「ホワイトアルバム2」を知ってる人には「ホワイトアルバム2」をマイルドにした感じと伝えるし
コアなエロゲーマーの人にはもっとピンポイントに「こいとれ」というゲームがそのまんま当てはまる作品。
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ちなみに「こいとれ」はさすがに古すぎるけどめちゃくちゃいい作品ですよ。自分のErogescapeでは90点評価です。
タイトルの☓☓は、いろんな「人間関係」が当てはまる
例えば主人公の渡くんと妹の関係は、最初は渡くんが妹を庇護する関係だと思いこんでいたが実際は違っていたことがわかる。
ここで渡くんの見ている世界は一度崩壊してしまう。
でも、妹は自分が思っていたよりずっと大人だったということを知り、改めて新しい関係性を築くことが出来る。
同じように憧れの女の子や、幼馴染の女の子との関係も何度も「崩壊」しては新しく構築され直す。
その都度とても苦しい気持ちになったり、相手を悲しませたりするけれど、
そこで踏ん張って前に進むことて誤解が解けたり、相手のことをよく知って、よりよい関係に進んでいる。
要するに、人間関係って変わらないように見えて、常に崩壊するものであり、
でも、そこで崩壊して終わりになるだけじゃなくて、その気になれば都度新しい関係を築き直すことが出来る。
そして、その新しい人間関係は、前よりも良くなってるかもしれないよってお話になっている。
と、こういう風にいうとすごい堅苦しくて真面目そうな話に見えるかもしれないけれど……
実際はほんとにライトに楽しめる作品です。
微妙に重い設定もあるのだけれど、基本的には青春ハーレムマンガです。
・父親は優秀な医師の家系だったが、母親と駆け落ちして主人公と妹の鈴を産んだ。
主人公は苦労もあったが優しい両親に育てられて優しい人間に育った。
・しかし両親は死んでしまい、それ以来主人公と妹は叔母に引き取られた
・主人公は妹の世話が第一優先。あまり自分がこうなりたいというものを持たない人間になった。
というところがまず最初の立ち上がり。
そして、メインヒロインとなるのは6年前に1ヶ月だけ仲良く過ごしたあと
主人公たちたちが大事なものを目の前で壊して突如いなくなった女の子。
渡くんはその女の子のことがずっと心に引っかかっていた。
この女の子がいきなり6年ぶりに登場したと思ったら
過去のことを思い出したかのようにベタベタしてきて……という展開になる。
んで、ここからクラスで一番の美少女とか後輩の女の子と
微妙にラブコメチックな関係になったりしてハーレムっぽい展開にもなるのだけれど。
この二人は、メインヒロインの女の子が主人公への恋心を自覚するための当て馬である。
物語としてはメインヒロインの女の子ルートで固定されている。
渡くんは最終的には
スネまくってるメインヒロインの女のコが秘密にしていることを知って
ひねくれまくったメインヒロインの女の子を好きになって
こじらせまくったメインヒロインの女の子の心を救って恋人になる。
そんな作品だ。
くそう、青春っていいなあ!
正直、16巻もいらんかっただろと思うくらいgdgdした展開のマンガだし
長い割にはサブのヒロイン二人の扱い方が雑すぎるし
メインヒロインの女の子の抱えてる事情についても
エロゲに慣れすぎていたせいで「え?それだけ?」ってちょっと物足りなさを感じたりして
いろいろと不満を言いたいことが無いわけじゃなくて……。
なので、あまりこの作品は他の人にオススメしたいわけではない。
それでも、やっぱり最後まで読むとジワッと胸にしみるものがあってよかった。
一回途中の8巻で読むのやめようとしたんだけれど思い直して最後まで読んで良かったと思う。
最後の方の表紙で表情から陰が取れて素直に明るい笑顔を見せてくれるのは最高。