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「顔がこの世に向いてない」 幸せになるためには、なによりも幸せを受け入れる勇気が必要だ

[1話]顔がこの世に向いてない。 - まの瀬 | 少年ジャンプ+
「わたモテ」のもこっちをロジカルにした漫画です。



この漫画で特に人気が高いのはこのコマです。

批判にまじめに向き合おうとして自分を否定しまうような人に対して「すべてに向き合う必要なんてないよ」という投げかけを行っています。


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見事な叙述トリック

このマンガの序盤を読むと、「そこまで顔悪くないじゃん」って突っ込みをいれてしまうのですが

これはまんまと作者の仕掛けた罠に引っかかっています。

序盤でも主人公が自分の顔を見て吐き気を催す描写があるだけでなく

序盤に出てくる周りの人間がブス呼びするので、作品中でも本当にブスという扱いなのだ、と勘違いしています。



しかし、実際に主人公は「確かに容姿はよくはないけれど、めちゃくちゃ悪いわけでない」んですね。



この作品が問題視しているのは、容姿そのものよりも、その卑屈な精神の側であり、
すべて容姿のせいにして不幸なまま安住する方が楽なのかもしれないけれど、幸福をつかみに行ったっていいんだぜって、そんなお話になっています。




そもそも、この作品のタイトル「顔がこの世に向いてない」というのはダブルミーニングになっており

・主人公の容姿が客観的にみてあまり良くない

・主人公が、容姿が良くないことを過剰に気にしすぎて、世界すべてから顔を背けている(この世の方向を向いてない)

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という両方の意味を持っています。


幸福の約束/2018年7月期ブロンズルーキー賞 - マノ | 少年ジャンプ+

最後まで作品を読んでいれば「普通の読解力がある人間であれば」わかると思います。




極論すれば、この作品は「自己肯定感が低すぎる人」「他人の批判にまともに向き合いすぎて壊れそうになってる人」のための作品と言えます。

逆に、「不細工」とか「デブ」とか「発達障害(自称)」とか「ニート」などなどいろんなことを理由にして「世の中から顔を背けている人間」に対しては「もうちょっとちゃんと人の話聞けよ」「最低限人として守るべきラインは守れよ」と諭す本でもあります。

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そこまで読者に甘い話ではない。

むしろ「幸せになるためには自己と向き合い、他者と向き合う勇気が必要だ」というメッセージ性があるなと感じました。

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アドラー心理学ほど、誤解が容易で、理解がむずかしい思想はない。
「自分はアドラーを知っている」と語る人の大半は、その教えを誤解しています
真の理解に近づく勇気を持ち合わせておらず、思想の向こうに広がる景色を直視しようとしないのです。




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幸福がただで手に入るとと勘違いしたり、維持するためのコストを甘く見ている人は人間は幸福を維持することはできない。

幸福って結構しんどいので、きちんとそれを背負う覚悟が必要だってのは忘れないようにしないとだめだと思う。

「幸福」が自分に見合わないと思ったり、「幸福」を維持するための負担から逃げる人は一生幸福になれない。





おまけ

ちなみに、この作品と違って「ガチで容姿が醜い主人公」を主題とした作品があります。
ガチで醜い主人公を描くとどうなるかを知りたい人はぜひプレイしてみると良いでしょう。

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