8章まででチェルノボーグをめぐるウルサス・ロンメンを巻き込んだレユニオン騒動は一区切り。
レユニオンは一度壊滅し、首謀者のタルラは逮捕され、ロドスの管理下に置かれます。
ということで9章からは新しく「ヴィクトリア国」編が開始!
9章はまだ序章ということもあり、非常にシンプルでわかりやすかった。
ストーリーのあらすじは前回紹介したこちらのブログが完璧すぎるのでぜひ読んでください。
自分が拙い形で説明しようと試みたからこそわかるけど
ただ時系列に並べるだけじゃなく、要素ごとに整理して説明してくれてるのですっごいわかりやすいです。
ちなみにエピローグ部分はちょっとわからん展開になったけど、どうやら「青く燃ゆる心」というのをプレイしておくとよいようです。
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こういうところまで丁寧に説明してくれてて、まず頑張って追い付きたい人間にとっては本当に助かる。
個人的にYT22さんのことを神と崇めたい気持ちです。
このブログのおかげで、自分自身が「アークナイツ」というコンテンツを稼働3年もしてから今更追いかけるということに対して不安を感じなくなったし
今までと違って他の人にもおすすめできる心境になってきました
ウルサスもひどかったけど、ヴィクトリアは「鉱石病」関係なく差別がひどくて泣いた……
今回の話は差別と疑心暗鬼がうずまく「ヒロック群」という場所が舞台なのだけれど、
最初は外部からやってきた「ヴィクトリア軍・テンペスト特攻隊」とロドスメンバー視点で進む。
どっぷりと差別構造に足を突っ込んでる人たちじゃなく、外部の人間視点なので
不穏な事件などはありつつもまだのどかな感じでスタートするんですよね。
ところが実際は物語開始時点からすでに「殺し合い」、もっといえば「殲滅戦」がスタートしている。
差別や圧政に耐えかねたターラー人たちは反逆の機会を探って「ダブリン」という組織と通じており
一方で駐屯軍のハミルトン大佐は、民族浄化主義者で、ターラー人を皆殺しするために準備を始めていた。
「ダブリン(亡霊部隊)」はすでに街中に入り込んで「駐屯軍」メンバーを水面下で殺害しており
逆に駐屯軍は無差別にターラー人に嫌疑をかけて拷問で殺してしまうなどもはや引き返せない状態だった。
この状況において、「シアーシャ」という市民の通報をきっかけにしてついに殺し合いの火ぶたが切られることに。
本作では「爆撃」×「化学兵器」が両方同時に行われる
ハミルトン大佐は最初からターラー人の「浄化」を目指していたから
争いが始まった瞬間にいきなり非人道的兵器を使用した。
わかりやすく言うとハンターハンターに出てきた「貧者の薔薇」と同じようなえぐい兵器です。
一方で、「ダブリン」は「ヒロック群」の人たちを救うこと自体が目的ではなく、あくまで争いの火種を起こすことが目的だったから
このハミルトンの攻撃を阻止せずあえて非人道攻撃をさせ、市民に甚大な被害を起こさせておいてから駐在軍を殲滅した。
私たちが今なすべきことは一つ。この炎を確実に燃え上がらせ、そうしてヴィクトリア中にそれを見せつけることだけよ。
炎はももう十分に燃え盛った。そろそろ消してしまわないと、全てが灰にかえることとなる。そうなれば、私たちの苦労も水の泡よ。
散々傷ついた後の人々が必要とするのは助けであって、厳しい支配ではないのよ。
実際は「駐屯軍の暴走」と「ダブリンの陰謀」の両方が渦巻いていたのだが、
形式としては「駐屯軍が暴走し、少数民族とはいえ自国民を殺そうとした」という形だけが残る。
そしてダブリンは「国に殺されかけた生き残り」をわざとらしく助け、証人として国中に不和をばらまこうとした。
この地にいたロドスやテンペスト特攻隊が全滅して真実を知る者がいなければ
「ダブリン」が弱者の味方として持ち上げられるというやばい状況になるところだった。
この惨劇の中で、ロドスや協力者たちは、市民を救うために奮闘するが、多大な犠牲を出すことに……
第二部序章ということもあり
「ダブリン」たちの仕掛けに完全に踊らされ、「敗走」するところからスタートするので胸糞悪い展開である。
そんな中でも何名かの人間が戦いの末生き残り、脱出することに成功する。
この大地で何が起きようと、夜明けは必ずやってくるわ
たとえ日が昇らなくても、歩み続ける人々が、燃える命の輝きで夜を照らし出すから
アークナイツ1章と似たような展開が、別の場所で起きたことになる。
あのさあ……これ当然ヴィクトリア以外でも似たような展開になってそうだよね?
ヴィクトリア編でもまた8章かけてやって、他の章でも・・・みたいなことにならないよね?大丈夫だよね?
アーミヤたちロドスはウルサスを離れて「ヴィクトリア」国側(ロンディニウム)に移動していたが、その最中に「タルラ」をレユニオンの生き残りたちに奪われる
8章かけてめちゃくちゃ苦労して捕まえたタルラはあっさりとレユニオンに強奪されてしまう展開はずっこけそうになったわ……。
これによりヴィクトリアでは、ただでさえ「ダブリン」の扇動によってターラー人の反乱みたいなのがおきそうなのに
そこで「レユニオン」を率いる鉱石病の感染者たちが動いたり、さらに火種抱えたロドスがやってきたりするのか……。
国自体がボロボロとはいえ、ひどいことになる未来しか見えない……。
おまけ
ユーゴスラビア紛争においては世界中から「民族浄化」事件として注目を集めるきっかけとなったスレブレニツァの虐殺が有名だが、
このストーリーで見せられる展開はどちらかというとその前段階。「民族浄化」のあたりを見せつけられている感覚になる。
我々の世界において報道されたスレブレニツァの虐殺は1995年だが、虐殺が始まったのは1992年4月ころでありそれから一度1993年に国連軍が入って何とか虐殺を食い止めようとした。
しかし事態は着々と悪化していき、ついに堤防が決壊した1995年の7月6日からわずか2週間も経たないうちに大量虐殺が実行された。
「ダブリン」は極悪な連中だ。
こいつらが暗躍することによって憎悪はより一層強くなり、
市民たちはえげつない被害を受けることになったが
だがそれ以上にハミルトンが最悪すぎた。
シンプルイズワーストな「国家の忠誠心に目のくらんだ極端な差別主義者」を最前線に置くなや……。
これはもう国自体が悪い。こういう人間が出世して最前線に置かれ、だれもそれを制御できないのが今のヴィクトリア国なのだ
9章だけ見ればひどい国に見えてもヴィクトリアは最も工業が進んだ国でもあるらしくとにかく格差がえぐいのでしょうね……。
認めたくなかったんです。自分がヴィクトリア人でいられるのは、このルールに適応しているからだってこと。
そして、ルールから外れた人は、この国にかえりみてもらえないんだってことを。
ダブリンは極悪だが、「ダブリン」が存在しなければハミルトン大佐によってひとりのこらず殺されていた。
なんというか、スタート地点から救いがなさ過ぎてものすごい複雑な感情になってる。