ゲームは一人じゃ作れない。
繰り返し遊ぶ中でゲームは成長し、進化する。
他人にプレイしてもらう重要性を、デザイナーなら嫌というほど知っている。
批判を恐れ、自分のカラの中にいるうちはデザイナーにはなれない
ゲーム好きが集まるだけあって、この作品にはゲームデザイナーを志望する女の子がいます。
ミドリは今までもこつこつと作ってきたのですが、ついに他人に自分のゲームを公開することに。
この際のミドリの葛藤は、同人誌などを出したりしてる人には強く共感できるものではないでしょうか。
さらに4巻ではもう一人ゲームデザイナー志願の女の子との出会いが描かれます。
1巻の時点ではバラバラだったみんなが、ゲームを通じてつながりを持つだけでなく活動範囲も広がり
その先で新しい出会いが生まれる、というストーリー展開は王道ですがとてもぐっときます。
作者さん自身が、絵よりもストーリー作りにこだわりがあるというこの作品、
ゲーム紹介に限らずキャラクターをめぐるストーリーもとても良い感じなのでぜひ読んでみてほしいです。
放課後さいころ倶楽部 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
- 作者:中道 裕大
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: コミック
EX ミドリの自作ゲーム「ワンルーム」に挑戦
このマンガは各作品ごとに「何がゲームの面白さを作っているのか」を丁寧に説明してくれており、こちらも「ゲームの面白さとは何か」について考えさせられるのがとても良いと思ってます。
ミドリのゲームも、ルール説明を読んでいるだけだとよくできてると思ったけど、
実際にテストプレイで遊んでみるといろいろとひっかかりが出てくる。
世の中に出ているゲームがいかによく考えられ、テストされてブラッシュアップされたうえで出ているのかがわかりますね。
今回においては「単調さ=ジレンマの弱さ」と
「窮屈さ=世界観にあわせてプレイヤーがとりたい行動を、ゲームデザインが素材している点」などが問題になりました。
16 ラブレター(2012年日本。カナイセイジさん作。日本年間ゲーム大賞受賞)
プレイヤーは、美しい姫に恋をした男という設定で、城の住人の助けを借りて姫にラブレターを届けるという「ストーリー」が特徴。
勝利条件は「自分の手札を守り抜き恋のライバルであるほかのプレイヤーを脱落させる」こと。
「ブラックジャック」みたいにバーストがあったり、ダウトがあったりいろんなカードゲームの駆け引きが詰め込まれており
ミドリのゲームをプレイした後だと、相当なテストプレイを経て作られた作品なのだろうなと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=36D1iwbGdGo
17 もんじろう(2005年日本、サイ企画)
普段言えないことを「条件縛り」によって短い言葉で表現する。
というまさに日本らしい感性の出たゲームだと思います。
はてブで毎日100文字の制限ないでああでもないこうでもないといってる人は100字と言わず6字縛りのもんじろうに挑戦してみたらいいかも。
https://www.youtube.com/watch?v=Y5q6M29CuRE
18 アイランド(1982年アメリカ)
徐々に沈みゆく島アトランティスから、自分の探検隊を財宝をもって脱出させるゲーム。
30年以上前に作られた名作「サバイブ」のリメイク作品。
「時間が進むと徐々に陸地がなくなっていく」というタイムリミット要素と「点数の高い宝を持っている人間を優先して助けて点数を競う」という競争要素・計画要素が合わさっていて、なかなか緊張しそう。マンガでは描かれなかったけど協力要素もあって、どちらかというとTRPG風。実際、このゲームのリプレイはうまい作家さんならそのままストーリーにできそうです。
GMがおらず、陸地を減らしたり、プレイヤーキャラを倒す怪物の操作もプレイヤー同士が行うため、結構ぎすぎす要素強め。ある程度仲が良くないとリアルファイトになるかもしれない……。
今回はこのゲームが一番面白そうだなと感じました。
https://www.youtube.com/watch?v=3ccQ5kYrk-s
動画見てもらったらわかる通りボードがキレイです。
実際にプレイしてみたら脱出地点が目の前に見えているのになかなかたどり着けない感じがもどかしいんだろうなぁ。
サバイブ!(アイランド) (Survive: Escape from Atlantis!)
- メディア: おもちゃ&ホビー
19 ケルト(2008年ドイツ。ゲーム年間賞受賞作。クニツィア作品)
この回からドイツ人少女エミーリアが登場。
橋渡しゲームみたいな感じで、見た目はすごくシンプルだけど拡張要素が非常に多く、
一つの行為にどれだけの要素を「面白さを損なわずに」詰め込めるか、という観点ではものすごい工夫がされてますね。
単に向こう側にわたって終わり、ではなく「得点」で競う勝負にすると、
得点が2倍になる大コマや、再行動を可能にするクローバーなどを駆使して行動の幅を広げていくのが面白そうなゲーム。
前に進むだけ、という単調に見える行為でもこれほどにゲームにできるのだから人間ってすごい。
「ゲーム制作者」志願の人ほどハマるのもわかる気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=oEofkuc8Ytc
しかし何度読んでもアヤちゃんの喜怒哀楽表情が本当に豊かで、読んでるだけでも楽しい。