その愛は紡ぐ、太陽と すべての星々を――
「カルタグラ」発売から実に15年の年月をかけたパラノイアシリーズ(カルタグラ、サクラメント、殻ノ少女、虚ノ少女、天ノ少女)が、最終作「天ノ少女」を持ってついに完結しました。
プレイヤーの我々も待ちましたが、ゲーム中の時間でも主人公たちはそれ以上に長い時間を耐えて戦い抜きました。
実に18年にわたる戦いが終わり、ようやくゴールに到達します。
こちらも15年かけて完結を待ちわび続けたからこそ、最終的に到達したTrue Endでは感慨はひときわ大きいものでした。
「殻ノ少女」をプレイしたときは、完結までここまで時間がかかることも想定していませんでした。
ゲームの物語としても大掛かりな物語になるとは全く思っていなかった。
ついにその終わりを見届けることができて、感無量です。
本作品のテーマは「パラノイア」
とある人物のパラノイアによってさまざまな悲劇が引き起こされますが
同時にパラノイアはすぐれた作品を作り上げる原動力としても描かれています。
本作も、まさに制作スタッフさんおよび物語の登場人物たち両方の執念(パラノイア)があればこそ最後まで作り切られた作品だと思います。
一方、物語としては登場人物たちがみなそのパラノイアから解き放たれる終わり方になっています。
奇跡に頼ることなく人の営みの積み重ねで「Air」や「僕の地球を守って」のような同じ救済の物語を紡ぎあげてくれたことに感謝の気持ちです。
なんというか、長く続いてきたパラノイアからみんなが解放されていく……本当にこの作品も終わるんだ……って納得させられてしまいました。
キャラクターによっては(時坂紫とか茅原冬見とか)自分が思ってたのとは違う道を歩んだのだけれど、でもみんな物語中でそれぞれ多くの悲劇を体験していたにもかかわらずとても良い笑顔で。
とても寂しい気持ちにはなりますが、本当によかったね……って気持ちになりました。
複数の人間の視点が入り混じって最終的に「それぞれのゴール」を目指す群像劇になっている
初期設定には京極夏彦作品の設定を多用していることが話題となりましたが終わってみれば全く別物の着地を見せました。
三部作全体を見た時、ストーリーのベースは「神曲」であり主人公時坂玲人だけでなく、各登場人物が各々の道でそれぞれ天国を目指す物語になっていました。
中でもやはり時坂玲人の戦いは壮絶なもので。
何度も大切なものを奪われ続けた主人公が、やっと間に合って大切な人だった彼女の忘れ形見を無事守り抜く展開はやっぱり王道で素晴らしかった……。
やっぱりみんなにもこのゲームプレイしてほしい気持ちになっちゃった
前にこの作品紹介したとき、さすがに今から三部作やってもらうの大変だから、すでに過去作品プレイしたことある人だけやってほしいみたいなこと書いたけれど。
すまんありゃ嘘だ。
最後までプレイしてみたら、少なくとも昔「Air」とか「Desire」をプレイして涙したことがある人には全員この感動を味わってもらいたいという気持ちが強くなりました。
今プレイしても色あせない名作ですし、2019年にHD版、リマスター版が出てます。
興味がある人はぜひ、お時間があるときに主人公時坂玲人の18年に及ぶ戦いを今からでも見届けてやってください。
1作目 殻ノ少女HD版
al.dmm.co.jp
2作目 虚ノ少女リマスター版
al.dmm.co.jp
3作目 天ノ少女
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