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ぼっち地獄からの再生「さびしすぎてレズ風○に行きましたレポ」感想

初稿。2016年7月9日
追記。2019年5月7日


【追記】
本日、こちらの記事に対して感想を書いてくださった方がいたようなのですが、私がお返事する前にブログごと消されてしまったようです……なぜだ……。
なぜかわからないのですが「私に言及した人が直後にブログごと消す」という現象は以前にも、これで3度目です。特に今回は私への批判というわけでもなかったし、なぜ消してしまわれたのか全然わからない……。もしよかったらコメント欄でもいいので安否確認をお願いしますー。(コメントは承認制なので、もちろん公開にはせず私だけ受け取るようにします)


tyoshiki.hatenadiary.com
私の記事そのものというよりは、記事中で引用していた表現に感銘を受けたとのことでしたが、上の記事ではその出典がわかりにくかったと思うので、補足として紹介しておきます。感想を下さった方が気にされていた引用については、こちらの作品が出典です。もうこの際、私へのお返事は不要ですので、よかったら作品全体をぜひ読んでみてくださいね。







【ここからが初稿の始まり】

高校卒業以降、人と疎遠になっていくばかりで、
ついにここ数年いよいよ本当に友達と一人も会わなかった。
だから「自分が求めるものはコミュニケーション」と気づいたときは
どうしようかと思った。あまりにも現在地から遠すぎるから。

高校をでて10年。
減る一方だった人間関係をまた元通りにすることが
自分が最も満たされる状態だと思っていたからなおさら気が重かった。

でも、そうじゃなかった。
私は今、それまでと違う全く新しい状態で、
一人じゃないし、満たされていると感じる。

一人ですごした数年間も今思えば無駄じゃなかった。
一人になったからこそ、行動を起こせたし、レポが描けたと思う。
友達からどう思われるか気にして委縮することもなく
好きな友達から嫌われることを恐れることもない。
一度一人になって、そして新しい環境が構築されたことは確かだし進歩だ

ガチメンヘラの処女(作者談)が風○に行ってどう体験をしてどう変化したかというお話。

「わたしがモテないのは全部お前らが悪い」って作品ありましたよね。あのもこっちがそのまま成長して心を病んでしまったような感じからスタートして、最終的にそれなりの着地点に到達する。

私何度か「もこっちを誰か助けてあげてよお」って記事を書いてきましたが、なんかそれを別の形で見せられたような気がしてとてもうれしいです。


pivixでラフ原稿が読めますが、しょっぱなから壮絶です。

永田カビのマンガ - pixiv

・抜毛症
・軽度の自傷傾向
・うつ病
・摂食障害
・通院・服薬歴9年

・親のことで頭がいっぱい。
 親や周囲の人や環境が自分にめり込んでる感じ
・自分がどこにいるか自分でわからない
・私だけこのまま大人になれないような気がする
・自尊心・自己肯定感が全くない
・行動を制限してしまう
・自分の欲望がわからない
・自分が何を思っているのかわからない。知りたい
・自分の意志だと思い込んでいることが本当は本心と違うのではないか。だから苦しいのではないか

こういうのに興味がある人はまずpixiv版をチェックしてみてください。

製本版の見どころ

pixiv版はまだマイルドな方で、製本版は掘り下げて描かれています。

製本版になるにあたって、全部の絵をきれいに描きなおしてるし、エピソードも加筆して、丁寧に丁寧にしあげてます。

pixivでの連載でも、絵を描き始めたころの絵は線がボロボロだったわけだけれど、描いているうちにだいぶすっきりした絵を描くようになっていて、絵が上達したり、精神的に回復されたのかもしれません。


製品版ではとくに「風○」に行く前のどん底時代の話が詳細に描かれます。

彼女はどうやらめちゃくちゃまじめな気質らしく、何度も仕事しようと頑張って、いろんな仕事についています。しかし、パニック障害とか社会不安障害でもあり、自分の感情が制御できなくなってしまって挫折する。とにかくやることなすこと全部空回りして悪い結果になる。そしてできない自分を責めまくる。自傷行為もする。自分に価値がないと思ってるから誰にも頼れない。そして、そんな様子を見た親からは「怠けている」「何一つ努力していない」と否定的な言葉をかけられてそれをまた気に病む。悪循環の繰り返しでボロボロになっていきます。この様子はみててかなりしんどいです。

ただ、救いとして彼女は自分に対しても分析的であり、一度行動を起こしてみればそれをもとに一歩ずつ着実に前進していくんですね。だから最初の一歩の行動を糸口にしてパニックになりながらも一歩ずつ前進していく。

特に「親に認められたい自分」というの存在に向かってちょっとずつ立ち向かいながら、自分の求めてるものに気づき、それに向かって行動していく様子は見ていて勇気づけられます。

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この作品のいいところは、ぼっちであることを完全には否定してない。そのうえで「人とのコミュニケーションもいいなって思えるようになったこの人なりの理由」を示してくれてることですね。それに共感するかどうかは人それぞれだと思うけれど、参考になる人はいると思う。

結局かたちはどうあれ、コミュニケーションと、それによって得られる承認を私は求めていたんだと思う。

みんな好きで生まれてきたわけじゃないのに何で頑張れるのかってずっと不思議に思ってた。きっとみんな、私の知らない甘い蜜のようなものをなめているんだと思ってた。たぶんその甘い蜜は、人によっていろいろあって、「この世にいる意味や居場所」のことかもしれない。コミュンケーションや承認もそのうちの一つで、その甘い蜜を味わったら、強制参加させられてるこの人生もまぁ悪くないかなと思える。

(中略)

人は、大人扱いしてもらえて、大人になれるのだ

最後に蛇足ですが。

こういう他人の心の中身を覗き見るような作品ってたぶんにポル○的なところがあって、あまり趣味が良いものではないかもしれません。そういうのを好むのは自分の中にも通じる点があって「反復強迫」のようなものかもしれない。でもなんか痛みをえがくだけでなくて、それと向き合って、克服していってる過程を共有してくれる本って、なんか読んでて心が救われるんですよね。ごめんよこういう本好きでごめんよ……。


<関連>
「こころを病んで精神科病院に入院していました」を読んで「自分を大切にする」ことの本当の意味を考える - WORLD END ECONOMiCAアニメ化CFを応援したいブログ
「まさか発達障害だったなんて」 - WORLD END ECONOMiCAアニメ化CFを応援したいブログ



現在この作家さんは新作としてこんな作品も出されていますね。

一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)

一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)

一人交換日記(2) (ビッグコミックススペシャル)

一人交換日記(2) (ビッグコミックススペシャル)

あと、私は未読ですが、こちらも一時期話題になってました。

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。 1巻: バンチコミックス

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。 1巻: バンチコミックス