おすすめ度★★★★
anond.hatelabo.jp
この増田や、この増田を読んで何かしら思うところがあった人には「夢なし先生の進路指導」をぜひ読んでもらいたいと思った。
もしプロのキャリアプランナーが学校の進路指導になったら
こちらの作品は、もともとピアニストを目指していた人間がその夢を諦め
キャリアプランナーを経験した後、高校の教師になり、進路指導をおこなうという話です。
生徒から疎まれながらも、生徒のために真摯に「キャリアプラン」の考え方を説いていきます。
bigcomicbros.net
1回2~3話で完結する形式の作品です。 初回の話は全部無料で読めるのでぜひ自分で読んでみてほしい。
この作品のなにがよいかというと、感情に訴えかけるのではなく、ちゃんと理論をもとに説明してくれているところです。
この主人公は、ブリッジスの理論を援用しながら
キャリアで躓いた女の子に「捨てるもの」と「残すもの」を選ぶように教える。
この増田について、「夢なし先生の進路指導」の最後のコマは結構大事だと思う。
本当に苦しい人に対しては、こういうアドバイスが必要だ。
普通の人がアドバイスしようとしたら「つらいことは忘れよう」といって全部捨てるように言ったり
逆に「絶対に許すな」と全部残すようにアドバイスするだろう。
そうじゃなくて、ここで何を残して何を捨てるのかを選ぶ事が重要だと教えてくれるのだ。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。一日一日を生き、
この時をつねに喜びをもって受け入れ、
困難は平穏への道として受け入れさせてください。これまでの私の考え方を捨て、
イエス・キリストがされたように、
この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。
そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。
めちゃくちゃいいでしょ?
この1話だけでもかなり気に入ったのだが、第3話はもっと良いのでぜひ読んでみてほしい。
「ここは今から倫理です」や「Shrink!」が好きな人なら絶対に楽しめるはずだ。
www.tyoshiki.com
こういう話を読んだとき、増田に必要なのは素人の他人の慰めなんかではなく、プロのアドバイスだと思う
増田に書くことによって自分を冷静に振り返ることができるかもしれない。
私も増田はそういう使い方をしてきた時期があるので、それはわかる。
ただし、増田を書くことによってはてな民から得られる反応はすべて無視したほうが良い。役に立たないどころか有害になりうる。
人は「同情」をするときに快感を感じる生き物だ。
だからつらい立場の人を見たときにほとんどの人は共感ではなく同情をする。
言葉遊びといわれるかもしれないけれど、共感と同情は全く別物。
同情する時というのは究極的にはこの感情なんですよ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/59/3/59_3_267/_pdf
この感情をもって接してくる人間の意見は参考にならないという点は注意しなければいけない。
例えば最近家族が詐欺被害に遭った人が話題になったけれど、あの中ではてブ民の中には「共感」を示せた人なんてどれほどもいないと思う。
申し訳ないけれど私も共感は全くしていない。
騙す人が悪いのはそうなのだが、騙される側にかなりの非があったと思ってしまうからだ。
(そのくせ、私は自分が被害に遭ったら喚き散らすだろう。自分はなんて自分勝手なんだろうと思ってしまうが本心はこんなもんだ)
なので同情しかできない。私のように同情しかできない人間は
プロフェッショナルな知識があるのでないなら彼にアドバイスをする資格はない。してはいけない。
この本でも、心からの共感を持てないなら「助けを求められた時にだけ、その求めに応える形で行う」しかできないしやるべきではないと語られている。