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「JKハルは異世界で娼婦になった」 マンガ版の小山ハルはめちゃくちゃかわいい

前から気にはなってたのだけれどDMM電子書籍で1巻半額以下、2巻半額ポイント還元をやっていたので購入。

JKハルは異世界で娼婦になった 1巻【DMM限定電子特典付き】
JKハルは異世界で娼婦になった 2巻【DMM限定電子特典付き】

原作脱落組の私ですがマンガ版はとっても満足度高かったです。続きも読みたくなった。


原作は途中で読むのやめちゃったけど、マンガ版のハルはめちゃくちゃかわいく思えてみてるだけで楽しめる

原作最後まで読んでないのであれですが、途中まで読んだ限りだと正直ストーリーとかは個人的には微妙かなって思ってました。

娼婦になったハルの一人称視点で、なかなか代り映えのない日常と客の描写が続いているので文章で読んでもそんなに面白くないと思ってしまいました。原作は状況が状況だからしょうがないけどダウナーな語り口調が目立ち、、かつ女性の魅力は中途半端という「設定(主人公主観)」だったのでいまいち主人公のハルに魅力を感じなくて挫折してしまった。最後まで読んだ人はみんなすごく面白かったといっているので読みたかったんだけど自分には合わないと決めつけてしまってました。


ただ、マンガ版はとにかく絵がめちゃくちゃかわいい

山田J太さんって作者さんの作品読んだことなかったけど、他の作品も読みたくなる程度には好き。

蒼界のイヴ : 1 (アクションコミックス)

蒼界のイヴ : 1 (アクションコミックス)

  • 作者:山田J太
  • 発売日: 2011/08/11
  • メディア: Kindle版

漫画で表現されることで、「娼館という狭い世界」においてはいちばん需要がある成熟しきった身体ではないけれど、スレンダーだし一般レベルでは十分ナイスバディと言える魅力的なスタイルであることがわかる。おしゃれにもこだわりがあって自分を魅力的に見せようとする努力をしていることが伝わるしそのおしゃれが視覚化される。その上で、地の文の語り口調からは想像できないくらい表情が豊かで身振りも大きく、ああなるほどこれが陽キャなのか、というオーラが出ている。


一言でいうと、めちゃくちゃかわいい。

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大事なことなので三回言いました。



現代よりもはるかに男尊女卑の激しい世界であっけらかんと生きるハル

ただ、そもそも原作の語り口調がダウナーになるのは当然といえば当然。

学校のこと思い出したらマジか成してつらくなる。友達とか彼氏と書いてすごい楽しかったのに。
なんでこんな昔話みたいな世界で陰キャのために腰ふってんだ?
お前もコミで全部忘れて帰りたい。
でも、これが今の小山ハルの仕事なのだ。生活のためだから仕方ない。

千葉は教室では見せたこともない顔で笑う。「やりたいことがたくさんあるからいきなりゴールはいかないんだ」なんて余裕そうなことを言ってる。
あたしなんか、娼館で売り上げ3位以内を目指してるけど、それでももらえる手当は月1000ルパーくらいで。
あーあ。私も男だったら、異世界も楽しめたの、かな

ふつーにしてるつもりなのに、急に怒られたりして驚くことも多いのだ。
女だけで外で飯食うってのもはしたなくて恥ずかしいことらしい。

なんか、本当女の生きづらい世界だと思う。
千葉は自分だけチートとかなんとかいう能力をもらって世界はビバ最高みたいにはしゃいでるけど。
娼婦に転落した元同級生のことはどう思ってるんだろ。最底辺にいるんですけど?
他人事みたいに「俺のメイドになればいいじゃん」って言ってたけど

という感じで、基本的にはめちゃくちゃ息苦しい世界なのですよね。これ見よがしに男尊女卑の描写がされている。



なろう世界で陰キャの男がチート無双でイキりちらしてる作品が人気なことへの皮肉なのかもしれない。「お前ら女性側の視点でもの考えてますか?」という。 この世界はこの世界でオーソドックスななろう設定があることになっているので(モンスターがいて魔王がいて―っていう典型的JRPG的な世界)、どのなろう世界でも気づいてないだけえどの世界もそうなんだぞって言いたそうですね。

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※とはいっても今度アニメ化する「くま クマ 熊 ベアー」とか「私、能力値は平均値でって言ったよね!」みたいに女性が無双する話も増えてきてますけどね。私は嫌いだけど「ポーション頼み」とか「異世界で金貨8万枚」とかもアニメ化しそうな雰囲気。
くま クマ 熊 ベアー〈試し読み増量版〉



JKハルの性格がほんとに前向きで救われる

そんな女性にとっては陰鬱な気分になる世界の中で、元が陽キャゆえなのか「適度にあきらめを持ちつつも現状をエンジョイしようとする貪欲さ」があるから救われるという感じ。

こんなことをしてていいのか?っていう疑問はまだあるけど、いまやれることを全力でできないやつは、何をやってもだめだよなって気はしている。(なんてまじめなこと考えてないけどね)

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原作読んでるときはあんまりそういう感じで読めなかった私読解力ないな…って思うけど、マンガ版だとハルのキャラが、醒めたところありつつも前向きですごく好ましく感じます。

私は私で、売上順位を上げるために忙しい。
もうなりふり構ってられないと思ったから、異世界に異文化をぶち込んでやることにしたのだ。

イケてる…はず。イケてる!自分を信じろ!そうあたしは感性の彼方からやってきた改革の女神――

でも、あとのエピソードで「何も考えずにやってるんじゃなくて自分を奮い立たせようと意図的にやってるんだな」っていうのがわかるんだけど、そこがまた良い。深く考えずに自然とそういう振る舞いができてしまうんだったら嫉妬しかないけど、こういうの見てるとなんか陽キャのこと好きになりそうw


でもやっぱりしんどいよね……その気持ちににも素直になれるハルはすごい賢いと思う

娼館という狭い世界ではあるけれども
いろいろ厄介な客を相手にしているうちにすこしずつ成長して、
周りからの評価も上がって、なんかやりがいっぽいものを感じつつはあったけど。

「でもそれって本当なのか?こんなのが幸せか?」って揺さぶってくる8話がすごく好き。

元の世界で過ごしてたら歯牙にもかけなかったような存在に心をぐらつかせたり、
客のスモーブくんに対して優しい気持ちになったり。
本来の自分にはあり得ないような自分を見て自分を卑下したくなったり。

ついにふとした時に、なんもかんもが馬鹿らしくなってうずくまってしまう。

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その後また気合を入れなおして立ち直るんだけど、こういうおもいっきり下げてから上げるっていう心の動きってめちゃくちゃわかるよね。


つらいとかしんどいと思ってる時にこの作品に描かれてる描写を思い出すと元気出るかも

つらいとかしんどいって時、普段はある程度それをごまかしてでも頑張らないといけない。でも、ずっと我慢し続けてたらダメ。

だから、思いっきり落ち込んで、ちゃんと自分はつらいーとかしんどいーとか死にたい―って心の中で叫んで、おもいっきり吐き出して少しでも心の容量を開けてから、また気合を入れなおすっていう「心の換気」みたいなことって大事!そういうのをしっかりやってる描写があってとても良かった。

これ、心が健康でまだ耐久力あるうちにしかできないことなので、ハルはすごくタフだし賢いんだなって感じました。


私はこの8話を見て、この作品のこと好きになったし続きも読みたいなーって思いましたよ。


JKハルは異世界で娼婦になった 2 (BUNCH COMICS)

JKハルは異世界で娼婦になった 2 (BUNCH COMICS)

  • 発売日: 2020/04/09
  • メディア: コミック