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「進撃の巨人」(完結)  まさかのAIR難民救済作品。対話の重要性を説きつつエレンの一方的なコミュニケーションの押し付けで終わってしまった感あるが面白かった

「ミカサ…お前髪が伸びてないか?」

「なんかすっげー長い夢を見ていた気がするんだけど……なんだったっけ、思い出せねえな」

「エレン?どうして、泣いてるの?」

「え…?」


11年7か月の連載がついに完結しました。

長かったですね……。



連載開始のタイミングは、2009年。

リーマンショックの後日本がどん底の状態にいるタイミングだったんだな。




さて、本作品の終わりを見届けた皆さんはどのような印象を持つでしょうか。

私は正直なところ「よくわからん」という気持ちが強いです。

はっきり言うと、展開についてネタバレしても全く問題ないでしょう。

最後の最後になって「なんかよくわからん」ものが怒涛の勢いで登場するので

それらを理解しようと思ったら結局何回も読みなおさないといけないからです。


少なくとも、最終話を読んだら絶対に1巻の第1話から伏線回収部分をチェックしたくなるでしょう。

なんともえげつない作品だと思います。





とはいいつつも一応警告します。ここからはネタバレなので注意。







最終話の展開自体はだいたいの人が33巻の時点で事前に予想していた通りでした


それだけの物語をきちんと積み上げてきたし、ちゃんと読者がそれを受け取っていたということなので素晴らしいと思います。



①始祖の力に唯一逆らう力を持つアッカーマン家の人間であったミカサが、エレンを殺害することに成功する。エレンの死と同じタイミングで巨人の呪いはすべて消滅する。

②巨人化した人は普通の人に戻る。あとわずかな寿命といわれていたライナーも人間として寿命におびえず生きていくことが可能になる。

③巨人の血は消えたが、恐れていた通り各国は、エレンが行ったことへの報復としてエルディア人をこの世から消滅させようとたくらむ

④しかし、エレンによってパラディ島の外にいた人類は8割は殺され、壊滅的な被害を受けており、すぐにはエルディア人を滅ぼすことはできない。巨人の力を失ったエルディア人たちも軍備を増強して滅ぼされまいと守りを固める。

⑤いつ戦争になってもおかしくないが、エレンのことを知るメンバーは、エルディア・マーレの垣根を越えて協力し合い、和平への道を模索するべく奮闘する。


というわけで、エレンが死ぬことや巨人の力が消滅することは、すでに予想された通りでした。

争いはなくならないよ。でも……こうやって一緒にいる僕たちを見たら、みんな知りたくなるはずだ。僕たちの物語を。
散々殺しあったもの同士がどうして、パラディ島にあらわれ、平和を訴えるのか。
僕たちが見てきた物語、そのすべてを話そう……

まどかマギカっぽい終わり方ではあるが、過程において大きな違いがある

「主人公が自分の身を引き換えに呪いを解く」という展開は昔からあるし、まどマギに限った話ではないのですが、やはり世界規模の呪いを解くという意味では「まどマギ」とか「僕の地球を守って」を思い出しますね。



・「魔法少女まどかマギカ」の場合、「ほむらがたくわえてきたエネルギーを使ってまどかが願ったら叶っちゃった」ということで、なぜその願いが実現したかの部分は「そういうものだから」で済ませています。また、まどマギの場合「魔法少女の存在」を消し去っても代わりに魔獣が生まれたように、「魔法少女たち」の悲劇を解消できたとしても、だからと言ってそのひずみは別の形で噴出します。



・これに対して、本作品は巨人の力はきれいさっぱり消え失せます。きれいさっぱり終わらせることはとても難しく、そのために、本作品は長い長い時間をかけてずっと話を積み重ねたんだなあということを感じさせますね。


進撃の巨人の世界では、「なぜ巨人というものが存在するのか」「壁の外には何があるのか」「なぜエルディア人だけが巨人になるのか」という形で段階的に世界の謎を解き明かしていきます。


その中でも特に重要なのが最後の「なぜエルディア人だけが巨人になるのか」という部分。「エルディア人に課せられた巨人化の呪い」こそが本作品にとって最も重要なファクターです。


しかし、ここまでわかってからの展開がめちゃくちゃ厄介になるなんて、最初の頃の単純明快なバトル展開を楽しんでいたころには想像もできませんでした……



本作が厄介な点その1:すべての原因となる存在である「ユミル」が何考えてるのかよくわかんない

本作品では「始祖・ユミル」というたった一人の少女がすべての源になっているということが明かされます

このユミルという存在が非常に厄介です。

魔法少女まどか☆マギカでは、まどかがそう願わない限り問題を解決することができないが、逆に言えばまどかは主人公のポジションにいるので、主人公がそう願いされすれば物語としては問題が解決されます。

しかし、本作品の場合、手段も動機もユミル独占しています。ユミルが「巨人の呪いを解く」と決めない限りは問題を解決できないわけです。

しかも、このユミルは何を考えているのか全然わかりません。コミュニケーションを取ることが極めて難しい。

最終話でとんでもない話が明かされるけれど、そうはならんやろ(なっとるやろがい)って言いたくなったよわたしは。うーん、、、でもこれ以外に理屈建てしようがないのかもしれないね



本作の厄介な点その2:ユミルと唯一意思疎通ができた「エレン」が何を考えてるのかがわかりにくい

エレンという人間は、途中から人格そのものが変わってしまったように描写されます。

そして、感情むき出しだったころから一転して、何を考えているのか全然わからなくなります。

ユミルのことがわからないなら、せめてエレンがそれを伝えてくれと思うのに、

肝心のエレンが何を考えているのかわからなくなってくると、完全にお手上げ状態になります。

本作は最初、直情的でわかりやすいエレンを中心としたまとまりのある群像劇だったのですが、途中から、物語の中心部である「ユミルとエレン」がわけわからなくなり、その周りでいろんなメンバーが振り回されるという「中空構造」の物語となっていきます。

中空構造日本の深層 (中公文庫)

中空構造日本の深層 (中公文庫)


本作の厄介な点その3:始祖の力が時間の概念を超越してしまうため「存在しない記憶」が随所に挿入され人格をゆがめる

そして、エレンがわけわからんことになった理由は……。
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というわけですね。



この3点を踏まえつつ、もう一度最初から読み直してみると、いろんなシーンで発見がありそうですね。



第一話のタイトル「二千年後の君へ」について

最終話と第一話とのリンクを感じさせるページは、たった3ページ、そしてタイトルしかないがこのページが今思うとすごい意味を持ってくる。

最終話のこのシーンを
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エレンが第一話ですでに夢で見ているというのは今思うとなかなかエグイ。
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永遠に続く地獄に捕らわれたユミルは、2000年後にこのシーンを見る。そして、ようやく救われる。

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このシーンのユミルが、どういう感情だったのか、私にはよくわからんのだけれど。

アニメ最終話が放映される頃には考察がたくさん出てそう。とても楽しみ楽しみ。



第一話の時点からラストでこのシーンを描くことを考えていたのだとしたら、もう設定も全部出来上がってたってことなのかな。

「ミカサ…お前髪が伸びてないか?」

「なんかすっげー長い夢を見ていた気がするんだけど……なんだったっけ、思い出せねえな」

「エレン?どうして、泣いてるの?」

「え…?」

ああ、なんというか。「DESIRE」を思い出す。
私が人生で一番最初にハマったノベルゲームであるが、この作品に同じ仕掛けが施されていたとはね……。

人は何処から来て何処へ行くの?
この悠久の螺旋から助け出してくれるのは、誰?
私を助け出してくれる あの人は・・・・

http://rina.nadenade.com/nackey/talks/desire/part4.html

11年間よくぞ最後まで騙し切ってくれて、本当にありがとう。お疲れ様でした。



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いらない(笑)