日本の原発の現状について( ..)φメモメモ。
前提知識(一番基本的なところ)
①現在「設備許可手続き済み」の既設原子炉が25基ある。
・稼働許可が出ているのは10基。
四国電力の伊予3号と、九州電力の川内1号は検査のため停止中。
関西電力の高浜3号も運転棒が落ちるトラブルで自動停止中。
・工事許可が出ているものが7基
・そして審査中が8基。
②既設だけど再稼働未申請のものが8基。廃炉になったものが24基。
③建設&建設申請中は3基。(中国電力の島根2号と東北電力の大間は審査中)
④稼働している原発のほとんどはPWR。 BWRと、ABWR(最新式)は稼働していない。
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⑤仮に25基+未申請のものが全て動いたとしても電気代は800円~1000円程度安くなるくらい。 実はそこまで安くならない。
⑥小型原子炉はまだ先の話。三菱重工などはまず既存型の原子炉の人員強化を図っている
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前提知識その2
①まずそもそも、原発の安全性審査のキャパは非常に小さい。1年間に2~3くらいずつしかOKを出せない。しかも北海道電力の泊原発が審査を何度もやり直しているせいでキャパを無駄に喰い続けている。もちろん、岸田さんの言っていた9基再稼働は、「すでに再稼働済みの原発」である。(定期点検や一時停止していたものも含めて)9基を稼働させると言ったものを新聞などが大げさに騒ぎ立てた。
岸田首相の「9基稼働」 幸運が招いたサウンドバイト? | COLUMN | 原子力産業新聞
いきなり9基再稼働というのは、少なくとも法律を変えない限り無理である。
→ただでさえ時間がかかるし、審査のキャパシティは足りない。
なので、動かせないものはいつまでも審査せず
一度条件だけ提示してその条件を満たすまで審査プロセスを切り上げ、少しでも効率を上げるべき。
②すでに40年を越えていて不安がある施設がある →こちらについては岸田政権が20年延長し、さらに60年の上限も撤廃しようとしている
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九州電力の川内原発、関西電力の美浜、高浜など。
③政策については電気事業連合会が政府と交渉しているが、個別の稼働については各電力会社が個別に交渉している。
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④ここから稼働する見込みがある原発は少ない。
・関西の高浜1号・2号は6~7月に再稼働見込み
・東北電力の女川2号は2024年2月に稼働予定となり、今年中に工事が完了する。
ここまでは確実性が高い。
一方で、ここから先は不確定というか厳しい
・日本原電の東海第二が2024年内稼働目標だがこちらは安全性など問題が多い。
・東京電力の柏崎刈羽原発は最大で7基稼働可能だが、このうち7号が申請中。(6号は途中で審査取り下げ)
しかし①書類の不備や②配管の誤り③別のデータを流用する不正④腐食対応の不備⑤テロ対策検知システムの不備など問題がいろいろ見つかり、規制委員会から「お前らは信用できない」とダメ出しされている。
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テロ対策の照明に不備 東電柏崎刈羽原発 - 産経ニュース
とにかく東電のガバナンスがずさんすぎて、政府としても動かしたいところだが、とても審査や住民を納得させられるような状況ではない。
東日本大震災の責任問題が解決してない
「なぜ東日本の原発は動かないのか?」
「東日本というよりは東京電力の原発が動かない」
「なぜ東京電力の原発が動かないのか」
「東京電力が事故を起こしたからです」
「ええ!?そういう問題なの?」
「原発事故の責任は東京電力にあるという法解釈になっていますから
原発の問題とは別に東京電力の問題が解決しない限りは動かすのが難しい」
「規制当局から東京電力は大丈夫という許可をもらえていない」
「また、規制当局からの審査が通った後も越えるべきハードルがあり
①地元の同意と、②自治体の長の同意が必要(法律の規定はない。慣習として)」
「この点において、東京電力は最近も信頼をなくすようなトラブルが起きている」
柏崎刈羽原発のテロ対策不備 原子力規制庁 東電社長ら聞き取り | NHK | 各地の原発
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