「鬼滅の刃」大ヒットの立役者といわれ、それ以外にもfate UBWや劇場版、刀剣乱舞など数々のアニメをヒットさせてきたufotableが制作会社を務めたアニメです。
元々テイルズシリーズのアニメーションはゲーム版でもアニメでもこの会社が作ってますね。
原作は非常に評判が悪いということもありなんとなく見ないままにしてたのですが、いざ見始めたら面白かったので前半一気に見てしまいました。今見ても全く問題ないくらいきれいなアニメーション作品なのでお勧めです。
今週末後半も一気に見たいと思います。
私はすでにAmazonPrimeに入っているのでDアニメストア for prime videoで観ましたが、画質さえ気にしなければDアニメストアで十分だと思います。
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テイルズオブゼスティリアのあらすじ
舞台は元々人間と天族が共存していた世界。
人間は天族に敬意を払い、力を持つ天族は人間を守護するような関係だった。しかし、いつしか人間は天族のことが見えなくなり、その存在も忘れてしまった。そのためか、世には穢れ(Malevolence)がはびこり、その穢れが憑魔という魔物や悪しき存在を生み出したり大規模な自然災害を巻き起こすようになる。
そんな穢れを浄化できるのは、「導士」と呼ばれる存在だけだという。
主人公スレイは人間だが、天族のすむ村で育てられ、天族の人間が見える存在だった。
スレイはある日、同じ天族の幼馴染であるミクリオと共に下界に降りることにする。そして、あるイベントをこなして「導士」としての力を手に入れる。
そして、ハイランド王国→ローランス王国の各地を回って、地上にいる天族を集めながら各地の穢れを浄化したり、穢れをうむ元になる戦争を止めたり、世の腐敗を見ていくなかで、自分のなすべき使命を見出していく。
……と、大分端折ってますが大筋でいうとこんな感じのストーリーです。詳細が知りたいこちらをお読みください
天族の杜、ハイランド王国、ローランス帝国の舞台 - テイルズ オブ ゼスティリア 攻略
つまり、一言でいうと「ファンタジー要素のある水戸黄門」ですね。
彼に付き従う天族がスケさんやらカクさんやらということであり、浄化というのは要するに世直し旅です。もちろん、お話の都合上、ちゃんと物語の根っこをつきとめてそれを解決するようにストーリーがしっかりありますが、「ソシャゲ」だったら完全に水戸黄門になっていたと思います。
各地を旅しながら先代の導士が解決できなかった問いにスレイが挑むのが本筋
今このタイミングでみて面白いなって感じたのは、まさにこの「穢れ」ってコロナのせいで今結構ホットな概念になっているからかもしれません。
この作品は「穢れとは何か」とか「穢れを浄化するというのはどういうことか」というのを主人公が一生懸命考えていく物語になっているからです。
人には、誰しも良くない心が潜んでいる。
その心を穢れというなら私にも穢れが存在する。
私の悩みはそんな巨大なものにはとうてい届かない。
あいまいで、答えがはっきりしないもの。例えば、誰かを裁くことで、多くのものが救われるとしても。
それは穢れたことになるのだろうか?
必要悪を認めた時点で、人は穢れるのだろうか?
この辺りは我々も考える価値がある問いだと思います。
「見えてない」人間たちと、「見えている」スレイたち一行の認識の違いが、各地でいろんな問題を引き起こすというところがすごくおもしろい
この作品の「穢れ」は、人の負の感情、特に恨みや恐れ、無念といった感情から発生します。
当然ですが、それが生み出されるのは戦争や災害、疫病のほか、理不尽な貧困などマクロレベルの問題が原因です
そして「穢れ」が強くなると、災害を生み出す憑魔が生み出されますからますます人々は恐れるようになりさらに「穢れ」が強くなります。
「穢れ」は意識して止めないと正のフィードバックループを生み出す非常に危険な存在なのに、それを生み出している人間はそのことに気づかない。
一方で導士であるスレイと天族にはこの「穢れ」がはっきりと目に見えるんですね。
だから人々が「穢れ」を生み出していることがはっきりとわかるし、「穢れ」の発生の原因を止めようと必死に行動します。
しかし、見えない人は今起きている問題について「自分が原因になっているにもかかわらず」違うものに原因を求めて攻撃しようとしたりします。
これってコロナにおいてもろに起きてる現象ですよね。
知識や考え方の差でみんな違うものを見て、不安から不確定な情報や明らかに怪しげなものにすがってあがめたり
他人を傷つけるのも構わず自分以外の他人に対して攻撃的な言動をSNS上で喚き散らす人たちが山ほどいましたし今もいます。
そのあたりを考えながら見ると、なんかすごい考えさせられるストーリーになっているなと感じます。
一方でハイランドの王女アリーシャの物語 / ベルベット・クラウの物語も進行する
かといって、スレイたち「見えている人たち」一行がなんでも解決してしまうだけでは面白くない。「見えない」側の人間としてアリーシャやベルベット・クラウの物語も同時に進行していくのがこの物語の面白いところですね。
例えばアリーシャは、直接穢れが見えるわけではないけれど、自分の頭で考えて行動し、スレイたちと同じ考えに自分たちでたどり着いて自分の意志で行動します。スレイたちと共に行動するシーンは少ないですが、アニメでは彼女は間違いなくスレイたちの「真の仲間」として描かれます。「ヴィンランド・サガ」におけるクヌート王とトルフィンみたいな……ってちょっと違うけどとにかくそんな感じ。
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました (1) (角川コミックス・エース)
- 作者:池野雅博
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