私は今でも毎月最低でも3回本屋の「漫画コーナー」をのぞきにいく習慣があります。今月だとこんな感じでした。
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さらに電子書籍のサイトもよく巡回しています。なので各電子書籍サイトがどういうものをプッシュしてるのかもなんとなくわかってるつもりです。
【8月3日更新】2019年8月 電子書籍マンガのセールス情報まとめ - 頭の上にミカンをのせる
しかし、それでも本屋や電子書籍サイトでプッシュされているマンガと実際の売れ筋が必ずしも一致しないということを最近よく感じます。
え!?「宇崎ちゃんは遊びたい」とか「高校生を養いたいお姉さん」って50万部も売れてるの?マジで?
最近私がびっくりしたのは本屋でそれほど重要な位置に置かれているわけじゃない「宇崎ちゃんは遊びたい」とか「男子高校生を養いたいお姉さん」が3巻で50万部突破!みたいな帯を見たときです。えええ、この作品好きだけど、こんなにたくさん売れてるの!?って思いましたし、「そもそもそんなに売れてる本が、一番目立つところでなくて微妙なところに置かれているのはこれいかに?」って不思議に感じました。
宇崎ちゃんマジでうぜえええええw これが50万部のどや顔w
もしかして、かなり多くの人が本屋に行かずにウェブだけで買う漫画決めるようになってる?
この辺り表現が難しいところで誤解されるの怖いんですが、これらの漫画が面白くないって言いたいわけじゃないですよ。私はどちらの作者さんも好きです。
というか宇崎ちゃんについてはこのブログで感想まで書いてるし、英貴さんについては「1年A組のモンスター」とか「S渡さんとM村くん 」も読んでます。
でも、これらの作品って、自分の中では「ニッチ向け」作品なんですよね。すごく読みやすくて軽いけど、私が従来意識してきた「ベストセラー作品」のイメージとは全然違う。
本屋さん中心で売られている時代だったら1冊あたり15万部以上売れるってのはまず想像もできないし、ずっと本屋での陳列基準で考えてるせいか今でも違和感がある。繰り返しになりますけど宇崎ちゃんは1巻が出たときは結構プッシュされました記憶ありますけど、2巻以降は割と地味な位置に陳列されてました。お姉さんの最新刊も、平積みはされてるけどあんまり目立たないところに配置されていました。それでもこんだけ売れてるんだな、と。大型書店なので配本が少ないということもないと思うので、本が少ないからそうなった、というわけでもないと思います。
ということは……今って思った以上にネットで本が売れてるよね。作者さんや編集者さんたちによるtwitterや漫画が掲載された媒体でのプロモーション活動の影響力がここまででかいのか!?って驚くばかりです。
実際、この50万部って数字は、紙の本だけなのか電子書籍も含むのか、そのあたりどうなってるんでしょうか?
ちょっと前にこんな話もありましたしね。本当にネットのプロモーションってすごい大事なんだなと思います。
note.mu
そりゃまぁ月曜日のたわわ(75万)とか嫌な顔でおパンツ(25万)とかよむタイツ(30万)もアニメになるの当たり前だよなぁってなりますよね。フォロワー数100万越えの鴻池剛さんの作品とかはもうネットだけでもすごい売れてそう。他に私がtwitterやっててよく視界に入ってくるのは「茶みらい」さん(フォロワー数37万)とか「一智和智」さん(フォロワー数22万)かなー。
twitterでの知名度は重要だけれど、ブレイクする理由や場所がtwitterだけとは限らないというのが面白いです
①英貴さん(フォロワー数20万)はまちがいなくtwitterがメインだと思います。
②宇崎ちゃんは4pマンガではなくニコニコ静画で連載開始するまではそこまでブレイクしてなかったような気がする……。③書店に行くと帯に「pixivでの閲覧数」を売りにしている作品が非常に多いことから、いまだにpixivでの人気は非常に重要であることもわかります。
その結果として、最近は出版社を通さずにオリジナル同人で勝負をしている人も結構増えてきたという話をしました。この前は、出版社経由ではなく同人誌なのだけれど63p中45ページを無料公開していて、しかも安くない同人誌が一作品あたり2.5万部以上売れる、なんてことが起きました。
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途中からはDMMが積極的に宣伝しれくれてブーストがかかったと作者さん自身おっしゃってますがその状態になる前に積極的にマンガを描き続けて数万人のフォロワーを育てていたというのが大きいですよね。
そういう意味で、17万フォロワーを誇りニコニコで大人気の矢野トシノリさん「防御力ゼロの嫁」(ニコニコ静画でも1600万PV突破しててマジで強い)
矢野トシノリ@c96日曜日西A47b/コミティア129 せ16b (@hosimaki) | Twitter
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「疑似ハーレム」で有名でフォロワー数21万人になってる斎藤ゆうさんとかの作品売れ行きとかはものすごく気になります。
斉藤ゆう (@54110yu) | Twitter
今「漫画家」の垣根は出版社からマンガでてるかどうかが全然関係なくなってきてると思うのでそのあたりを踏まえた「漫画家のtwitterフォロワー数ランキング」が私は読みたい
マジでエロ同人まで含めたら、フォロワー数20万を越える作家さんがゴロゴロ出てくるようになってきました。
恐ろしいことに毎日1枚ちゃんと色塗りまでされてる絵をあげ続けてる作家さんも少なくありません。
そして、1ツイートあたり1万リツイートを越える、なんてことも全然珍しくなくなってきました。すごい人だと5万リツイートとかになりますからね。
さらに、絵の世界は国境の壁も超えていて、韓国の方だと思うんですが、ずっと氷菓の絵を描き続けてた絵師さんとかも私大好きです。
こうなると、申し訳ないけれど例えばこういうランキングだけみてもあまり参考にならないですよね。
meyou.jp
twinavi.jp
そうした漫画家さんも含めて、だれか新しいランキングを作ってほしいなと思います。お願いしますー(他力本願)
もちろんフォロワーさえ多ければいいというものではなく、「単行本が売れる」というのはまた別の話ではあるらしく、フォロワー数5万いても打ち切りになるケースもあれば「専門学校JK」のように、打ち切りになった後で、電子書籍の売り上げが良くて連載再開になるケースもある。ゲームのルールが変わったことでますます作者さまには大変な時代になって切ると思います。
メ…ッセージ……で…す…これが…せい…いっぱい…です
— ポルリン☕️日曜西A19b (@porurin0) December 16, 2016
受け取って…ください…伝わって………ください…… pic.twitter.com/iyeRR4dJUa
個人的な感想としては、私は4pとか8pで読み切れちゃうマンガより、ストーリーがあって長く続いていく作品が好きです。4pだからこそ読めるマンガって、単行本にしたら割と飽きることも多かったりして難しいところです。実際に単行本で飛びぬけて売れた2作品が緩いながらもストーリーがあるというのはそのあたり大事なんじゃないかと思ってたりします。
今はまだ「作者自身がtwitterで宣伝活動を頑張って知名度を獲得している」というだけでも強いというところがあるかもしれませんがその上で今後はさらにストーリー的なものを描かれるかどうかという要素も問われるようになってくるのかもしれませんね。そのあたりを「今どきの若いもんは」という漫画などでは感じました。
石沢課長(50歳)の「今どきの若いもんは」のまとめ - 投資クラスタのちょっと気になる話
というわけで、作者さんにはますます難しい世界になってくるのではないかと思います。そんな難しい世界で戦い抜いて我々に作品を届けてくださっている作者様には本当に尊敬の念を禁じえません。私にできることは、ただ自分の身の程をわきまえて、たくさんマンガ読んで、面白いマンガは面白い、面白くない漫画は面白くないと素直にネットに読んだ漫画の情報を発信し続けることかなと思います。