライン」で戦わんでもいいやん。余裕があるうちからギリギリのラインとか不寛容の精神でいるんじゃなくて、むしろ「批判してる人の気持ちはわかるし気を付けるべきところは気を付けるけど、規制とか無茶苦茶いうのは堪忍してね」っていう感じでいいと思う。



<11月12日修正> (もともとはここから先の部分で「余談」として太田弁護士についての不満について書いていましたが、もうこれ以上宇崎ちゃんの件で議論したくないのでnote側に隔離します)
note.mu

*1:いつも思うんですけど、なんでこの手の人たち「自分は相手のことを全く勉強しないのに自分のことは最大限配慮されるべき」って思ってんのかほんとにわからんのだけどまあいいや