「ラノベ表紙」にこだわってると、そもそも関心を持っている人が少ないせいか、賛成する人も反対する人もそれぞれがそのネタに特化してアクロバティックな独自理論をどんどん生み出して収集がつかなくなり、双方分断された状況でヘイトだけが溜まっていくという「南京大虐殺問題化」していってしまいます。 「南京大虐殺」問題化するゆらぎ荘問題 - この夜が明けるまであと百万の祈り
なので、そういうときにはちょっと話題を変えてみて。
「私には関係ないや」という人がほとんどいないであろう「キモい」という言葉の使い方についてネットでみかけておもしろいなと思ったので、「キモい」について「両方の」陣営の意見を載せることにします。これについて、末尾にも書いてますが「私はその1~その4についてはどれも一理ある*1」という立場であり、どれかが間違っているという考えはありません。
その1 「キモイ」という表現は抑圧であり、オタクとしては強く抵抗しなくてはいけない、という意見
「お前たちキモいから消えろ」っていう魔法の言葉を学校や職場社会で使って自分たちにとって利益のある空間を作ってきたひとたちが、ここ数年同じ魔法を使おうとしたらキモい人たちの側から「No」の意思表示を受けて逆キレしている。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
今までは、ナチス政権下のユダヤ人のように、「なるべく逆らわないようにしよう」「隠れていよう」「指示に従おう」って感じでやり過ごしてきた「キモいオタクたち」だったけど、「このままいくとどうもガス室送りになるぞ」と薄々気づいてきたから論を立ててる人を中心に反論が始まった。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
「オタクは礼儀正しい」ってことばがあるけど、あれは擬態。「これ気持ち悪い…」って上級国民に言われたらガス室送りになるから介入の口実を与えないために、オタクの村社会の中で互いに監視して抑えてきただけ。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
いまこの段階で大炎上が頻発しているのは、これ以上は譲歩できないという一線にかなり近づいて来ているのと、平成不況の中でオタクも消費者として認知されて、社会の中で二等市民としての権利はともかく得られて来た、権利が全くない時代を知るオタクが減って来たというのもあるのだと思う。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
何かトラブルを起こせば、イベントの会場が借りられなくなる、「あれはなんだ」と言われるようなことがあったら自分たちのコンテンツが永遠に失われる。その恐怖があったからこそ、必要以上に身を律して生きて来た。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
「私が不快だからお前たち配慮しろ」という主張を我々は「少し頭のおかしい可哀想な人」として認識しているが、彼ら、彼女らをあのように育ててしまったのは、他ならぬ我々自身なのではなかろうか。
— つゆぴ (@tsuyup) 2018年9月19日
その2 弱者にとって、「キモイ」は命にかかわるレベルの攻撃であるという意見
御本人からしたら、「キモいやつはキモいから悪い、なのにキモくない私に向かって、まるで対等な人間のように、異議申し立てするとは、なんという無礼な! そこになおれ、たた斬ってやる!」って心境だったのかねぇ。それ思い出したよ。
— SOW@新刊発売中 (@sow_LIBRA11) 2018年9月19日
「あなたに死ねなんて言ってない。呼吸をしないでって言っているだけなのに、なんでわからないかなぁ」的な?
— SOW@新刊発売中 (@sow_LIBRA11) 2018年9月19日
その3 「キモイ」って言葉自体はそれほど深刻に考える必要がないんじゃない?という意見
この人は「キモイ」という言葉について考えているだけで、「人間に対するキモイ」は批判されて然るべき、という主張です。
「キモい」という語に慣れろと言うつもりはないが、まぁ不幸な文化的事故だよなとは思う。互いに冗談で罵倒しあうコミュニケーションがいいものだとは思わないが、それを禁止する権利も筋合いもないしな
— Matsuki *** (@liliput) 2018年9月20日
なるほどこれはコペルニクス的発想の転換という奴だ。人生で「キモい」以外の罵倒をされたことないならそりゃ「キモい」で傷つくよな。つまり罵倒コミュニケーションのない洗練された世界で生きてきた皆さんという訳か
— Matsuki *** (@liliput) 2018年9月20日
お前らいつもコペルニクス的展開してるな……(このまとめ中にもコペルニクス的展開してる人がいます)
映画版「帝一の國」を見たときに登場人物同士がバシバシどつき合うの見て割とびっくりしたんだよね。ギャグとはいえ名門校の設定なのに生徒同士がああいう野蛮なことするんだーって。でも当人同士が納得してるなら止める権利はないし、嫌がる人間をどつくべきでもない。そんな感じ
— Matsuki *** (@liliput) 2018年9月20日
あと人間に対する「キモい」は罵倒なので非難されてしかるべきだが、出版物に対する「キモい」は個人の感想であり言論の自由の範囲内だろ。それを言う権利は保障されるべきではないんかしら
— Matsuki *** (@liliput) 2018年9月20日
そうですね。今は違う文化圏に属するひとたち同士がとても簡単に交流できるようになったので、英語圏のようなローコンテクストなコミュニケーションスタイルが求められるようになるのかもしれません
— Matsuki *** (@liliput) 2018年9月20日
その4 オタクは強いんだし「キモイ」っていうだけで差別になるっていうのはやりすぎじゃないの?という意見
「表紙じゃなくてお前らがキモいんだよわかれよ」 - 不動産屋のラノベ読み(うぉ〜ぁ今頃気づいたよ/今や萌え絵花盛りであっちもこっちもオタク文化に席巻されてるオタク大勝利な状況なのに、それを「キモい」と漏らしただけで「差別」になるんだ、うーん知らなんだ。。
2018/09/15 13:52
その5 ここまで来るともう意味がわからない
この仮説、正直言ってすごく面白かったし腐女子の人が抱いているカップリング妄想の話やFGOのキャラは問題ないと感じる理由としてもありそうな感じよね。でもこれ素直に解釈すると腐女子が勝手に妄想して勝手に気持ち悪がってるってことで、この話だと性的消費をしているのはオタクじゃなくて腐女子の側ってことになるよね。それに、こうやって自分の中で妄想して気持ち悪がってるだけなら誰も文句言わないしこのまとめの人たちはちゃんとそれはわかってると思うんだけど、もしそこでブレーキがかからず、そのカップリング妄想をもとに妄想の中で受けた被害を理由にオタクを攻撃する人が万が一存在したとしたらそれはまずいよね。妄想と現実の区別がついてないよね。どうしても現実と妄想の区別がつけられなくて苦しいなら病院に行って脳を見てもらったほうがいいんじゃないの?って思っちゃうんだけど、これがキモいって感覚なのかな。
まぁとにかく、同じ日本語を話しているつもりでも、こんなに感覚が違うことがあるんだよってことで。
まして情報量が多い「絵」だったら、もっとすれ違いが発生するんでしょうね。
なので、オタク側も、批判する側も、自分たちの側の感覚だけが正しいとか思ってちゃいけませんよ。考え方が違うのを大前提として、そこからコミュニケーション開始するんですよって感じですね。だからこそ、話し合う前提として、たとえ考え方が違っても共有できる(しなくてはいけない)、ひとによって変わらない「事実」が必要だって言ってるんですけどね。
どの立場でもいいけど、この表現に伴うリスクを考慮し、用法用量も守って正しくお使いください。
ツイッターは「殴ったら殴り返された。納得がいかない」と素で言う御仁が多いが、まあリアルでもそうなんでしょうね。そういう方は。
— 洋介犬@はずネジ6巻発売中 (@yohsuken) 2018年9月19日
「気持ち悪い」って他人を評する人は、返す刀で「お前もこれこれこういう所が気持ち悪い」ってやり返されるリスクについては考えないのかといつも不思議だった。やり返されると「差別だ、いじめだ」って騒ぐんだよね、そーゆー人。多分、安全圏から一方的に相手を侮辱できるって信じてたんだと思う。
— 水戸泉・夏コミ(土)西2.さ23b (@mittochi) 2018年9月19日
敵が逆の立場から同じことをしてきたときに批判できない戦術は支持してはならないと思っておりまして、そうでないと、信頼から失って、口先だけ立派でも所詮好き嫌いでしかモノを言わないやつってすぐ見透かされますよね。
— ネガだいこん (@negadaikon) 2018年9月20日
ちなみにわたしの意見は先にtwitterの方で書いてありここでは載せません。「どっちについても賛成の箇所と反対の箇所がある」という感じです。わたしの記事を読んだとしても、わたしの意見に乗っかかられたり、逆にわたしの意見を否定することしか言えないというのでは意味がありませんので、両方の意見を読んで「自分の」意見を考えてみてください。
*1:その5に関してだけは「君たちがそれをファイナルアンサーだというならそれでもいいんだけど、こちらの答えは、妄想と現実の区別はちゃんとつけてね」になるかな。