頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「学級会に違和感を感じずに大人になった人」がいるというのは恐怖でしかない

f:id:tyoshiki:20190917160141p:plain
https://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_4352.html


増田にマジレスするのもあれなんだけどさ。この2つ目の増田は言ってることがよくわからない。

https://anond.hatelabo.jp/20190915230205
https://anond.hatelabo.jp/20190916125230


男オタクと女オタクでのイメージが極端に違う、ということも今一つ理解に苦しむけど
それ以上に大人になってまで「学級会」を肯定的な意味で使ってる人がいるというのが驚き。

上の増田、1つめはともかく、2つ目は学級会をいい意味で使ってる……よね? 
むしろ私が誤読してて、二人とも学級会そのものには否定的だってほうがありがたいんだけど。





というわけで、増田の真意はどっちでもいいのだけれど
私は学級会嫌いなので」学級会について明確に否定的な意見および改善についての考え方を述べておきます。




大人になってまだ「学級会」が良いものだと思ってる人とかおるの?

「学級会」って言葉からうけとるイメージは人によって認識が異なると思うんだけど。

今から思い返すと私にとっては学級会というのは「分断統治のためのツール」だったような気がします

①上に「先生」=「クラスの秩序」みたいな概念が存在しており
②その「お上」や「秩序」に従ってるかどうかを競い合い
③勝った人間がクラス内での権限を「与えられる」。その権力の後ろ盾は「先生」である

という感じで、構造として「先生が正解を保証してくれる」って感じのゲームじゃなかった?
「先生にこびへつらう人が得をする」というわかりやすい仕組みになってなかった?
「それはお上の決めたルールに逆らってる!」っていうつるし上げや密告を推奨してなかった?

間違っても「対等な立場で話し合って決める」なんて民主的な機関じゃなかったと思うんだよね。




これに対して「全然違う」という異論は認める。というかそうであってほしい。

①私たちの学校では先生の誘導や支配から自由であり
②子供たちの自主性が尊重されて
③自発的な意思に基づいて民主的に運営されていた

という人が出てくるならそれはいいことだと思う。


残念ながら、私の知ってる学級会は前者であり、死ぬほど嫌いでした。なので大人になってまで「学級会」を良いものととらえてる人がいるって認識にまず驚いた。






実際、このまとめなんかを見ると、今でも「学級会」メソッドを嬉々として行おうとする人たちがいるんだなということがよくわかる。

タピオカを題材に風刺を描いた女学生が「女叩き」「名誉男性」などとネットリンチされる - Togetter
「自分たちが先生に支持されている(自分たちこそが正義である)と思ってる人間が暴力性をむき出しにして一方的に自分たちの気に入らない何かを晒上げて断罪しようとする恐怖政治」をやりたがっているわけだ。 

これ内心の忖度になるからあんまりよくないんだけど。やっぱりそういう人には抵抗ある。

もし仮に「学級会」を良いものと考えてるような状態から抜け出せてない人がいるなら
そういう人たちはそりゃなんでも同じゲームのルールで物事を解決しようとするだろうな、と。
はてなスター互助会で自分のお仲間の意見を人気コメントにすれば勝てる!とか思ってしまうよね。

でもさ、大人になってからそんなことやったところで、
数をいくらそろえても言ってることが間違ってたら意味ないんやで。そもそもほめてくれる先生なんてもうおらんのやで?
むしろ「たった一つの正解があって自分がそっち側の人間だ」みたいな思い違いをしてたら周りはドン引きするだろうと思うわけだけれど。
実際にはてなブックマークにはそういう人がゴロゴロいらっしゃいますよね。 

こういう「学級会」の時の成功体験にいまだに呪縛されちゃってる人たちは、いつになったらそこから抜け出せるんだろうね。




「学級会に違和感を感じずに大人になった人」がいるのであれば、それは恐怖でしかない

私の認識はこれだな。

「せんせー、男子が真面目にやってくれませーん」ってやつね。
ブコメ先生が帰りの会でちゃんと叱っておきます。増田ちゃんはしっかりしてて偉いなぁ本当。

学級会は話し合いで調整する場じゃなくて、正当性を武器に数でつるし上げる場ですよね。
攻撃される側が謝れば丸く収めてやらなくもないという非常に攻撃的な感じがします。

学級会で丸く収まるは、握手でイジメ解決くらい違和感がある


私が小学校3年の時、とある男の子が終わりの回で女子数人にやり玉にあげられた。途中でトイレに行かせてほしい、というのにそれすらゆるさず取り囲み、その男子は結局教室内で漏らす羽目になった。さらに自分たちが原因なのに、そのことで後日になってからも陰口をたたくという地獄のような事件があった。その時は後日さすがに教師が介入して女の子たちに謝らせようとしたが正義を信じてる女の子たちは謝ることを拒否してその後終わりの回をボイコットするなどやりたい放題だった。このクラスの時は、分断統治にすら失敗していて「先生が自分を支持してくれる限りにおいてその権力を最大限活用し、そうじゃなくなった瞬間知らんぷりをする」ような無責任なやつが権力をほしいままにするための装置になっていた。

私はこの時の経験があるので、小学校低学年の子供というのは異常に残酷だと思ってるし、教師が手綱をとれなければ、いじめなんかとても簡単に起きるという思いがある。コールバーグの道徳性発達理論においても小学校1年~4年あたりは非常に危険な時期だと思う。

先生次第では学級会はただのいじめの場になるので、本当に教師の責任が重い。にも拘わらず学級活動に関して本腰を入れて取り組めている学校はそれほど多くはないだろう。(ネットを見れば本格的な取り組み報告のPDFが見れるが私の通っていた学校にはそんなもんなかった)
いじめ対策については、クラスの担任教師の責任はいじめの発見と防止までにして、そこに注力できるようにしてあげてほしい - 頭の上にミカンをのせる




学級会自体は高学年になればなるほど子供の自主性を育てるために必要になるはずだけど、日本の現状は逆になっている

ご存知の方も多いと思うけど、学級活動は正規の教育課程として定められてるんですよね。
ja.wikipedia.org

でもかなりきちんと意志をもって設計しないとだいたいろくなことにならない。
読書感想文と同じで「子供たちの自由に任せる」をやると上で書いたようなトラウマ量産マシーンとなる。


一応指導要領にもしっかり目標は定められており、評価基準もあるんですけど
www.mext.go.jp
「話し合いのルール」すら決めてない学級がほとんどだと思います。 

その結果、現状はかなり悲惨なことになってます。

小学校 にお ける 「学級会活 動」
学級 会活動 につい て,本 調査の結果 を見 てみる。生活づ くりに関わる問い対 して 「か な り十分」 との回答 に着 目す る と,「生 活上 の諸問題 の解 決」 が11.6%,「 組織 づ くりや仕事 の分担処 理」 が34.9%,「 集 団 の生活 の 向上」 が13.7%で ある。 実際 の とこ ろ,話 し合 い活 動 として扱 われ ている内容が,係 決め等 の組織づ くりに充 て られてい る ことが わかる。本来,話し合 わな ければな らない ことが脇 に置 かれ たま まで,そ の解 決 に向けた取組が低 調で ある ことを示 してい る。

話 し合い活動 は,児 童生徒 自身が,日 常の学校 生活 を通 して新 たな問題点 を見出 し,そ の解決 に向 けた提案 を行 い,多 様 な意見 交換 を通 して,そ れぞれが協力 で きる着 地点 を見 出そう とす る取組 であ る。発達段 階 を踏 まえ る と,小 学校で は低 学年 と高 学年 とでは物事の判 断基準 が 自分 自身 にあ るのか,そ れ とも社 会の一員 と してなのか,指 導 者 はその差 異 を掛酌 しなが ら関 わる ことが大切 であ る。能動 的 に関 わろ うとす る姿 勢 を育 む うえで,話 し合い活動が もた らす教育効 果 は大 き く,指 導者 の学級会活動 に対す る捉 え方 に懸か っている。


・中 学校 お よび高等 学校 にお ける 「学級会 活動」
小 学校 と同様 に 中学 校 の本 調査 結 果 を見 て み る と,「 生 活上 の 諸 問題 の解 決」 が8.6%,「組織づ くりや仕 事 の分 担 処理」 が48.6%,「 集団 の生活 の 向上」 が17.1%で あ る。小 学校と同様 の傾向が見 られ,生 徒 による話 し合い活動 が展 開 されてい る とは言 い難 い状 況 にある。その一方 で,「 進路 適性 の吟 味 と進路 情報 の活 用」 が37.1%と 高 く,進 路 指導 に時 間が割 かれてい るこ とが わか る。

また,高 等学校 につい ては,「 生 活上 の諸問題 の解 決」 が3.7%,「 組織 づ くりや 自主的 な活動 」 が7.4%,「 多様 な集団 の生活 」 が3.7%で あ り,か な り低水 準 に留 ま る。逆 にやや高い数値 を示 す内容 として,「 進路適性 の吟 味 と進路情 報 の活 用」が25.9%,「 進路 の選択 と将来設計 」が25.9%で ある。 中学校 と同様 に,進 路指 導 に時間 を充 て る傾 向 にあ る ことが わかる。

https://stars.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=587&file_id=22&file_no=1

全くディベート教育の場としては機能してないことが統計からもはっきりしている。



このあたりはもっと「仕組み」として研究されるべきだと思うんだよね。

https://www.pref.saitama.lg.jp/g2204/documents/618597.pdf

「ルール無しで子供の自主性に任せる」ってのはほんとによくないと思ってるよ私は。
最低でもこの本くらいの内容を小学校6年生~中学3年の間に実践させる場であってほしい。

議論のルールブック (新潮新書)

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ぼく、学級会の議長になった。小中学生から始める ファシリテーション入門

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