頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

最近のこのブログのお気に入りは「アークナイツ」です
アークナイツ
kindleセールの紹介
新NISA解説ブログ
発達障害

「文豪ナツメは料理人が嫌い」 :我々はみんなKPIのことは考えるがその手前にあるKSFをないがしろにし過ぎじゃないだろうか

私が好きな漫画が90%offの50円というセールになってたので紹介します。


全3巻で終わる作品なのですが、2巻まで50円。3冊全て買っても858円です。


結論から言うと「1巻は」本当に面白いのでオススメです! 

ラーメンハゲで有名なラーメン才遊記などを手掛けた人が原作者なのだからそのあたりは安心感あります。

たった50円で読めるのですが、確実に50円以上の価値はあるので、軽い気持ちで読んだり読まなかったりしろ!

2巻以降は人を選ぶので、お好みでどうぞ。



どんな話かと言うと…


comic-walker.com

タイトルの通り、料理人が嫌いな文豪・夏目潤一郎さんのお話です。

料理人が嫌いな文豪が何をするかと言うと、
本来であれば「料理ノ腕がいいのに繁盛しないお店をみてほくそ笑む」がやりたいのですが

実際は、編集者に脅されるかたちではあるものの、ちゃんと困ってるお店を助けていきます。




私のような凡人は「成功してるお店」を見ても、何がすごくて成功しているのはわからない。KSFが何かがわからない。

3巻で終わってしまったので残念ながらヒットしたわけではないということなのだとは思います。

でもこの作品のアイデア、私は本当に素晴らしいと思いました。

なぜかと言うと、「我々にもわかりやすいようにKSFを描く」という意味ではこの尖ったキャラ設定はある意味最適だと感じるからです。




私のような凡人は「成功してるお店」を見ても、
一体何がすごくて成功しているのか、本当のところはよくわかってないんです。

www.e-sales.jp

この図で言うところのKey Success Factor、そのお店の「本当の売りは何なのか」というやつですね。

みんな、仕事をしていたら「KPI」の概念はわかってるんです。でも、この図を見れば分かる通り、いくらKPIを設定してもその手前のKSFが正しくなかったら、全然意味がない。



ところが、サラリーマンだと「すでになんとか回ってる会社」に入社するからあんまり意識をする必要がない。「自分がやってる仕事のKSFは何か」ってのはあまり考えてすらいないしそこに疑いを持つことがそもそも許されてなかったりする。



そうこうしてるうちに、本当にKSFを考える力が全然なくなってしまう。

その結果、希望的観測ばかり積み重ねて
客が何を求めてるのかとか、自分の店は何を売りにすべきかを考えなくなってしまう。

本作にはそういう「ダメな店長」がたくさん出てきます。



でも「ダメなお店」が良くなる過程を見れば、お店の生死を分ける要素、KSFが見えてくる

しかし、たとえすごい人の成功要因を理解できない私のような凡人でも

「しくじった人」の失敗分析とか見たらどこが悪かったかはわかります。

「しくじり先生」とか「しくじり企業」ってのは、わたしたちでもわかるからこそ面白い。


まして、そのしくじってる状態から成功状態まで持っていく過程を見れば、何がカギになるかわかりますよね。

「ビフォー・アフター」とか「プロのメイクさんによる変身」みたいな形式のTV番組に人気が出るのは

我々凡人が本当に大事なことを理解するためには、そういう形式がベストだからだと思います。

私が好きな「王様の仕立て屋」「らーめん才遊記」とかもまさにそういう感じの作品でしたね。

そして、この作品も、そういう「ダメなお店」のダメなところを見た上で、
あるポイントを押さえることでそのお店が復活する様子を描いてくれます。



さらに、この作品で我々に解決策を教えてくれる文豪夏目潤一郎は善人ではない、という点がとても私好み

まずこの手のお話ですが、問題をちゃんと指摘できる性格の人が必要です。
どういう人かと言うとぶっちゃけ「ちょっとひねくれもの」「ちょっと性格が悪い人」が適しています。


問題点を指摘するのって、基本的に「いい人」は避けがちですよね。
でも、この手の話は問題点が明確に示されないとそれが解決して「なるほどこれがKSFだったのか」とわかる楽しさが薄れます。
そこは性格が悪くともちゃんと示してくれる人のほうが好ましいわけです。


この夏目潤一郎さんは性格が悪いので、繁盛していないお店のダメなところを「これでもか」といわんばかりに具体的に指摘できます。



しかも、解決策についてはできるだけ出し渋ろうとするので読者もちょっと考えさせられます。


漫画ならではのメリハリがきいた描写がとても良かった。だから1巻は本当にオススメ。


もちろん、効率だけ考えながらTIPSをまとめたこういう本の方が良いのですが
残念ながらこちらの本は、もう読んだ内容忘れてしまいました……ピエン


でも、「文豪ナツメは料理人が嫌い」は多分これからときが経っても覚えていると思います。


というわけで「1巻の間は」コンセプトも明確だし、自分の好みに合っていて本当に面白かったです。
すごく面白い上に50円なので絶対に読む価値あると思いますよ。



なお、1巻は絶賛してますが、2巻の途中からは私はちょっと微妙だなと感じてます。

なぜかというと……(ここからはこの作品に対する愚痴になります)

この続きはcodocで購入