今更だけど面白い話だったので。今年の入試問題も気になりますね。
日本トップの東京大学二次試験1日目最初の科目第1問の冒頭が「教育を媒介に階層構造が再生産される事実が、日本では注目されてこなかった」はさすがにキツい
— Masaki Kobayashi (@mkobayashime) February 25, 2020
問題開いてギョッとした pic.twitter.com/f9HbSEMjeA
出典を載せておきます。
— 痩せたソクラテス (@Thin_Socrates) January 4, 2021
是非全文を読んでみてください。
2020年度東京大学入試国語第一問(小坂井敏晶「『神の亡霊』6 近代の原罪)より一部改変しました。 pic.twitter.com/GtkmPscKxt
心理学の基礎知識がないと読めないような難しい本ですが、めちゃめちゃ面白い本です。
— 高草木 淳一(たかくさぎ じゅんいち) (@jjcl0118) August 24, 2020
なるべくわかりやすくします!
2020年東大入試現代文出題 小坂井敏晶著『神の亡霊 近代という物語』解説 ~生活の中に潜む罠を見破りよりよく生きる為に~PART.1 https://t.co/e4NrOFXiD1 via @YouTube
教育格差についてはいろんな人が丁寧に分析しています
元々この分野ではまず苅谷先生の本が決定版として存在し
- 作者:苅谷 剛彦
- 発売日: 2012/08/07
- メディア: 文庫
そこから松岡亮二先生の本でデータ的に補完していました。
- 作者:松岡亮二
- 発売日: 2019/07/26
- メディア: Kindle版
《入学時点の学力が、小4時の学力と関連している。また、小4~中1まで格差は縮小・拡大せずに維持されている。》(P156)
— CountryTeacher (@HereticsStar) November 24, 2020
《親大卒者数による学力格差がある。小6から中3まで学力格差は、大きくは縮小も拡大もしない。》(P195)
松岡亮二『教育格差』より。小学校入学時点ですでに…。
単に所得の格差・文化資本だけでなく、親の学歴志向などに触れている本もあります。
教育格差のかくれた背景: 親のパーソナルネットワークと学歴志向
- 作者:草平, 荒牧
- 発売日: 2019/08/29
- メディア: 単行本
この辺りまでは自分でも読んできましたが、東大がこの問題にどういう意図をもって向き合っているのかとかは考えたことがなかったですね。
今年の東大入試国語第一問が少々話題になっている。小坂井敏晶『神の亡霊』「第六回 近代の原罪」からの出題だ。
— Rei Kamikawa (@apo_kyami) April 11, 2020
もう絶版になってしまったが、大島保彦『東大入試問題に隠されたメッセージを読み解く』を併せて読むとおもしろい。大学のAPを外部に示す装置という入試の隠された機能に気づかされる。
- 作者:大島保彦
- 発売日: 2013/01/16
- メディア: 単行本
上野千鶴子さんの講演によって、東大がかなり強い問題意識を持っていることは世間に知られるようになりましたが今回の件もその一環だと言えそうです。
ことあるごとに外野が「東大生は恵まれていることをわかってない」とかいってサンドバッグにしようとする動きは個人的に大嫌いなのですが
東京大学自体がちゃんと問題意識を持って啓蒙に取り組んでることは知っておきたいなと。
なお、私は上野千鶴子さんの講演よりも、「consummatory」について語った東大総長の講演の方が好きです。
「みんな一緒」「共感」をベースとしたありかたから「Consummatory(ともに足し合わせる)」の感覚へ
著者の小坂井敏晶さんはこんな人
長くて読みにくいかもですが重要な文章https://t.co/9lsZx4s4U5
— marina (@marina_beta) May 22, 2020
多数派は人間の表層に影響を与えるのに対して、少数派の影響は内面の葛藤を生む。少数派意見の影響は時限爆弾のように後々になって現れる。この時に大切なことは「少数派が意見を一貫させること」。一貫性がないと多数派に影響はない。
- 作者:小坂井 敏晶
- 発売日: 2018/08/02
- メディア: 単行本
社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)
- 作者:小坂井 敏晶
- 発売日: 2013/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)