経済財政運営と改革の基本方針2023が発表されました。
経済財政運営と改革の基本方針2022 - 内閣府
これについて、諮問会議にも参加した永濱さんの解説がありましたが
①労働市場改革は評価できる(というか結構思い切ったことをやっている)
②少子化対策はボリュームゾーンの部分の結婚・出産を促す形にはなっておらずちょっとずれている。
という評価のようです。
少子化対策以外の部分
「景気好循環の芽をつぶさない」ということを明言し、
ちゃんと賃上げ→消費増→企業業績アップ→賃上げというサイクルが確認されるまでは
短期的には増税(国民の負担増という表現でしたが)を避けるということのようです。
正直今までの岸田さんの言動を考えると信頼していいのか不安ですがまぁこれは良かったなと。
次に労働市場に関しては、「成長分野に労働移動円滑化」と「外国人労働者の受け入れ」を進めていくようです。
・自己都合退職者にも失業給付を受け取りやすくした。
・退職者・転職者への所得税優遇は採用されなかった
少子化対策の部分は、実際は「子育て支援の拡充」のみで、子供がいない家庭が子供を持つインセンティブにはなっていない
人口別にみると
・年収が600万円以上の世帯がそれほど児童を持つ割合は減っていない(40%から35%に減少したが40%に回復した)
この世帯には「子育て支援の拡充」は効いていて、2人目の子供を育てる余裕も生まれるかもしれない。
ただし、この世帯は全体の28%にすぎない。
・一方、全体の43%を占めるボリュームゾーンである年収300万~600万世帯は、児童を持つ割合が40%から25%まで激減している。
結局、全体としての負担が増えすぎているせいで年収600万円以下は子供を持つのが相当困難であることがわかる。
仮に持てたとしても1人が限界という家庭が多いということだろう。
・全体の20%を占める300万円未満の世帯の困難はいうにおよばずで、
2000年代時点でも子供を持てる家庭は20%と低かったがここが10%と半減した。
統計的に見ても年収600万未満の世帯には、「子育て支援の拡充」のみでは足りないというのは明らかだと思われる。
これね10年以上前ならもっと小さい金額で対策できたんだろうけど、今となっては相当しんどいですね。
それでも、結婚した世帯のみに絞って言えば、女性一人当たりの出生率は1.9人でそこまで下がってない。
やはり最大の問題は、生涯未婚率が大幅に増えていること。
名目成長率が下がるにつれて、女性の未婚率が下がり続けてきた。
フェミニズムやら女性が労働に参画して一人でも食っていけるようになったからとかいろいろ言われているけれど
「やはり経済……経済成長がある程度少子化も解決する」という感じなのかな。
そもそもデフレ経済では売り上げが伸びないのだから給料を削らざるを得なくて
給料が伸びずに社会保障費や税金だけ増えていく状況では子供を産む以前に結婚すること自体が困難になっていると。
「そうはいっても、もう少子高齢化が進みすぎたため、社会保障財政も限界だし、これ以上の少子化対策は無理なのでは」
もちろん、高齢者の社会保障の削減や医療費負担の現象などは必要になると思われるが
そもそも最近は定年が延長され、女性の労働参画率も「人口レベルでは」先進国水準まで増えてきたこともあって
労働者の人口は若干ながら増えている状況にある。
もちろん高齢者たちを支えるにはこれでも足りないので、外国人労働者受け入れなど、もっと労働者を増やしていくことで
何とか財源を増やしていかないといけない。
とのことです。