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「タイムパラドクスゴーストライター」(通称:タイパク、ジャンプの連ちゃんパパ)|もしあなたが「鬼滅の刃」の45話からいきなり続きを描けと言われたらどんな話にする?

引っ越ししてからジャンプを雑誌で読む機会が増えた。

これは私にとって決して良いことではない。若干マンガを読むという1点だけを考えると環境が大幅に劣化してしまったことが原因だからだ。

以前の環境では通勤経路内「マンガ専門コーナーがあるジュンク堂書店」と「マンガ専門店」があり、とにかく気が向いたら、帰り道にふらっと書店によってはマンガを適当に物色し買って帰ることができた。自分が読まないまでも、今はどういう漫画が人気であるかはなんとなく意識されていたし、ネットで話題になったら即買いに行くと言うこともできた。

今いる環境だと、そもそもマンガを買いに行くためにはそれなりに15分ほど歩いて寄り道をして帰らなければならない。遠回りしなくてもメロンブックスとかとらのあなみたいなオタク専門ショップはあるのだけれど、品ぞろえは偏っており、あまり目当ての本がわからない。そもそもコロナのせいで週2回しか通勤しない。最寄り駅にもTSUTAYAはあるがマンガレンタルすらない小さな店舗でマンガ売り場の面積は狭い。全然物足りない。

さらに言うと、追い打ちのようにブログもアクセスが激減してしまったため、マンガの感想を書くのも熱意が減ってきてしまったりしてる。
www.tyoshiki.com


そんな中でも、最近読んだ「青に、ふれる。」のようにめちゃくちゃいい作品に出会うこともあるので、引き続きマンガ記事は書き続けるつもりだけれど、
www.tyoshiki.com
そもそもマンガ発掘自体をあんまりしなくなっちゃったので、いつまで続くのかなーってちょっと先行きは不安だったりする。

他にもいろいろ理由はあるのだけれど、とにかく新作を探す機会も、単行本で漫画を読む機会も両方減ってしまった。やっぱり「常にマンガの売り場に触れられる」というのは大事なことだったんだなと思う。




あまりにひどすぎるスタートダッシュで逆に注目を集めた「タイパク」から目が離せない

というわけで、冒頭のジャンプの話に戻りますが。最近はジャンプ面白いので割とジャンプ読んでるだけで満たされてるところあったりする。




どのマンガも面白いけれど、そんな中で異色の存在なのが、記事タイトルにある「タイムパラドクスゴーストライター」である。

shonenjumpplus.com

なんかこう……なにこれって感じの作品なのだが、これがかなり癖になる。

そうそう。それだ。

この作品は、今のところ「ダイナミックコード」的な面白さがあるのだ。

作者と読者、どっちが最後まで耐えられるかの勝負をしているみたいですごくおもしろい。(なお私はダイナミックコードは6話まで頑張ったけどギブアップしました)


「なんでこれをジャンプでやろうと思ったのか」という戸惑いと「これはジャンプ以外では絶対無理だろうな」という納得感がせめぎあっている

1話ではいきなり「シュタゲのパクリ」みたいなことを言われた。

togetter.com

これはさすがには「レンジがタイムマシン」っていう要素だけで難癖つけてるだろう、と最初は擁護する気持ちで読んでたんですが……7話あたりで物語の動機構造が本当にシュタゲになってしまったり。



何と言っても「少年漫画の主人公としてお前それはないだろ」って言いたくなるような行動の数々がひどい。

togetter.com


ちょっとこれは悪意が強すぎるまとめだけれど、まぁでも、本当に主人公の行動や発言はすごいイラっとする。

普通だったらまぁすぐにそっ閉じするような作品です。

こんなん面白くなるはずがない、0どころかマイナスの存在じゃないかと切り捨てちゃう人が多いのもすごく良くわかる。




でも、なぜか気になって読んでしまう。

この作品のキーワードは「認知的不協和」だと思う

まず、作品から受け取る主人公の印象と、作者が描こうとしている(と思われる)主人公がずれている

主人公がやってることは言い訳のしようもないほどのクズムーブだし、
それに対していろいろ言い訳をして全然やめようとしない主人公はやはり読者から見るとクズに見える。

少なくとは私はそう感じる。

しかし一方、作者はいろいろなシーンで間違いなく主人公を「めちゃくちゃ善人」として描こうとしているように見える。

ここでまず最初のズレが発生する。




私から見るとこの作品の主人公は「徹頭徹尾ジコチュー」というか「あまりにも考え無し」にしか見えない。




明らかにおかしな状況なのに、自分に都合がいいから夢ってことにして「パクり」をやらかして、
パクったことに気づいても「自分を納得させるためだけの」言い訳をしてパクリを続け、
取り返しがつかないところまで来てからもこう「自分に言い聞かせるため」の屁理屈をこねて
やってることはずっと「ホワイトナイトの作者として認められる自分」にしがみつき続けてるだけ。


ひたすらに「俺は悪くない」というためだけにあがき続ける様子がめちゃくちゃ見苦しい。

www.nicovideo.jp



しかし、作者さんたちは本気で「自分のためじゃなく、作品のために頑張ってるんだ」っていう描き方をしているんじゃないかなって思う。

今のところ、これ「作者の力量不足」でそうなってるのか、それとも「作者もちゃんと主人公のジコチューぶりを理解してて、あえて皮肉って描いてる」のかが判別つかない状況です。

この「気持ち悪さ」「おさまわりの悪さ」があるせいで、そこが解消されるまでは読まねば…っていう気持ちになるんですよね。


「自分のことしか考えてない」ようにしか見えないのに、だからといって自分のためだけにここまで努力できる奴がいるか?っていう認知不協和が発生してしまう


というわけで、一番大事な主人公のキャラクターをどう受け止めてよいのかよくわからないまま、物語がどんどん進んでいく。



キャラクター不在のまま、物語の筋だけは「シュタゲ」なみにしっかり進んでいくのでさらに認知の不協和が発生してしまう

とにかく「作者は何を描きたいのかがわからない」という状況の中で、

物語の「ガワ」だけは立派に進んでいく。 

まぁシュタゲを下敷きにしてるから「ガワ」の部分が立派なのはわかる。

ただ、デスゲームものの漫画じゃないんだから明らかに主人公も読者もついてこれてないのに
無理やり状況だけ強引に進められても……っていう気分になってしまう。



読者が助手席に乗る前に作者が物語のアクセルを踏んでしまい、さらに混乱の状況に……

それでもとりあえず主人公が状況についてこれている、ということにして読者も頑張って合わせようとしてたら、
ただでさえキャラクターが固まってないのに、いきなり9話で半年間飛んでしまう。


jijinitchantenahome.blog.jp



完全に置いてけぼりにされた感覚である。

多分10話からが本番だということなのだろうけれど、
9話までの間に読者はこの作品の主人公を十分理解したっていう前提だよねこれ……。

他の人はどうか知らないけど私は全然理解できてないんですけど……大丈夫なんですかこれは。

8話の時点で結構きつかったのに、9話の展開はまさにぶっちぎりだった。




というわけで、もはや読者置き去りにして暴走状態に入ったタイパク。
理解できるかどうかはわからないけれどどういう方向に走っていくのかが楽しみすぎるので、
これからも読んでいこうと思います。






おまけ  もしあなたが「鬼滅の刃」の45話からいきなり続きを描けと言われたらどんな話にする?

滅茶苦茶難しそう……。主人公、ほんとに頑張れ……。いまだに名前すら覚えてないけど頑張れ!