女子大生が変な動物に求愛される話を描きました
— たけなしのーと (@takenashinote) June 26, 2019
【1/11】 pic.twitter.com/aPqmvFVdj4
一話読んでも何がやりたいのかよくわからない作品だったのですが、「会話ができそうな謎の生き物」を飼うという形で、ペット育てと子育てのいいところ取りをしてるのかなと。子育てしたければ子供産まなきゃいけないし、動物だと会話を楽しむのは難しい。
そこで見た目がとってもかわいくて赤ちゃんのようにこちらを慕ってくれて、いい匂いがしてつたない言葉であいさつを返してくれたりして、「コミュニケーションをちゃんと取ってる限り」手間があんまりかからないという理想の生き物を登場させます。
一生(寿命は80年)、赤ちゃんの姿のままで人生の伴侶になってくれるいきものって何それ最高すぎない?
いい言葉だけ覚えさせたら、延々と愛らしい姿の生き物が自分をほめて続けてくれるんやで。
うんもう、こんな動物いたら子供要らないし配偶者も要らないよね?
理屈っぽいせいで人間関係で悩んでた主人公が、この生き物との出会いを通じて別の可能性を見つけていく展開も良い
この作品のもう一つのポイントは主人公の性格。
この主人公大学生なのだけれど、「何が正しくて何が間違ってるか」を理屈で考え続けるせいで、すごく生きづらい思いをしてる。
間違ってると思ったことに妥協できないし、適当に話を合わせることもできないから人間関係でも孤立し、バイトもすぐ首になってしまう。
なんか自分の大学時代を見ているようでつらい。
しかし、この動物と一緒に生きてるうちにそういうことで悩むのがどうでもよく感じられてくる。
そして、この動物について考えてるうちに、ネットでほかにもこの動物を飼ってる人とつながり、孤独から解放される。
そして、このネットで知り合った人を通じて、ニジのことをもっとよく知っていって生活が豊かになっていく。
この展開とってもいいなって思いましたよ。ネットってこういう生きづらい人に救いの可能性をもたらしてくれる部分まだ残ってるよね。
ただ、この子煽り耐性なさすぎてネットでもトラブル起こしてたりしちゃうけど(笑)
というか、ネットリテラシーがなさ過ぎてかなり危ないことになっちゃうけど(震)
そのあたりも今後この作品に絡んでくるのかな? 面白そう。
- 作者: 武梨えり
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2019/06/27
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
子育てとかペットだと一家言ある人がごちゃごちゃうるさいから、知識とかじゃなくて純粋に生き物可愛い―を描きたかったらこんな風に「架空の動物」を作ってみるの面白いかもね。
この漫画が一番いいなと思うところは、読むのに本当にストレスが全くないところ。
作者の力量ももちろんあると思うけど、一番大きな要因は、たぶんこの漫画にでてくる生き物が架空のものだからだと思う。
これがたぶん犬とか猫だったら、一つ一つの描写にそれって本当に正しいの?っとかいろいろ考えちゃってたと思う。
同じように、今創作者や読者に「異世界もの」が人気なのは、とにかく今が「正しさ」にうるさい社会だからってのもあると思います。
面白いと思っても、現実に近ければ近いほどごちゃごちゃ言う人が出てくる。
特に「正確さ」とかどうでもよくて「うちの子かわいいでしょ」って素朴な感情をシェアしたい時に、そういうことを気にすると気分がなえてしまう。そういうときに「いや、この子は架空の生き物なんで」って出来たら余計なこと考えなくて楽だよね。
「異世界グルメ」とか「異世界食堂」みたいに、食べものまで異世界でやるの理解できなかったけど、
多分そういう「正確さを求める病」から作者も読者も逃れたいって気持ちが今どっかにあるんじゃないかなーと思ったりします。
だから異世界ものが流行るのもわかるけど、あえて日常に「架空の生きもの」一種類持ち込むってのもありなんじゃないかなと。
どっちが簡単でどっちが難しいかとかはわかんないけど、「日常に異世界とか架空の何かを持ち込む」みたいなのは、今までもあったし、今後もこんな感じで増えてくるとバリエーションが増えてうれしいなと思います。
すんどめ!!ミルキーウェイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: ふなつかずき
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
実際に、私がこの作品知ったのは、普段なろう系作品などに対して「リアリティがー」みたいな路線ですぐダメ出ししてくる、めんどくさいというか思考が硬直的なあの人が絶賛してたからです。あ、こういう風にしたら文句言わなくなるんだ、、、ってところで興味持ちました。
しょうもないところを気にして素直に楽しめない天の邪鬼人間でも、見せ方次第でちゃんと満足させられる。そんな可能性を感じますね。