「詳細は省くが結論だけいうと俺は死ぬ」という簡潔な通知が送られてきた。
残念だが、twitterでよく出回っている政府からの支援についてもちょっと思うところがあったので感想を書いておきます。
【#新型コロナウイルス感染症 で資金繰りにご不安を感じている事業者の皆様へ】
— 経済産業省 (@meti_NIPPON) March 27, 2020
事業者の皆様の資金ニーズごとに受けられる支援策をまとめました。是非ご一読ください。https://t.co/26drY6yoUl
相談窓口一覧はこちら。https://t.co/uwENOpPq6R pic.twitter.com/UDe6Tds4Zc
まず最初に自分がやっていたクラウドファンディングについて説明しておきますね。
最近増えてきた飲食店のクラファン形式として「一括先払い」というものがあります
私が主にやっていたのは「一括先払いの後数年かけて返却」という形のクラファンです。
「最初に3万円くらい払っておいて、1年ごとに1万円(+アルファ)を送ってもらう」という仕組みです。
他にもいろいろお便りをもらったり、店によっては1年に1度新作の試食会に呼んでもらえたりします。
例えばこんなケースですね。(※この店は私が出資したお店ではないですし、今でもうまくいってるお店です。おススメ)
www.securite.jp
店舗側としては、将来の営業CFの先食いにはなるものの、最初にまとまった資金が必要な開業前後に借金ではない形でキャッシュを得られるというメリットがあり、利用者側としても応援してる店舗が存続していて、自分の利用圏内にある限りは少し得をしつつ応援している気分を味わえるということでお互いにWIN-WINな感じです。
あとは、何となくこういう店って友達もつれていきたくなるじゃないですか。店からすると、クラファン出資者が応援者としてほかの客もつれてきてくれるというわけで、そういう副次的なメリットもありますよね。
こちらも、そこまで想定して支援するかどうか決めます。こういうCFをやろうとするところは「食べてくれさえすれば味には自信がある」わけで、外れが少ないというか美味しい店が多いです。開店前にCFの案内、という形であらかじめ固定客をつかみやすいことで立地戦略に自由が利くということもありWebを活用した今後の個人店の生き残り戦略としても非常に興味深いと思ってて、いろいろと試していました。
私も最初はこんな仕組みがあることは全く知らず、私の友人から紹介されて始めたのですが、クラファンでの儲けには興味がなく、かといって投げ銭をするほど一つの飲食店にのめりこむ、ということもないため「時間利益」を支払うだけで応援ができるという敷居の低いこのシステムは良いなと思っていましたし、今でも思っています。
私が出資してたお店は、固定客への依存度が高いこともあって、コロナショックの自粛のせいで大分苦しくなってしまった模様
ただ、こういうお店って、キャバクラ…とまではいかないまでもかなり固定客への依存度が高いです。なので本来であれば安定していたはずなんですが、コロナショックなどの時には一気に流動性が枯渇してしまう。さらに悪いことに、私が出資していたところは、特色ある商品のため季節変動が激しく、この時期は、もともと時期的な問題で売り上げが減少しがちであったこともありお店だけの売り上げよりも催事や観光客向けで稼ぐつもりだったところにコロナが来てしまいました。
ご存じの通り、催事はだいたい取りやめになり、観光客もがっつり減った結果、売り上げは9割以上の減少!しかも3月や4月まで耐えればいいということではなく5月まですべての予定が白紙になってしまったとのことです。
もともとクラファンしていたくらいなのでキャッシュは多くなく、あまりの急激な悪化のせいで、政府支援が間に合わない状況
この状況を見て、何も知らなかったら、悪気なく上のような政策があるからチェックしてみてくださいってアドバイスしたかもしれません。
でも、当たり前ですが、店舗側の人はすでに必死に助成が受けられないかどうかについて調べています。それらについても報告をしてくれました。雇用調整助成金については実務が追い付いていない状況で間に合わないそうです。また、その他無利子・無担保融資についても「現時点ですでに受けている」状態で、すでにその返済を猶予してもらってる状況だとか。そのため、再建計画が立たない状態では追加の融資はさすがに受けられない。後の頼みは日本政策金融公庫などの金融機関に再建計画を提出して融資を受けられるかどうかですが、相当渋い状況のようです。
経産省の支援策についても、もともと無借金とかでやってたところは大チャンスと言って喜んでお金を借りるそうですし、フリーランスの人とかは大いに助かると思いますが、今回問題になってるお店はだめかもしれん……。
ただの小口出資者(というか実質は債権者みたいなポジション)としては非常に困る場面
一応ファンディングしてるので、本来であれば年末に今年のぶんのチケットを送ってもらう立場ですが、それが遅れるのは全然かまわない。
かといって、このまま放っておいてもつぶれるかもしれない。
自分がすごい金持ちだったら自分の一存だけでこの会社を助けることもできるかもですが、実際はしがないただの小口出資者に過ぎません。この店舗がさらにCFを実施してくれれば、計画の内容によっては追加で出資することもできるのだけれど、現在のCFの支払いが完了していない状態で新規重ね掛けは規約上できないっぽい?
どうしたらいいのか自分でもわからなくて、とても悩ましいです。 無力すぎてつらい。 クラファンのすごくいいところと脆いところを両方を実感している現状です。
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余命三か月の料理店ちょっと興味ある……