「こうすれば絶対うまくいく」というはなしがあったら、それは基本的に詐欺です。
仮にその瞬間は真実でも、それが簡単に表現できるものであれば
それは「普通の人には実践できない」か「すぐに陳腐化して使えなくなる」のどちらかです。
一方で、「こうすれば成功率が上がる」というものと「こうすると高い確率で失敗する」というものは確実にあります。
とりあえずこっち側は覚えておいて損はないでしょう。
特に「こういう風にすればうまくいく」はすんなりと頭に入れるのが難しいですが
「これをやったらダメ」はそのまま取り入れても結構通用します。
これをやったら「読むをやめる」という情報の伝え方は意識しておきたい
数日前に紹介した「漫画家家庭教師なお先生」では
いろんなノウハウを紹介してくれていますが、その中でこれをやったら「読むをやめる」という例を紹介しています。
これは「情報の伝え方」についての考え方であり、
ブログで文章を書く時にも通用すると思うので紹介しておきます。
その1:1コマに情報を詰め込みすぎる。
その2:大事な情報が「描かれていない」
その3:大事な情報が「目立っていない」
その4:読者に正しい順番で情報が伝わっていない
その5:コマの(枠)中に情報が正しく収まっていない
この漫画では、そのあと具体的に添削を通じて「わかりやすい」「伝わる表現」を説明しています。
「いつ?どこで?誰が?を伝えるのがまず大切!
それがわかりづらいと読んでもらえない。
漫画は読者とのキャッチボールなの!」「今あげた5つをやらかしても面白いものはありますよ」
「その通り!プロはリスクを理解して絶妙にかいくぐっているわ。定石を破るのがプロ。基本がわかった上でそうしているのよ…そしてファンの少ない新人漫画家は待ってもらえない!こういう小さなミスが命取りになります。初心者はともかく……基本の理解が大切です!」
この「情報伝達の基礎」を文章上でのテクニックにすると……
例えばですが「その1:1コマに情報を詰め込みすぎる」「その3:大事な情報が目立っていない」「その4:読者に正しい順番で情報が伝わっていない」については、以前書いた記事と通じるところがあります。
①読者に新しい情報を伝えたいときは、まず全体を意識して、面積が大きい順から伝える
②読者になるほどと思わせる「論拠」を明示する。慣れないうちは文字数が多くなっても良い
③読者これだけは伝えたいということを「キーワード」または「ワンセンテンス(最大でも1ツイート)」で伝えられるようにする
この「①読者に新しい情報を伝えたいときは、まず全体を意識して、面積が大きい順から伝える」がそうですね。
マンガはより詳細に情報を伝える必要があるためにルールが増えますが、基本的に考え方は同じです。
基本をすっ飛ばすと無視されたり誤解されたり炎上されたりするリスクが増加する
ネットには恐ろしく頭の悪い人がいるので、誤解されたり炎上したりするのは必ずしも自分の性ではないです。
特定の話題(男女問題、政治問題)では明らかに本当に脳が死んでいて文章が全く読めない人がいるのでそういう人にまで配慮するべきだとは私は思いません。
でも、どうせ文章を書くんだったら、このあたりの基礎はしっかりと意識しておいた方が良いと私は思います。
「これをやったらダメ」ルールはとりあえず知っておくとむしろ自由度が増す
ポリコレ論者みたいなことを言うようですがこれは事実です。「ポリコレ」を意識することが窮屈に感じるのは、ポジショントークの比重が高すぎて、状況や立場によって定義があいまいになりすぎており、解釈によって無限に拡大できてしまう極めて不安定な概念だからです。そんなものを意識していたら心が休まりません。
一方こちらの「これをやったらダメ」のルールは長年の試行錯誤の上で土岐の試練に耐えた普遍的で理にかなったものです。非常に強固でシンプルです。こういうしっかりしたルールは、意識して守ればきっちりと土台を固めてくれて、それ以外のところは割と自由にやっても形になります。安心感を与えてくれます。
文章でもマンガでもいいですが、こういう基礎部分はしっかり理解しておきたいですよね。
本作品はそういう基礎的なルール(漫画の文法)の数々を紹介しれてくれている他、
情報のインプットに対する考え方や、基礎を固めた上での試行錯誤の考え方なども紹介しれてくれています。
引っ掛かるところもありますが間違いなく「役に立つ」内容です。
現在は50%ポイント還元中ですので、今のうちに読んでみてはいかがでしょうか。
漫画家家庭教師なお先生~新人漫画賞を獲るための簡単ストーリー創作法~ 1巻
個人的には「(ちゃんと仕事をしている)編集さんや人事の人たちがいかに大変であるか」がわかる5話が一番好きです。