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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「さよなら絵梨」 優太くんを黒い欲望を持った人物として解釈(妄想)してみる

私は基本的にはちゃんと物語のあらすじを理解したいと思うタイプではあるが一方で「そうはならんやろ」っていう妄想をするのも大好きだ。

この作品に関しては自由に解釈しても怒られないって聞いたのでせっかくだから「そうはならんやろ」的な解釈をしたい。まじめな解釈はほかの人がやってくれるだろう。

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https://comic-action.com/episode/3269754496496695955


例えば私は初代「バイオハザード」が好きでめっちゃハマって2時間クリアを目指したり、ディレクターズカット版やったり、GC版もプレイしているのだけれど、この時に「本当の黒幕はレベッカではないだろうか」という妄想設定をして、「ウェスカーを裏から操り、クリスがあたふたするのを近くて見てにやにやするレベッカ様」という学内同人誌を作ったことがある。

うっかりミスってハンターに殺されかけたり、ちょっと敵の設定を強くしすぎてクリスくんが詰みそうになってるからあわてて助けに行ったりする展開を考えたりした。もちろんレベッカはクリスのことが気になってるからジル=バレンタインのことは嫌いで、バリーをこき使っていろいろ工作したり。バイオハザード0が出るまではそれなりにつじつまが合うような感じで設定を細かく調整する作業はとても楽しかった。

これネタばれになるけど、あれから20年近くたって、「トモダチゲーム」っていう作品で私の「妄想レベッカ様」と似たような子を見たときは「この子めっちゃ好きなんですけど!」ってなったよね……。

同じように「月姫」の時もめっちゃいろいろ妄想して楽しんだ。「叙述トリックで語られてないだけで士貴くんは思ったよりも悪党だぞ」っていう設定でいろんな妄想ストーリーを作って楽しんでたもんです。そしたらリメイク版月姫ですっごい好みの設定が追加されていて、興奮が止まらない。早く後編出てほいですよほんとに。

と、このような妄想は楽しいのでおすすめ。現実で陰謀論にはまってる人いるけど、陰謀論ってのはこうやって物語作品内で自分で創作すると害が少なくていいと思います。大事なのは、「絶対に間違ってることを自覚しつつ、できる限りつじつまを合わせようと努力する」こと。こういう遊びをやってたら世にはびこる陰謀論も同じように考えてるんだろうなーってのわかるから免疫つくと思います。



私が「さよなら絵梨」を見る際に採用している前提

・本作品はすべて現実で、ファンタジー要素は一切ない
・そして、映像がぶれているところが編集ポイント(虚構)である。
・映像として描かれているものは意味づけは異なるかもしれないがすべて事実である

という3点。なので絵梨との関係が虚構だったということはない。2728時間分の映像は確かに存在するものとする。

「タツキがそんなわかりやすく作ってくれてるわけないだろ」ってのはわかってるけど
なにかしら基準がないとなにもわからんで終わってしまうので仕方ないんだ……。


意外とやっかいなのがお父さんの扱い

結構気を付けたいのがみんなお父さんの語りはすべて真実であるという前提で読んでるんじゃないかってこと。

実際お父さんの映像がぶれるところはほとんどない。

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お父さんは主に「信頼できる語り手」として

・お母さんの真実を告げる
・主人公の映画についてヒントを出す

という2点の役割を担っている。

でもなんか違和感あるんだよね。

お父さんも作中で演劇やってたことになっているし
お父さんはおじさんだから見た目の変化が生じにくいので時間差トリックも作れる。

となると、お父さんが語るお母さんの姿はどこまで本当だったんだって話になる。


お母さんのことを優太はどう思っていたのか

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お母さんが優太に虐待をしていたのは本当だろうか。多分これは本当だ。

では、優太はお母さんのことをどう思っていたのか。
これについて、お父さんとのやりとりでは「思い出すときはきれいに思い出したかった」と言っているが

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それで最後爆発オチにする?あげくそれを周りの人に見せる? 

それはないんじゃないか?

むしろ、彼の中ではお母さんのこと嫌いでぶっ飛ばすためにきれいなところを集めて最後に吹き飛ばすってほうがカタルシスがあったんじゃないか?

そして、そのカタルシスは、母親に虐待されていた優太にしか理解できないものだったから酷評されたんじゃないか。

みたいに妄想し始めました。


私は「虐待されてもなお親のことが好きな子供」っていう展開が嫌いなので
「そこはもっと怒れ」「内心では嫌っててほしい」という願望があるんでしょうね。

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優太は絵梨との関係でも割とひどい目にあってたんじゃないか

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恋人関係はあくまで映画の中だけというのもたぶん本当だろう。

お母さんの時と違って、お父さん的な存在がいないから絵梨の横暴さを暴いてくれる人がいないだけで、絵梨も結構ひどいやつだったのかもしれない。

だから絵梨の望むように美化はするけど、その後最初からぶっ飛ばしたかったんじゃないかと思う。


あるいは「母親の映画」をとても気に入った優太に声をかけた絵梨自身が
「自分を美化したうえで爆破オチで吹っ飛ばしてほしい」と望んだ可能性もある。

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絵梨は実際は映画ほど美人ではなかったというのはしっかり説明がある

優太の映画では作中で突然病気になったようにミスリードされているが
絵梨は当然自分が白血病か何かで死ぬことは優太に声をかけた時点でわかってたはずだからだ。
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自分もそういう風に取ってほしいってのはあったんだろうなと。
そういう意味で、優太くんはどうやってこの美しい素材を最後にめちゃくちゃにできるかを考えてたんじゃないでしょうか。


自分のために優太を利用しようした二人の女性と、主人公の黒い欲望が合致した物語

そう考えると、主人公はドMであり、ドSな女主人に犬のように尽くすことに喜びを感じる性癖がまずある。

それでいて最後に美しい女主人を吹き飛ばすことに快感を覚える性癖でもある。

デンジ君もそんな感じといえばそんな感じ。

最後の最後まで尽くすけど、最後に下剋上して女性のすべてを壊し、穢し、吹き飛ばしたり自分に取り込むことを至上の愛とする。

これは極めて乙女的だと思う。 百合エッチ系とかBL作品ではめっちゃよくみた展開だ。

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というわけで、私の中ではこの作品はかなり変態度の高い作品である。
なんか芸術的にどうとかそういうのはいいから、もっとタツキの変態ぶりを語っていこうZE!




まぁ全部私の妄想なんですけど。

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爆発落ちなんてサイテー!