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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「FF16」をクリアしたのですが、株式市場関係者が「スクエニはカプコンやコナミと違って期待できない」と烙印を押した理由がなんとなくわかってしまう…

だいたいどういうストーリーのゲームかは、米津玄師のMVのネタバレ映像を見ればわかるからそちらを見てください。

www.youtube.com
「ミュトス(神話)からロゴス(理)へ」というのがテーマの作品


映像 ◎◎
音楽 ◎◎◎
プレイ体験 △
キャラ   ☓☓
ストーリー ☓☓☓☓☓

という感じで、めちゃくちゃ面白い部分とめちゃくちゃだめな部分が混在していて評価に悩みます。トータルで見たら△くらい。単体で見たらそこまでボロカスに言う作品ではないんですが、少なくとも今の現在のスクエニの経営戦略からFF16に期待された位置づけを考えると、明確に「失敗作」と言って良いのではないかと思います。


ぶっちゃけ、ストーリー部分はマジで終わってると思います。序盤面白かったけど後半になるにつれてボロボロと崩れていきます。

シナリオの展開の殆どがヴィヴィアン先生の解説で進むっていうのギャグかと思った。

キャラクターも設定とかは結構魅力的だったんだけれど、エピソードがぶつ切りすぎて魅せきれてなかった。

せめてクライブ君だけでもちゃんと描けれいればよかったんだけれど途中から「ベアラーとかドミナントが人らしく死ねる世界を実現したい」っていう設定どこ言ったんだよって感じになってるし「マザークリスタルを破壊すること」の意味をちゃんと理解せぬまま勢いで突っ走ってるところもつらい。


なにより「今プレイヤーは正しい道を進んでる」っていう感覚を全く得られないわけですよ。描写や説明が不足すぎて!

FF5とかだと、エクスデスという悪者がいて、それを阻止しよう、世界を救おうって感覚があったのに対してFF16のクライブくんは、「こいつのやってることは本当に世界のためになっとるんか?」「こいつ本当に考えて行動してるんか?流されてるだけちゃうんか?」「こいつは何のために戦い続けてるんだ?」ってなる。

なまじ序盤が良くできてたせいで、後半の「アルテマがやべーやつだからなんとかする」「ベアラー差別?マザークリスタル?うるせー」みたいな雑な感じが本当にしんどい。序盤への期待感どこいった?ってなってしまう。


クライブくんがラスボスに対して「人の思いを継いで戦ってるんだ!」って啖呵を切ってるシーンあるけど、むしろ徹頭徹尾一人で行動してたし、そのいう主張に反する描写ばっかりだったので「???」ってなるんですよね。 終盤の描写に対して説得力が全くないんよ……。


別に感情移入できなきゃダメだみたいなことを言うつもりはないですが、この作品みたいに「もういいよ……勝手にやってろ」という投げやりな気持ちになるのはさすがにダメだろと。


このテーマだと、ストーリーは「Demons Roots」の方が100倍良いので、Demons Rootsをプレイしたほうが絶対に良いです。みんなDemons Rootsをプレイしましょう

www.tyoshiki.com
www.tyoshiki.com

FF16のラスボスは初見の人だとすごい分かりにくかったと思うけれど、Demons Rootsのラスボスである「しゅくふく⇔のろい」とのバトルを体験してたおかげですごいやりたいことはわかったんだよ…。

ようするに一人ぼっちの神様が、彼なりの感覚で守ろうとしたんだよね。そうだねフルーツバスケットだねって言えなくもないけど、いやー分かりにくすぎるでしょ。クライブくんの理解力のなさも相まって、全くといっていいほど対話が成立しておらず、脳筋バトル展開で終わってしまったのは辛かった。

ラスボスさんを指して「ワンオペ創世記」って言ってる人いて、センスありすぎだろと。


とはいえ、FFなんて、6以降はストーリーはいつもこんな感じだろって言われればそうなんですよ。

FF6のケフカとの戦いがそんなにしっくり来るものだったか、とか
FF7だってセフィロスとおっかけっこしてただけじゃねえかとか。
FF8とかいまだに何のストーリーだったのか私よく理解できてないですしおすしそろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!だし。
ストーリーがそれなりに理解できたのって10くらいじゃないかと言われれば反論難しい。


それでも、この16がしんどく感じるのはやっぱりRPGとしての楽しさが薄すぎる点にあると思いますね……。

バトルシステムそのものは面白いという人もいるだろうからおいておくとして
私が問題視したいのは「そもそもバトルそのものの意味付けを極端に貶めてしまっている」ことですよ。


RPGって経験値稼ぎととか素材集めってのが楽しくて
それを楽しんでる間にレベルアップして、レベルアップしたことで
強い敵とも戦えるようになるっていう「ステップアップ」の感覚が大事なわけじゃないですか。



そういうのが全然ないんですよこのFF16という作品は。



まず1つめ。

ザコ敵を倒すことで得られる経験値とかアイテムとかがしょぼすぎる。戦闘すること自体の喜びというかご褒美が少なさすぎる。

そのくせ、やたら敵が固くて時間がかかる。倒し方もバリエーションが少ないし、敵のバリエーションも少ないから飽きてくる。

だんだんと「時間だけ無駄にかかる上に得られるものが虚無」って感覚になってくるわけです。

ゲームの経験値稼ぎなんか全部そんなもんだろって言われるかもしれないけれど、明らかにこのゲームの虚無感は他より強いです。

その結果どうなるか。むしろザコ敵とはできるだけ戦いたくないってほぼ全部スキップするようになるわけです。

コンシューマーゲーなのに、ソシャゲより経験値稼ぎの喜びが少ないってどういうことなの……。



2つめ。
バトルの位置づけがまじで「イベントムービーへのお供物」にしかなってないのも萎える。

特に召喚獣バトルのインパクトが強すぎて、人しての戦いの部分がしょぼく感じてしまうのもつらい。

召喚獣バトルで「1撃5万ダメージ。1ラッシュで100万ダメージ!」みたいなを見せられた後で
人としての戦いパートに戻ると「1撃100ダメージ…」みたいな感じなので全然盛り上がらない。

ゼノギアスみたいに人と召喚獣のフェーズが完全に分かれてれればそれもまだ納得できるけど
実際は連戦の中で人バトル→召喚獣バトル→人バトルみたいになるから、「このバトルの意味とは……」ってなってしまう。


いろいろ演出要素では光るところあったし、
ボスバトルのいくつかは本当に面白かったんだけれどソレ以外の部分が苦痛レベルでつらい。
「召喚獣タイタン」との戦闘とか、40分位かかるんだけれど途中からしんどすぎて
「早く終われ…」「まだ終わらないのか」「もう開放してくれ」ってずっとうめきながらプレイしてましたよ…‥。


やりたいことはすごくたくさんあったんだろうけれど、2割くらいしかできてないんじゃないかなと感じますね

やりたいことはわからんでもなかったんだけれど
開発が難航しすぎてほとんどできなかったんだろうなと思う。

その結果として、「やたらと時間がかかる中ボス戦・ボス戦」でボリュームをかさ増しにするしかなかったんかなと。
そのせいでプレイ体験がかなり薄味になってしまった感じがする……。

グラフィックや演出・音楽など光るところがたくさんあるだけに、めちゃくちゃもったいない作品だなと感じますね。



FF16という超巨大プロジェクトを破綻せずに最後までまとめあげたのは本当にすごいと思うし
開発に携わった方々には本当にご苦労様でしたと言いたくなる作品でしたが、
どうしても「すごくもったいない作品」という感想になってしまいますね……。



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