キービジュアルにでてくる女の子がアビゲイルだと知って興奮を隠せない。
アーサー・ミラー「るつぼ」において描かれる彼女の狂気はものすごい好きなんですよ。
彼女こそがセイレムの魔女裁判における主要人物なのだから登場するのは当然といえば当然なのだけれど
彼女が出てくるということは、どこまで他のキャラクターが出てくるのかも興味ある。
セイレム魔女裁判について
独立派のトーマス・パトナムが村に教会を建てるべく呼び寄せたのが発端となるサミュエル・パリス牧師。現状維持派は牧師を呼ぶことに反対し、教会が建っても礼拝は町の教会へ行き、現状維持派の議員たちは牧師の給与を差し止め土地取得にも違法性があったとして、牧師が村から追放されつつある中で事件は起こる。サミュエル・パリス牧師の娘やその従姉妹、トーマス・パトナムの娘や下女をはじめとする10人の少女たちが、異常なけいれんを起こしたり、奇妙な行動をとり始めた。
敬虔な人物として周囲から除名嘆願も集まった人格者、レベッカ・ナース夫人がトーマス・パトナムの娘主導で少女たちに告発される。
トーマス・パトナム自身も40人以上の告発を行ない、その多くは政敵や遺産争いで多くの財産を継承した遺恨のある弟の関係者であった。
トーマス・パトナムの娘アン・パトナム・ジュニアは、後に「迷惑をかけた」という謝罪文を書いてはいる。 ただし、サタンに騙されたとしており、嘘をついた、とは書いていなかった。刑場でも少女たちや他の「魔女」の今後を慮りながら死んでいったとされるレベッカ・ナース夫人の遺族は、この謝罪文を受け入れ彼女を許している。 (ちなみに遺族はサミュエル・パリス牧師だけは絶対許さないとも語った)
あっ……(察し)
史実におけるアビゲイル(事件当時12歳) パリス牧師にいいように使われたのではないかという印象。17歳で死亡したとされる
https://ja.wikipedia.org/wiki/アビゲイル・ウィリアムズ_(セイラム魔女裁判)
1692年以降、アビゲイル・ウィリアムズは文書による記録から消え、魔女裁判後に歴史家が彼女の人生について知ることは不可能になった
アビゲイル・ウィリアムズは多くの人を魔術の重大な被告にしたが、裁判のうち8つにしか参加しておらず、途中で消えた。魔女裁判が終わった後に何が起こったのかを示す確かな記録はない。
セイラム魔女裁判―清廉潔白のグロテスク | オカルト・クロニクル - Part 2
映画クルーシブルの影響で世間に嫌われがちなアビゲイル・ウイリアムスその後は確たる資料が残っていない。映画の原作となった『るつぼ』に「アビゲイルは売春婦まで身をやつしたらしい」と書かれているせいで、それが事実のように語られるがおそらく事実ではない。裁判の終盤に人知れずセイラムから逃げ出すシーンがあるが、これも創作かと思われる。ただ、「最初の2人のうち片方は、死に至るまで悪魔に責め苛まれた」とジョン・ヘイル牧師が手記に書き残しており、この片方がアビゲイルである可能性は高い
基本的には「自白すれば減刑されるというピューリタンの法解釈」によって死なないために自白をし、一度自白した後は、自分が助かるために求められるままに証言を行ったとされている。
告発に関してはパトナム家による政治利用の側面がよく指摘されている。 少女たちの告発の中で最も先導的な立場にあったのはティテュバとパトナムJrとされている。
アーサー・ミラー「るつぼ」におけるアビゲイル(事件当時17歳) あきらかに悪役として描かれている。裁判後に失踪し、娼婦として生きたことになっている
①アビゲイルはセイラムの牧師パリスの姪である。親は先住民に殺された孤児で、美しく、また仲間に強い影響力を持っている。
少し前までジョン・プロクターの家で、その妻エリザベスの家事手伝いをしていたがクビになっている。
②ある日、アビゲイルは牧師の娘ベティたち数名たちと夜の森で踊っているところを牧師に見つかる。
禁欲的な村でこうした行為は禁止されており、見つかったショックでベティともう一人ルースという娘が意識不明になる。
ルースの親パトナム夫妻がこれを悪魔の仕業と騒ぎ立てる。
村の立ち位置が微妙でことを大げさにしたくないパリス神父は、外部から悪魔祓いで有名なヘイル牧師を招聘する。
※このヘイル牧師はさんざんことを荒立てた挙句、最後になって収集がつかなくなるとすべてぶん投げて逃げ出す
③アビゲイルは最初、牧師にも、ジョン・プロクターに対しても、ただ森のなかで踊っていただけだと言っていたが
ヘイルに問い詰められたパリス牧師が森のなかで踊っていた様子を語ると、
アビゲイルは、黒人奴隷である「ティテュバ」にすべて罪をなすりつけ、女友だちにもきつく口止めをする。
⑤アビゲイルは実際には、雇い主であったジョン・プロクターと不倫して、ジョンの妻であるエリザベスに追い出されていた。
それだけではなく、エリザベスを呪って呪術的なことをしたり(鶏の血を飲む)、ティテュバに頼んで降霊術的なことをやっていた。
⑥ティテュバは縛り首にされそうになるが、ここで「罪を自白」することによって、なぜか赦されたばかりか、聖人扱いされる。
これをみたアビゲイルたち少女も、自分も悪魔に憑かれていたと告白し、他の村人の名前を悪魔の手先として指名しだす。
まだでるか・・・ pic.twitter.com/nkuMzfcZwo
— ○イジー (@daisycutter7) 2017年11月23日
自分の嘘の告発が力を持つようになったことで箍が外れたアビゲイルは暴走していく。これにパットナムが便乗したことで、パットナムのライバルであったレベッカ・ナースらも訴えられた他、その結果「告発は恣意的なもの」となり、ジャイルズ夫人などが全くの言いがかりで逮捕され、拷問される。さらに、無罪を主張すれば有罪となり、有罪を認めれば無罪になるというチグハグな構造になってしまい、その結果「無罪の上、嘘の証言が出来ない真面目な人達だけが死刑になる」という裁判が行われる。
「アビー・・・まだ誰かを訴えるつもりか?」
「生きていればね。もし殺されなかったら、あたし、やるわ。偽善者が一人残らず死ぬまで」
「それでは、みんないなくなるぜ」
「いいえ、いるわ。たった一人。あなたよ」
「俺が!おれのどこがいい?」
「だって、あなたは私に優しさを教えてくれた、だから、いいひと。
あれは火だった。あなたがあたしを連れてくぐり抜けたのは。そしてあたしの無知が焼き払われた。
あれは火だったのよ、ジョン、二人は火の中で寝たのよ。あの夜からは、もう、どの女だって、あたしのことを悪く言えるわけがない。こっちは答えを知ったんだもの。
風でスカートがまくれると、自分の罪だと思って、よく泣いたわ。レベッカとやらの婆さんから、ふしだらだと言われた時は、はずかしくて顔を赤らめたわ。
でも、そういうあたしの無知を、あなたが焼き払ってくれたの。まるで12月の木のように、裸のままの姿で女たちが見えるようになったわ。
聖人面をして協会へ行っても、病人の看護に走り回っても、心の底はみんな偽善者!
だから神様が私に、みんなを嘘つき呼ばわりする力を与えてくださったの、神様がしむけてくださったの、人があたしのいうことを聞くように。絶対にあたし、この世の汚れを洗い清めるわ、神様の愛のために!」
(中略)
「おやすみ、ジョン。怖がることはないわ。何にも。あしたはあたしがあなたを助けてあげる。あなた自身から、あなたを救い出してあげる」
⑦このあと、裁判のトップである「ダンフォース副総督」を籠絡したり罠を使って、恋敵であるジョン・プロクターの妻エリザベスを有罪にしようとする。
※この「ダンフォース副総督」がまさに勤勉な無能であり、セイレム事件の最大の問題児。
⑧アビゲイルは裁判において、口裏を合わせていた少女(メアリー)たちに裏切られ、不利な状況に陥るが法廷内でも悪魔が見える演技をしたり、判事を脅したりして勝利をもぎ取る。
⑨アビゲイルは、教会の有り金をすべて持ちだして姿をくらませる。
⑩事件後のアビゲイルについては、娼婦となってボストンに現れたという伝聞が伝わるのみである
FGOにおけるアビゲイル(事件当時12歳程度?)
まず最初に、FGOでは、クトゥルフの登場人物であるランドルフ・カーターが登場するらしいが、セイレムはクトゥルフ神話において、アーカムシティの元ネタとされているから、実際にこれを融合させる意図が有るのかもしれない。
マサチューセッツ州の小都市セイレムがモデルとされ、ラヴクラフトが描いたアーカムの地図は、セイレムの地形とよく対応しているという。ミスカトニック大学(架空)の所在地でもある。
実在のセイレムは、1692年のセイレム魔女裁判によって広く知られている。アーカムにおいても過去に同様の事件が起こり、20世紀に至っても街に暗い影を落としているとされる。
というわけで、時間もったいないからとりあえずこのあたりにしてさっさとプレイしていきますよ。