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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「アークナイツ この炎が照らす先」 ド直球な「民族差別」を描いたシナリオ。リードとエブラナの対比が熱い!

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この作品の世界は「鉱石病由来の差別」が当たり前のようにはびこっている世界だが、このサブストーリーはド直球な「民族差別」を描いたシナリオだ。長さ的にはアークナイツのサブストーリーとしては中くらいなのだが、ここ最近で一番読むのがしんどかった。「風雪一過」がとてもさわやかな終わり方だっただけにこのシナリオは相当苦しい。




ヴィクトリアという国における被差別民「ターラー人」の苦難が描かれている

私が思うに、ターラー人というのは数百年の時を経て、私たちの苦しみにようやくつけられた呼び名なんだと思う。

ターラー人たちはヴィクトリアという国で侵略者たちに地位を奪われ、其れだけでなく「言葉」も奪われて永い間屈従を強いられてきた。


そんな中、最近になって、「ダブリン」という組織がヴィクトリアに対して抵抗をはじめターラー人たちに立ち上がることを呼びかけるようになった。このためヴィクトリアでは反乱や治安維持を恐れてターラー人への差別はもはや弾圧といってよいレベルで苛烈となり、ただ穏やかに過ごしたいだけのターラー人は黙って反革命の容疑で粛清されるのを待つか、ダブリンに加入して戦うかというところまで追いつめられていた。



このサイドストーリーでは、メインキャラである「リード」を中心として、ターラー人たちがヴィクトリア・ダブリンの両方から追われ続けることになる。


リードたち一行は、長い逃避行の道のりを助け合って踏破するが……

しかし、頑張って目指す場所にたどり着いても問題は何も解決されておらず何人かは旅の途中で犠牲となり、生き残った者も逃げ延びた先で新たな戦争の始まりに出くわすシーンで終わりとなる。そういう意味でひたすら重苦しい話となっている。



このサイドストーリーの見どころは最後の最後、レジスタンス?組織である「ダブリン」のリーダーである「リード」と「エブラナ」の演説の対比


リードとエブラナはどちらも同じ師から「革命」について学びどちらも「ダブリン」のリーダーとなるべく育てられた姉妹であるが、二人のアプローチは全く違う。

リードは逃避行を共にしたわずかなターナー人たちに語り掛ける。草の根手的な活動だ。こちらは人々のささやかな願いに寄り添う。現在目の前にある願いを語る。ただ自分たちが不幸から逃れて幸せになることを考えようという。


エブラナはヴィクトリア軍の将校らの協力によって集まった多くの兵士たちに向かって語り掛ける。こちらは過去を語り、ターラー人の「誇り」を煽り立てる。ヴィクトリアに対して「過去の清算」を求め、そのために戦いが必要だと語る。





リード
「真実の不公正さや虚構の夢、そういうものであればいくらでも君たちに話せる。
 だけど、そんな話を聞くよりも、君たちはより現実的な願いとして過去の生活から逃れたいと思っているはずだよね。
 だから、過去の物語を知らなくたって、自分たちの「ターラー人」としての出自を深く理解できてなくなっていいんだよ。
 普通の暮らしを求めているだけなんだから。
 難しいことを考える必要はないよ。
 私たちがあらがわなければならないのは、自分たちに無理やり押し付けられた不幸
 私はこう思う。ターラー人は、夜にあたたかな火を焚いて、歌う時はグラスにお酒が満たされているべきだって。
 ターラー人には、逃げることも家族と離れ離れになることもないような日々を過ごしてほしい。
 私は、ターラー人に、安らかに暮らせる自らの故郷を作ってほしい。
 私は、この道の途中で別れを告げたすべての人たちが、そこで再会することができたらと思う」



エブラナ
「ヴィクトリア人は私たちをターラー人とは呼ばず「下品な訛りを持つ教養のない田舎者」「卑しい生まれの下賤な者」という。
 難という皮肉だろうか。自らの文化に別れを告げ、自らの家族を裏切らなければ我々は一般人としての尊厳すらも獲得できないのか。
 ターラー人という言葉が不当に消されていた長い間、われらが受けた不公平はかくも巧妙に姿をひそめていた。
 今になってようやくわれらは、ターラー人が窮地に追いやられた原因に気づいたのだ。
 われらはもうはっきりと理解している。不幸の始まりはヴィクトリアがターラーに押し付けた統治と隷属にこそある、と。
 ならばわれらはヴィクトリアに自身の過去の行いの過ちを認めさせるべきである。
 ターラーもヴィクトリアも関係なく、地域と出身に関係なく、
 ただその栄誉ある公正のために、かつてない良き時代のために戦ってはいくれないだろうか



単純にどちらかが正しいとか間違っているというものではないのだろうけれど、両者は相いれることはなくこの先、雌雄を決するべく戦うことになるのだろうと思う。




これって歴史として何かモデルあるのかな? 中国国民党と中国共産党? そんな単純な話ではないよね?素直に英国ーIRAと考えるでも良いし、中国ーウイグルやチベットの関係、ロシアとウクライナの関係とかいろいろ考えることもできる。



まぁそんな感じで、物語の大部分は、エブラナの影として生きてきただけで自分の殻に閉じこもっていたリード(ラフシニー)が、小さいながらもエブラナとは違ったビジョンを持って立ち上がるまでを描いた話となる。この二人の関係はこのエピソードだけで終わらないどころかようやく始まったばかりだ。

この物語の背景はよくわからなかったです……

実際には二人の姉妹の話だけじゃなく、スパイが入り乱れて暗躍してたりとか

革命のリーダーであるエブラナを中心として鉄侯爵とか、カスター公爵とかウェリントン公爵とかいろいろ出てきたけど

このあたりよくわからないのでいつものYT-22さんの解説待ち…


リードとバグパイプの関係もこの先どうなるのか気になるよね。


読んでる時はひたすらにしんどかったけど、振り返ってみるといろんなことが語られているストーリーだったと思う。