頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

とある依存症の治療について : なぜ「バカ」に対して「バカ」と言っても、自分だけが疲弊するのか?(その1)

心理学的な知見を交えながら、書籍の一章のような形で解説し、具体的な提案をさせていただきます。

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架空の書籍 書籍『心の平穏を取り戻すための心理学』より抜粋した体で解説します



なぜ「バカにバカ」と言っても、自分だけが疲弊するのか?——不毛な戦いを終わらせる「課題の分離」という処方箋

「どうして、こんな簡単なことが分からないんだ!」
「あの人は本当に馬鹿だ!」

私たちは、他人の理不尽な言動や非論理的な態度に直面したとき、ついそう叫びたくなります。そして、正論をぶつけ、相手の間違いを指摘し、「あなたは馬鹿だ」と断罪することで、溜飲を下げようとします。


しかし、その結果はどうでしょう?

相手は改心するどころか、さらに頑なになったり、逆上したりするだけ。

そして、最も不可解なことに、勝ったはずの自分自身の心に、鉛のような重い疲労感や虚しさ、怒りの残り火が燻り続けるのです。


なぜ、正義の鉄槌を下したはずの自分が、これほどまでに苦しまなければならないのでしょうか。

それは、あなたが「不毛な戦い」のリングに自ら上がってしまっているからです。この章では、その心理メカニズムを解き明かし、その苦しみから抜け出すための具体的な方法を提案します。


あなたが苦しむ「3つの心理的ワナ」

「バカに馬鹿だ」と言って苦しむ背景には、主に3つの心理的なワナが存在します。



1️⃣ 感情の伝染と「扁桃体ハイジャック」
相手の理不尽さや攻撃性に触れると、私たちの脳の警報装置である扁桃体(へんとうたい)が作動します。

これは、原始時代から備わる「戦うか、逃げるか」反応(Fight-or-Flight Response)を引き起こす部位です。

相手の「バカな言動」というストレスに晒されると
扁桃体は「危険だ!」と判断し、理性的な思考を司る前頭前野の働きを抑制します。
これを「扁桃体ハイジャック」と呼びます。つまり、相手の土俵に乗った瞬間、あなたもまた感情的になり、冷静な判断ができなくなっているのです。


怒りに任せて相手を論破しようとすることは、火に油を注ぐ行為に他なりません。

ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され続け

心身は興奮・緊張状態から抜け出せなくなります。

戦いが終わっても、このホルモンの影響はすぐには消えず、イライラや疲労感として残り続けるのです。



2️⃣ コントロールできないものをコントロールしようとする「万能感の幻想」

私たちは無意識のうちに、「自分が正しいのだから、相手は変わるべきだ」という期待を抱いています。
これは、「他人の感情や思考は、自分の働きかけでコントロールできるはずだ」という、一種の「万能感の幻想」です。

しかし、心理学の大家アルフレッド・アドラーが指摘するように、
「他人の課題」に土足で踏み込むことは誰にもできません。
相手がどう考え、どう感じるか、そしてどう行動するかは、究極的には相手自身の課題です。

あなたがどれだけ正論を尽くしても、相手がそれを受け入れるかどうかは相手次第。
コントロール不可能なものにエネルギーを注ぎ続ければ、
結果は必ず「無力感」と「フラストレーション」です。
それは、壁に向かって「動け!」と叫び続けるようなもので、疲弊するのは自分だけなのです。


3️⃣ 「自分は正しい」を守るための「認知的不協和」

人は、「自分は理性的で、まともな人間だ」という自己イメージを持っています。
しかし、「バカな相手に、感情的に『バカだ』と罵る」という行動は、その自己イメージと矛盾します。

この矛盾を心理学では「認知的不協和」と呼びます。
脳はこの不快な状態を解消しようと、自分の行動を正当化し始めます。
「あれほど酷い相手なのだから、罵倒されて当然だ」「自分は正義のために戦ったのだ」と。


この正当化のプロセスは、相手の「バカさ」をより一層強く意識させ、怒りを再燃させます。

結果として、相手のことを考える時間が増え、自分の貴重な精神的リソースを延々と消費し続けるという悪循環に陥るのです。
苦しみの原因は、もはや相手の言動そのものではなく、「相手に固執し続ける自分自身の思考」へと変化しています。


【提案】こんなことで苦しんでないで、「課題の分離」をして自分の人生を歩もうよ
では、この不毛な戦いから降りるには、どうすればいいのでしょうか。
答えは、先ほども触れたアドラー心理学の中心的な概念「課題の分離」にあります。

これは、「それは、誰の課題(タスク)なのか?」を冷静に見極める技術です。

目の前の問題に対して、「その結末を最終的に引き受けるのは誰か?」と考えてみてください。


・相手が非効率なやり方で仕事をして、結果的に評価が下がるのは、誰の課題でしょうか? → 相手の課題です。
・相手が理不尽な要求をしてきても、それを受け入れずに自分の心と時間を守るのは、誰の課題でしょうか? → あなたの課題です。
・相手があなたの忠告を無視して失敗するのは、誰の課題でしょうか? → 相手の課題です。


・「バカに馬鹿だ」と言いたくなる衝動は、相手の課題に土足で踏み込み、「お前は変わるべきだ!」と強制しようとする行為です。それはあなたの仕事ではありません。
あなたの仕事(課題)は、「その状況で、自分がどうありたいか」を決め、実行することだけです。



具体的なステップ

一歩引いて、感情を観察する:「あ、今、自分は怒っているな」「イライラしているな」と、自分の感情を客観的に認識します。
「これは誰の課題か?」と自問する:相手を変えることは自分の課題ではない、と心の中で線を引きます。
自分の課題に集中する:伝えるべきことは、冷静に一度だけ伝える:「私はこう思います」と自分の意見(I-Message)として伝えたら、そこでおしまいです。相手がどう受け取るかは相手の課題です。
物理的・心理的に距離を置く:その場を離れる、話題を変える、関わる時間を最小限にする。
自分の機嫌を自分でとる:好きな音楽を聴く、美味しいコーヒーを飲む、信頼できる友人と全く別の話をするなど、自分の心をケアする行動に切り替える。


「バカな人」は、残念ながらあなたの人生からいなくはなりません。
しかし、その人にあなたの心をかき乱す「権利」を与えるかどうかは、あなた自身が決められるのです。


不毛な戦いで自分のエネルギーを消耗させるのは、もうやめにしませんか。

課題を分離し、相手を「そういう人なのだ」と心の中で仕分けして、
あなたはあなたの貴重な時間と心を、もっと創造的で、楽しく、価値のあることに使いましょう。
それこそが、賢明なあなたのとるべき、最もクレバーな選択なのですから。


なんかこの回答がムカついたので、割とガチで自分の話をしてどう回答するか試してみることにする。 その程度の回答で私を満足させられると思うなよこの野郎とけんかを売ってみることにした。というわけで、その2に続く(満足できるまでやる)

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