ブルーアーカイブにおける「第一部・最終章」と似たような位置づけにあるパート。
主人公が所属する組織「ロドス」と、被差別者たちの反乱組織「レユニオン」との決戦が描かれる。
このパートのメインはレユニオンのリーダーであった「タルラ」がたどった遍歴をたどること。
「理想に燃えた青年」の誇りと希望が、現実を前にボロボロと零れ落ちていく様をひたすら見せつけられることになる。
オレは彼が傷つき汚れ堕ちていく様をただ見ていたかった
「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感さ
その点人間の醜い部分を見続けた仙水の反応は実に理想的だったな。
割り切ることも見ぬふりもできずに ただ傷つき絶望していった。
そしてその度強くなった(幽遊白書)
こういう性癖を持ってる人に超おすすめ。
タルラは仙水ほど純真な存在ではないが、それゆえに余計により苦しみが強くなった。
- タルラという女が丁寧にボロボロにされていく姿が描かれる。
- タルラという人間は、人間というものの善性を信じようとしすぎたから折れてしまった
- この展開になったタルラに対して、多少なりとも救いの機会が与えられる展開はちょっと珍しい
- 実際にはめちゃくちゃボリュームが多い話。この章だけで7時間くらいかかった
- 正直読みものとして面白いかといわれるとあまりにも不満が多すぎるけど面白い(混乱)
タルラという女が丁寧にボロボロにされていく姿が描かれる。
タルラは幼いころにコシチェイとかいう屑オブ屑人間(にしてウルサスの超重要人物)に誘拐され、妹と生き別れになる。
そのあとコシチェイに徹底的に「帝王学めいた何か」を叩きこまれる。
タルラはコシチェイの教えに反発し、
あえて被差別者の一員となり、被差別者のレジスタンス活動を支援して
被差別者たちに誇りと居場所を作り出そうと必死に努力する。
しかし、このタルラのあがきもすべてコシチェイの計画通りだった。
タルラという人間は、人間というものの善性を信じようとしすぎたから折れてしまった
だから私は絶対に誰も憎まない。人の行いにはすべて理由がある。
私たちの行いは、きっと良い結果をもたらしてくれるはずだ。
理由は簡単だ。それが、その結果にふさわしいからだ。
この大地に生きているものすべてが、その結果に値するからだ
でもここからタルラの理想や希望は少しずつ削り取られていく
①まず今まで行動を共にしていた感染者に「裏切り」を受けた。
彼らは自分たちが生き残りたいがゆえにタルラ達をおとりにした。弱さを理由にタルラを傷つけた
彼らはタルラの理想にはついていけなかった。
それでもタルラは人を信じるのをやめようとしなかった。
私はただ、ウルサス人がみんな生まれつき身勝手で残忍だと信じたくないだけです。
私たちには絆で結ばれていない被差別者を虐殺したり征服したりする理由がありません。
私たちの敵はそこにはいません。
②彼女の心を支えてきた存在が、タルラが守ろうとしてきた「被差別者」によって殺された
被差別者はわずかな食糧のためだけに彼女を殺した。
復讐のために戦ってはいけないわ、タルラ。
だって、あなたは選んだじゃない。あなたは選んだのよ一つの道を。
心配だわ、タルラ……。私はすごく心配なの。
タルラ……お願い……生きて……。
彼女の死に際の願いもあり、この時もまだ耐えた。
③タルラの出自を知った人間が、自分と距離を置くようになった
あれだけ身を粉にして彼らのために戦ってきても
被差別者はたった一つの事で彼女を信じられなくなった。
それでも、まだ支えとなってくれる存在はいた。
他の被差別者を守ることが最優先だ。
私たちは戦争のために戦うんじゃない。
私たちは同胞たちを生かすために戦うんだ。本末転倒になってはいけない
④耐えに耐えてきたが、ついに限界が訪れる
お前は目の当たりにするだろう。
お前が大切にするものを平気で穢す人の姿を。
命も尊厳も理念も、まったく意味がないということを。
誰よりも大切な親友を殺されたときでも、
信じていたものに裏切られたときでもなかった。
その世界ではありふれた行為を見たときに耐えきれなくなった。
「それ」がありふれた行為であることを認めたときに限界を迎えた。
⑤そしてコシチェイの目論見通り、タルラは「完成」した
www.tyoshiki.com
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タルラはコシチェイに巣くっていたもの=「不死の黒蛇」の後継者となってしまう。
このあたり、もろに月姫のロアを思い出すよね。同じ蛇だし。
この展開になったタルラに対して、多少なりとも救いの機会が与えられる展開はちょっと珍しい
というわけで、ここまでだと「えぐい」けど割とありがちな展開ではある。
ただ、本作はどちらかというとこのタルラに対峙する側の描き方が面白い。
アーミヤ、チェン、ロスモンティスなどなど
それぞれタルラと似たような問題を抱えた人物が
それぞれ違ったルートをたどってこのタルラと対峙する。
特にチェンはタルラの妹であり
やはり被差別者を救いたいという理想に燃えて同じような挫折を味わっている。
一度は完全に膝をついて、それでも立ち上がってここまで来た。
アーミヤはある意味タルラ以上に闇が深い。
3章でもミーシャを救おうとした結果その行動がさらなる地獄をもたらすという絶望を味合わされたばかりだ。
それでも今の時点では心を折らずに前に進もうとしている。
いろんなものが交錯する形で、「不死の黒蛇」と主人公たちとの闘いが行われる。
実際にはめちゃくちゃボリュームが多い話。この章だけで7時間くらいかかった
タルラを中心に考えるだけならストーリー自体はものすごくシンプルなのだが、
・今までの7章までで「不死の黒蛇」の陰謀がどれほどいろんなところに尾を引いていたのかやら
・ボリス公爵のやらかしを含めたチェルノボーグをめぐってケルシーが何を見たのかやら
・主人公である「ドクター」が記憶を失う前の秘密やら「王女テレジア」の存在のほのめかしやら
・「アーミヤ」の出自や能力の秘密やら
・「感染者」以外の非差別民族であるサルカズと、そのリーダーであるWの思惑やら
・「ウルサス」「龍門」「カズデル」をめぐる確執と、タルラやチェンの両親の話やら
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
yterapokemon.hatenablog.com
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あまりにこのサイトが素晴らしすぎるのでもう私9章以降は記事書く必要ないなと思いました。
でもこうやって書こうとしたことによってこのサイトを見つけられたのでその意味では無駄ではなかった。
正直読みものとして面白いかといわれるとあまりにも不満が多すぎるけど面白い(混乱)
設定盛沢山だし面白いといえば面白いのだけれど、構成やテキストに難があって読みにくいことで知られる作品といえば「とある魔術の禁書目録」シリーズがある。
これと「アークナイツ」のどっちが読みにくいかといわれれば、アークナイツの方がよりひどいと断言できる。
同じ会社のゲームなのに「ブルーアーカイブ」がどれほどプレイヤーにフレンドリーな作品であるかを考えると、これもうちょっと改善できるだろと言いたくなる。
立ち絵は全くといってよいほど変化がなく、文字も小さい。
別会社の「白夜極光」もそうなのだが、なんでこんなに読みにくくするのか謎すぎる。
不満を上げだすとキリがない。なんでこれがヒットしてるのかマジでよくわからない。読んでる間ずっとイライラしてる。
でも、この作品は読み始めてしまった以上最後まで読まねばという謎の使命感みたいなのがある。なんて厄介な作品なんだ。
もう稼働してから3年以上経つらしいけど、世界設定を考えるとまだ序章が終わっただけで全体の1/8くらいしか終わってない気がする。
オウガバトルサーガにおいて、ようやく伝説のオウガバトルが終わった、くらい。
イベントストーリーを見れば結構網羅できてるみたいなんですが……。
yterapokemon.hatenablog.com
マジかよ勘弁してくれひどいゲームだよこれは。という気持ちになるが、いいよもう。
最後まで読めばいいんだろ畜生。
とりあえず、アーミヤやタルラの行く末を見届けないと気が済まない。
己の性癖を握られるというのはこういうことなんだろうな。ここまで自分の性癖にドンピシャな作品だと拒否するのが難しい。