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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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2014年に起きた「マタハラでっちあげ事件」の話の件について

www.tyoshiki.com

の続き。


境野さんの件とは切り離して考えてほしいのだけれど、マタハラに関しては2019年12月に「マタハラで会社を訴えていたが、実際は悪質なマタハラでっち上げであった」と高裁判決が出た事件が話題になったのを覚えているだろうか。(※最高裁に上告する可能性はありますが、事実認定は高裁で完了しています)


2014年 マタハラでっちあげ事件で大騒ぎした女性は「自分の思い通りにならない会社に社会的制裁を与えて自己の金銭的要求を達成」しようとしたということで厳しく批判され損害賠償も命じられた

一審ではでっちあげ女性の要求が一部通りマタハラがあったことになってしまいました

その様子はハフポストが報じています。
www.huffingtonpost.jp

女性は「(会社の)嫌がらせはすべて判決文で否定してもらえた。私の正義が伝わったのではないかと思います。ただ、会社に騙される形で失った正社員の地位は回復せず残念。キャリアも絶たれ、失ったものは非常に大きいと思います」と涙ながらに語った。
また、社会へのメッセージとして、困難な中でも裁判を続けてきた女性は以下のように話した。
「マタハラは社会が一体となって、女性だけでなく、皆で解決していかなくてはならない問題。働き続けたい人も、子育てに専念したい人もそれぞれができる社会に。社会が一体となってマタハラはおかしいよねってことを言っていけたらいいなと思います」

でっちあげをする女性はこういうことを平気で語れるし、もしかして本人の中では本当にそう思っていたのかもしれません。



二審ではこの判決が覆り、マタハラはなかったことになったうえで、一転して女性側が損害賠償を払うようにという判決に。

しかし最初に弁護士ドットコムが報じたとき、はてなブックマークの反応は「高等裁判所がクソだ」という人が優勢でした。
b.hatena.ne.jp
実際この事件、いまだに勘違いして理解してる人多いんじゃないでしょうか? そのくらい「マタハラ」といわれたときに情報が少ないと、世間の人はあまり深く考えずに「企業が悪い」と受け止めてしまうような風潮があると思います。特にはてなは「とりあえずこっち側で考えておけば正解だろう」という公式を丸暗記してる人が多いのでその傾向が強くなりがちです。



しかし、AERAの小林美希記者によって事件の詳細を公表するや否や、一転して「マタハラを訴えている女性が頭おかしい」と逆の意見が優勢になりました。
www.msn.com

マタハラ被害を受けたとマスコミ取材を受けるようになり、それを女性自身が同僚に明かした。女性は上司や社長との面談のほか執務室でも常にスマートフォンのボイスレコーダーをオンにし録音する状態になる。女性は会社在籍中に被害者団体の「NPO法人マタハラNet」でも活動を開始。講師として講演を行うなど活動の場を広げた。女性が職場復帰した2014年は、ユーキャンの新語・流行語大賞に「マタハラ」がトップテン入り。

提訴の記者会見が、女性は自身の氏名は匿名としながら、会社の名称は公開していたことに触れ、「契約社員になるか自主退職を迫られた」「労働組合に加入したところ、代表者が危険人物と発言した」「子どもを産んで戻ってきたら、人格を否定された」と発言したことも事実と異なるため、会社の名誉毀損になると認定され、女性に損害賠償金の支払いが命じられたのだった。判決文によると、「自己の要求が容れられないことから、広く社会に報道されることを期待して、マスコミ関係者らに対し、客観的事実とは異なる事実を伝え、録音したデータを提供することによって、社会に対して一審被告がマタハラ企業であるとの印象を与えようと企図したものと言わざるを得ない」と評価が一変した

判決文では「一審原告自身が、マタハラが脚光を浴びているとして、記者会見を一審被告に社会的制裁を与えて自己の金銭的要求を達成するための手段と考えている」と厳しく断じている。

b.hatena.ne.jp

でっちあげ被害にあった企業は、「ブラック企業大賞」が2018年に事実認定も不確実なままブラック企業としてノミネートした

大賞を認定してる委員への信頼性も揺らぐことになりました。風評被害を受けたわけですね。
togetter.com

※株式会社ジャパンビジネスラボに関しましては、当該企業と労働者との間における訴訟につき、先日出された高裁判決を踏まえ、現在はノミネート理由の掲載について非掲載としています。同判決の確定状況を見たうえで最終的に掲載・非掲載を判断いたします。(2019年12月10日)

http://blackcorpaward.blogspot.com/2018/12/72018.html

あまりにも過剰に被害者アピールする・弱者アピールする人は基本的にいったんは疑ってかかった方がいい

www.tyoshiki.com

今のネットは「それっぽい構図」だと事実を確認せずに弱者側の人間を信じる「にせの人権派」が多いので注意したい

私は、自分を正義だと信じて思考が硬直化し、雑に人を殴って平気な状態になってる人がこの世で一番苦手です。そういう人はさっさとみんな除霊されてほしい。


私らはこの手の「あまりにも大げさに被害者アピールしすぎる人(しかもなども前科あり)」の声は疑ってかかった方がいいと思います。そうでないと、本来加害者である側を応援して、被害者側をよけい苦しめることになってしまうかもしれないからです。その上で、ちゃんと確認して信じられると思ったら改めてきちんと応援すればいいじゃないですか。

そこらへんすっとばして、とにかく信じなきゃだめだ応援しなきゃだめだって考えちゃう人はもう人間である必要ないから明日からBOT宣言でもしといてください。




なお、マタハラ問題は「女対女」の問題も深刻であり、「男対女」だけで考えているとろくでもないことになります

gendai.ismedia.jp

私の会社でも、この「女対女」の問題がありました。また育児のために17時で帰宅する男性への当たりがきつかったのはその男性より若い男たちでした。

結局これは「男対女」という問題じゃなくて、「その職場で必要な労働量に対して職場がどのように負担するか。それ対して会社はどのように配慮するか」という難しい問題です。まだ子供を持たない女や、出世したい男には一切配慮しなくていいって態度の職場多いですが、マタハラの配慮だけでいいんですかね?

こういうのは一般化が難しい問題ですし、個々に慎重に議論されるべきデリケートな話と言えます。

なので、ここだけ境野さんの話に戻しますが、彼女のように仮にもキャリコンの肩書を持つ人がマタハラ問題を「男対女」とか「老世代対若世代」という単純な構図で切り分けて対立をあおったのは非常に望ましくないと思います。