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Q:ソフトバンクはWe Workを黒字化までもっていくことができるのか? A:無理

みなさんソフトバンクが15年ぶりの営業赤字転落という事例について思い思いの話をされていますが
少なくとも今回「ごまかし」さえしなければ赤字転落するのはすでに織り込み済みでした。

問題なのは、今の評価損のことではなくて、
ソフトバンクはこれか先にこのWeWorkを立て直せるんですか?というところ。

まずソフトバンクG 孫さん側からの説明について

今回の会社説明会に対する解説はこの記事が最もおすすめです。
toyokeizai.net

WeWorkのIPO(新規株式公開)延期でソフトバンクグループの対応に注目が集まっていた中で10月23日、ソフトバンクグループは最大で95.5億ドルの「大規模な資金コミットメント」、さらにはソフトバンクグループCOOマルセロ・クラウレの取締役会エグゼクティブ・チェアマンへの選任といったWeWorkへの追加支援策を発表しました。

資金コミットメントの内訳は、TOB(株式公開買い付け)による株式取得で最大30億ドル、担保付きシニア債券11億ドル、無担保債券(ワラント取得)22億ドル、レターオブクレジットファシリティー17.5億ドル、既存コミット分の株式取得15億ドルとなっています。

孫社長は、これを、「救済ではなく、現金が流出することのない株式価値の洗い替え」「投資した株主価値が高すぎたので、現金を流出させることなく株式を安く仕入れた形へ株価の洗い替えをした」「WeWorkへの今回の投資はナンピン買い」と強調しています。

現在のWeWorkは「低い粗利-高い経費=赤字のEBITDA」になっているとし、この構造を改善することでEBITDAは伸びると述べています。また、ソフトバンクグループはWeWorkのすべての不動産物件の価値やリスクなどを調査するデューデリジェンスを行った結果、物件の稼働率が伸びていくことで開業後6カ月を過ぎると収益を生み、12カ月を過ぎると高収益に転じると判断

ここまでが孫正義さんの言い分です。
この記事では「2年くらいで企業再建できるのではないか」と前向きに評価されています。
でも、実際には今後の経済情勢を考えると、9割前後の稼働率が前提となるようなビジネスモデルでは相当厳しいし、むしろWeWork自身が不動産不況の原因になってしまう恐れが大きいです。

不動産担保証券データベース会社Trepp社は、WeWorkが関わる不動産契約に付随して33億ドル以上のCMBSが発行されているとし、WeWorkがCMBSの裏付けとして抱えたローンが全CMBS市場の1%を占めるまで近づき、そのエクスポージャーは1社関連のものという視点からは看過できないレベルにあると述べています。

WeWorkの話をする前に、破綻した「かぼちゃの馬車」(運営元スマートデイズ)の動画を見てください。

www.youtube.com

WeWorkは、スルガ銀行じゃなくてソフトバンクが資金供給源だったり
契約者が個人ではなく法人主体だとかいろいろ違いはありますが、
まずスマートデイズの問題を把握しているとWeWorkの問題も理解しやすいです。


PL面ではなんとかなってもBSで考えると絶望的

結論から言うと、「ソフトバンクGの支援によってWeWorkは多少寿命は伸ばせるかもしれないが、全部満室になるくらいの稼働率があったとしても、黒字化まで持っていくことは不可能」といえます。

なんでこんなことになってしまったかというと、市場から調達した(というかソフトバンクがつぎ込んだ)金を使って採算度外視で不動産を高値掴みしまくったから。

WeWorkは長期リースでスペースを借り上げて、それを改装、付加価値を付けたうえで、最短1カ月単位で貸し出すというビジネスモデルであり、景気後退局面では債権債務のミスマッチ問題や不稼働リスクはより高まる

つまり、アダムさんはもともと調達した資金によってみせかけの超高い成長率を演出して上場ゴールすることが前提の自転車操業であり、永続的な事業として成功することを想定していたとは思えません。

だって、多くの人が言ってる通り、これ基本的にサブリースだし失敗の仕方もほとんどスマートデイズと同じです。顧客が法人かどうかだけの違いでフル稼働率だったとしても赤字になるような無茶苦茶なことをやっています。

そして、今回孫さんもそれを認めました。

WeWorkはテクノロジー企業なのか。ソフトバンクグループによるWeWorkへのコミットメントの成否を予測するにあたってはこの点を注意深く見ていく必要があると思いますが、孫社長からの説明は「テクノロジー企業としての側面は(WeWorkが利益体質に改善されてからの)応用段階になってから」というものだけでした。言わば現時点においてはテクノロジー企業ではないことを認めたような発言については、これまでテクノロジー企業であると主張してきた説明責任が十分に履行されていないものであると残念に思いました


わかりやすく説明してくれている記事があったので、こちらをご覧ください。

www.financepensionrealestate.work

We Workのビジネスモデルでは、ビルを長期で賃借し、それを小分けにして個人や法人に短期で賃貸するサブリースがメインとなります。そのため、収益の安定性に欠けるのではないかとの疑問が出てきますが、上図の通り法人契約を増やしており、安定性は上昇しているとWe Workは主張しています

(中略)

広告費等が無かったと仮定しても、We Workは本業で赤字を出していることになります。決算書だけを見るとWe Workは、高い費用をかけて安い入居者を募集してきた不動産賃貸事業者であり、本業が単なる赤字企業であると評価される

ということでビジネス構造自体がインチキに近いものだったと市場は判断しており
実際に孫さんが指揮をとったとしても、すでに肝心の不動産を高値掴みしてしまったため、
他をいくら削ってもビジネス的に赤字を免れないよな構造になっています。


孫さんがこれからWeWorkに対してどこまで出血を止められるのか

私が説明するより、プロの人に見てもらったほうが早いので、プロのツイートを参照してみましょう。




先ほども説明したように、「救済は最初から無理で、いかにして損切による損失額を減らすか」に絞られる。
つまり、数年くらい寿命を延ばすことはできるが、結局途中で特損を出さざるを得ません。

そもそも孫さんは晩年をWeWorkの立て直しにささげたいと思うか?ずっとWeWorkが足を引っ張ってる状態でファンドなんてできるか? というと無理ですよね。とりあえず、できる限り出血を抑えた上で、数年以内の損切(特別損失計上)を行うしかない。 

転んでもただではやられない孫さん。ナンピン買いにおけるマジック

余談ですが、孫さんがWeWorkにナンピン買いをしたこと自体をバカにしてる人がいますが、それは違うでしょう。

孫さんはもちろん、IPOが延期になりバリエーションが激減した時点ですでに現状を把握してこれは損切しないとアカン、って判断はしてたはず。

2019年6月末時点で、WeWorkの親会社であるウィーカンパニーのバランスシートには約151億ドルのリース資産と約179億ドルの長期リース負債が計上されています。また、事実上債務超過の状態にもあるとも分析されており、非常に脆弱なバランスシート

ただし損切をするためにはまずアダムを追い出さなければいけない→過半数以上を握って経営権を掌握する必要があるという状態だった。

だから、ナンピンをすることに決めたのですが、ナンピンを実施したのはWeWorkが資金ショートする10日ほど前というギリギリのタイミング。そして、その時に「無茶苦茶値切って」ます。当たり前ですが、本当にこれからWeWorkが持ち直すと思っているのであれば、これは悪手です。市場が注目してる中で、「最大の出資者であり、今までWeWorkの価格を釣り上げてきた孫さんがWeの株式を値切った価格で買う」ということは、少なくともその額で売らないといけないほどにアダムやWeWorkという会社がやばいと示してしまう。 でも、孫さんはもうIPOもあきらめ、損切りするために経営権を取得しようとしていたのだから、むしろそれでよかったのです。

ここで無理してWeWorkは大丈夫ですと繕うためだけに高値で株を取得するのではなく、はっきりと認めることで超安値で必要な株を取得した。いつも孫マジックとかでいろいろごまかしがあったのに、今回は無理だと見切った上で一番追加投資が少ない方法を選び抜こうとしてる印象です。

しかも、経営権を取得した上で連結には入れない。(連結に入れたらWeWorkの持っている4兆円の負債をかかえこむことになります。あくまで投資先でしかない、という認識ですね)

去年のエヌビディア投資における大逆転の時も思ったけど、この見切りの鋭さと、必要な手段を考え抜いて迅速に実行する手腕は本当にすごすぎるなと思います。あらためて、孫さん死んだらソフトバンク終わるなと思えるほどに。


WeWorkが消滅して投資分1兆円まるまるの特別損失を出してもソフトバンクが倒産とかはない。「アリババの株価が下がらない限りは」

group.softbank

ぶっちゃけ、今のソフトバンクは
株主価値の割合だけみるならアリババ・ジャパンと呼ぶのがふさわしいような会社です。

岩塚製菓とワンワンの関係みたいなもん。
president.jp

同社の貸借対照表を見ると、資産構成が特異な形になっていることがわかる。13年3月期の総資産は1035億5700万円。旺旺HDの株式が889億700万円ということは、総資産の85.8%を旺旺HD1社の株式で占めている計算になる。こうなると同社の屋台骨は、国内の米菓子市場ではなく、旺旺HDによって支えられている

さすがにここまでひどくはないですが、ソフトバンクも資産価値の50%以上がアリババの持ち株評価額。

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本業のソフトバンクはわずか2割程度しかない。
つまり、「アリババさえ大丈夫なら」何とかなります。

ビジョンファンドについても今のところは投資してる額が半額になって5兆円損をしても「理論上は」アリババ株をまとめて売れば何とかなります。(実際にそんな事態になったら中国が市場を保護するためにアリババ株売却をロックしてきて死にますが)

そもそも、ソフトバンク事業が安定したキャッシュフローを生み出してくれているかぎり「即時償還」を求められない限りは倒産の可能性もまずありません。だからこそ、孫さんは無謀なほどの積極的な投資をできるわけです。まぁでもやりすぎだとは思うけどね。

WeWorkへの投資が全損した程度ではソフトバンクは死なないし、

そもそも今回計上された7000億の損失のうち、5000億は債務保証枠を設定したことによる会計上のもので、まだキャッシュアウトは発生してません。

将来的には実際にこのくらいの損失は発生するでしょうが、先にぎりぎり赤字になるよう損失引当をして、しっかりこまめに今年のぶんの節税してるのもちゃっかりしてるなー。


というあたりを理解したうえでニュースを見るといいと思います。