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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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ラブライブサンシャイン13話 レールのない道を歩くということの意味 &二期への期待

曲は初代より好きなものが多いし、テーマも初代よりはるかに好き。MIRAI TICKETはたぶんCD買うくらいには好き。

正しく「二代目」の物語ではあると思う。

初代が、とにかく仲間たちとの結びつきを描くことを重視してラブライブそのものは勢いに任せる、みたいな物語だったのに対して、

二代目は、ものすごく丁寧だ。

まず「ミューズが過去に紡いだ物語」へのあこがれを描き、

しかしその「過去の成功例をたどる」というレールに乗ろうとした幻想はきっちり打ち砕かれて(8話)

そのあとでゼロに戻って自分たちの道を見出す(12話)

という流れになっている。

流れそのものはとても良いと思う。

ただ、仲間たちとの交流をこなしつつこういった要素を丁寧にやりすぎたせいで、

ようやくその「Aquors」の物語が起動したという時点で終わってしまった、という感じである。

そんな感じ。ようやく13話で入口に立って。「Aquors」の魅力が描かれるのはこれから、だったんじゃないかなーと。


「レールを敷かれた道を歩く」=「先人たちの達成した"結果"を後追いしようとすること」

多分、比べたら駄目なんだよ。追いかけちゃダメなんだよ。
ミューズも、ラブライブも、輝きも……。

一番になりたいとか。誰かに勝ちたいとか、ミューズってそうじゃなかったんじゃないかな。
ミューズのすごいところって、きっと何もないところを、何もない場所を、思いっきり走ったことだと思う。
みんなの夢をかなえるために。自由に、まっすぐに。だからとべたんだ。


ミューズみたいに輝くってことは、ミューズの背中を追いかけるってことじゃない。
自由に走るってことなんじゃないかな?
全身全霊で!何にもとらわれずに!自分たちの気持ちに従って!
自分たちで決めて、自分たちの足で。


「自由に走ったら、みんなバラバラになっちゃわない?どこへ行くの?」


私は……ゼロをイチにしたい。それが今の私の向かいたいところ!

今作主人公である「Aquors」のメンバーは、

初代ラブライブメンバーの「ミューズ」がラブライブで達成した物語を後追いすればなんとかなる、とか

自分たちも同じ物語を達成できる、という根拠のない幻想を抱いて突撃するが

この物語はその幻想をことごとく砕いてくる。

途中までは、地元レベルやネットのPV数では「ミューズ」よりよっぽど好調なスタートを切っていたのだが、

いざ最初に参加した大会の人気投票では得票数ゼロ。

また、ラブライブ予選を突破してそこそこ話題になっても、学校の希望入学者数はゼロ。



「お前たちが、初代を真似てそこに道があると思っているところには何もないよ」

というのをはっきりと突きつけてくる。

「ミューズのマネをするだけじゃなくて、自分や自分の周りにどんな価値があるのかちゃんと考えろ」

ということを問いかけてくる。

んでまぁ、いろいろあって、彼女たちは自分なりに考えて以下のような結論を出す。


「レールのない道を歩く」というのは、あえて外れるということではなく「自分や、自分の周りを大切にする」ということ。

私でいいんですよね。
仲間だけを見て、目の前の景色を見て。まっすぐに走る。
それが輝くことなんですよね。
だから私は、私の景色を見つけます。
あなたたちの背中ではなく。自分だけの景色を探して走ります。みんなと一緒に。
いつか…いつか!

わたしたちが、ゼロから作り上げたものって何だろう。
かたちのないものをおいかけて、迷って、怖くて。泣いて。
そんなゼロから逃げ出したいって。

でも、何もないはずなのに、いつも心にともる光。
この9人でしかできないことが、必ずあるって、信じさせてくれる光。
私たちAquorsはそこから生まれたんだ!
叶えてみせるよ、私たちの物語を。この輝きで! 
君の心は……輝いて居るかい!?

というわけで、形としては結構綺麗にまとめている気はするし、このテーマ自体は結構好きなんですよ。これだけでも十分見る価値はある作品だと思います。



ただ、正直、初代と比べてAquorsのキャラたちにはあんまり感情移入できなかったんよね……。なんでかはよくわかりません。あくまで個人的な感想だけれど、「二代目の物語」としての導入はもう今までにたくさん見てきたものであり、そこはこんなに丁寧にやってくれなくてもよかった。本当に紡がれるべき、本当に観たい物語は、ここから先。せっかくここまで丁寧に話積み上げてきたんだから、ちゃんとこの先を描いてほしい。すごく楽しみです。


13話挿入歌 MIRAI TICKET歌詞


光になろう未来を照らしたい
輝きは心から溢れ出すよ

(2年)夢が生まれ夢のために泣いた時でも
(1年)諦めないことで繋がった
(3年)みんなみんな悩みながらここへたどり着いたね
これからだよ今はもう迷わない

憧れ抱きしめて次へ進むんだ
僕たちだけの新世界がきっとある
We say “ヨーソロー”

船が行くよ未来へ旅立とう
青い空笑ってる(旅立ちたい)
光になろう未来を照らしたい
輝きは心から溢れ出して
もっと先の景色臨むんだ


光になろう未来を照らしたい
今はもう迷わない

船が行くよ未来へ旅立とう
青い空笑ってる(旅立ちたい)
光になろう未来を照らしたい
輝きは心から溢れ出して
もっと先の景色臨むんだ

Ah やっと手にした”MIRAI TICKET”かざして

http://lovelive-sunshine.info/17638



いろんな作品が「もうちょっと」のところまで来てると思う。すごい楽しみだ。

ラブライブサンシャイン!」にはまさにこの「レールのない道を歩く」ことを選んで、そっからどういう風に進むのか。この部分をこそ、描いてほしかった。

はてなでは、まさにここがよくわからないせいで、とりあえず大学やめて「レール外れること」だけを目的にして迷走しちゃってる人が話題になってるんですよ。みんな、そういうのが特殊な例だと思ってるかもしれないけど、個人的には「一人そういう人が出てくるということは、同じようなことを考えてる人が30人はいると思え。ブコメで支持する者が30人いるなら900人は同じこと考えてる人がいると思え。」ってことだと思うんですよね。
とにかく「レール」みたいなものがもはや存在しないとか、そこに縛られてちゃダメだということまではわかっても「その後をどう考えたらいいのかがわからない」って人が出始めているのだから、そういう人たちに届く物語が必要なんじゃないかなと思う。



昨日感想を書いた「君の名は。」は過去(並行宇宙?)と対話する物語だし、努力するのはあくまで過去あるいは架空の時間軸において、だ。これは未来の物語ではない。過去でミスったら一発アウト、の不条理世界から過去頑張れば今に希望は残せる、くらいまでは進んできたけどやはり過去の話だ。どんだけエンタメ度を高めようと、結局そういうあたりは新海作品の限界だ。これはこれで面白かったけど今私がみたいのはこれじゃない。


「こえのかたち」もそうだったけれど、なんか、ようやく「過去」を丁寧に見つめて、とりあえずアダルトチルドレン問題やらで現在を負債まみれにするのではなく、ゼロまでもどして仕切り直し、くらいのところまでは来てる気がする。

ラブライブサンシャイン」はとりあえず「レールを飛び出そう」くらいまでは来てる。ここからどうするか。

正直「SHIROBAKO」あたりを答えにしてもいいのかもしれないけれど、これは「現在の肯定」だからちょっと違う。

もうちょっと。あと本当にもう少しだと思う。 そのあと一歩、に期待したい。