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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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勇者「魔王倒したし帰るか」 :あの丘の向こうへ行けなかった勇者たちの話

原作は2011年に書かれたネット小説。二部作になっている。
個人的には1つめより2つ目が面白かったのでぜひ2つとも見てほしい。


一つ目はかなりシンプルな「まおゆう」などでも描かれたような「勇者一行残酷物語」である

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Q:色々ともうちょっと優しくしてやれよ……
A:この話は「ご都合主義的に都合の悪い話」として書いています。ある感想で見た「あの丘の向こうへ行けなかった話」というのが個人的なお気に入りです。

https://twitter.com/yuba03

基本的にドラクエの勇者パーティーなんてのはしょせんヤクザの鉄砲玉だよね、というのは「ドラクエⅡ」のころから言われてきた。
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ドラクエⅢになるとそれがさらに露骨になった。商人の使い捨てやボストロールを倒す作戦あたりの描写を見ても主人公の精神がだんだんとすり減っていってる様子などは妄想好きな人には定番の材料だっただろう。ある種の精神の持ち主にとっては、ドラクエの勇者パーティーというのは英雄などではなく憐れむべき存在だったのだ。私も割とこっちよりの考え方が好きだった。

ドラクエ4ではさらにわかりやすく運命の子は殺してしまえとする魔王によって早速里を滅ぼされる。その代わりに、人類の都合だけで無理やり戦わされるということはなくなり、私的な動機をきちんと持った存在になったし、エンディングでも世界の英雄としてたたえられることではなく幼馴染のエルフと再会することが最大の報酬として描かれてる。伝説のオウガバトルの主人公も「名誉や地位を捨てて旅に出る」ことを選ばないと暗殺されるしな。基本的に勇者なんてものはろくでもない扱いしか受けない。「タクティクスオウガ」のエンディング分岐なんかをみて、勇者なんて目指すもんじゃないよねーってのは幼心に強く感じたのを覚えてる。 アニメや特撮だとさらに古くから描写が洗練されているのだろうと思うけれど私はあんまり詳しくないのでそのあたりまとまってる記事とかあったら教えてほしいです。個人的に横山光輝の「マーズ」とか、「寄生獣」とかはやっぱり大好きですね。


そういうのをたくさん見てきたので、「葬送のフリーレン」という作品は最初「最近の若いもんは」的な気持ちになったなあと。まぁ読んでみたら別にそういうテーマがあったわけじゃなくて普通に面白い作品でしたけれども。

2つ目 キノの旅のように騎士の遍歴風の構成になっているが、徐々に人類に絶望していく

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基本的にオール胸糞話ではあるのだけれど一か所だけ癒しポイントがある。まぁその癒しポイントの国は亡びるけどね。

2作目の方で僧侶と魔法使いを売り飛ばす決断をしたのに1作目で帰ってきた勇者を歓迎するは王様はちょっとサイコパスすぎてヤバイ。

最後の英雄の街で、どうして旅を終わりにしなかったのかがわからなくてちょっとモヤモヤするな……。

もし私たちを知らない誰かが、片手だけでいいから片方の掌の5本分だけでもいいから
私たちの手を取ってくれたのなら、どうか許してあげてください。
きっと世界は、人は、そこまで愚かでも傲慢でもないから。
もうそんな資格はないけれどそれでも最後に神に祈りたいと思います。

さらに読みたい人はまだあるけど、個人的にはもういいかな。

【魔法使いの最期】彼女たちの追憶
彼女の約束: https://ncode.syosetu.com/n3065fd/49/
【勇者の最期】おやすみなさい
帰り着いた場所: https://ncode.syosetu.com/n3065fd/50/
【女王の手紙】
https://ncode.syosetu.com/n3065fd/32/
【女王の最期】彼女たちの記憶
彼女の記憶: https://ncode.syosetu.com/n3065fd/48/
【解読不能な理由】禁書第2491号
https://ncode.syosetu.com/n3065fd/6/
【感謝とお詫びと言い訳と裏設定と裏話】
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/290353/blogkey/2300675/

Q:勇者マークが足りてないってなんぞ?
A:本当は本編に組み込む予定だった伏線の回収忘r……ゲフンゲフン
  僧侶の手記のラストにて、片手の指五本分云々が答えとなります。
  マークを回収した数が4つなので、一つ足りてないんですよねー。

Q:もう魔王とか無視してさっさと旅から逃げればよかったのでは?
A:でもあなた、ゲームをやめなかったですよね

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/290353/blogkey/2300675/


正直、若いころだったらこういう作品にもっとハマってたと思う。しかし私はもう自分は勇者の側ではなくて、どちらかというと勇者たちに重荷を背負わせる側だと思ってしまっているので昔のように無邪気にこの作品を楽しめなくなってしまった。

もっといえば、「人類がみな愚かだったから滅びました」という作品は言い訳が許されてるからまだ優しい方だと思ってしまう。 自分がその愚かな人類を滅ぼす側になるというのは、結局のところ反転したヒーロー願望だろう。

やはりアークナイツの方が厳しい気がする。
優秀なキャラクターたちが、前向きに戦いつつも抱えている問題を解決できずにじり貧になって行く。
安易な救いだけでなく安易な滅びすらも許容しないという意味でより厳しいなと思う。
ただ、だからこそきれいごとじゃなく生き延びよう、大切な何かを守り抜こうとする意志が輝く作品であるように思う。
私が大好きなランスシリーズも、実はそういう世界観の物語だったなあと。


さて、そんなわけで私はアークナイツとかランスシリーズが大好物なんですが、
最近プレイしている「FF16」も割とそういう世界を描いてるような雰囲気があります。

「黒の一帯」という汚染によって人類が生息可能な領域がどんどん狭まっていく。
そういう世界の中で、なんとか生き延びようとあらがう人類たちの姿がこの先描かれるんじゃないかなあと。
グラフィックも綺麗だしバトルもサクサク進むので今のところは結構楽しみながらプレイしているよ。