で紹介したタカヒロさんの最新作です。
凛々しい女軍人の犬になってヒーローとして活躍するぞ!ついでにご褒美ももらっちゃうぞ!って感じでチェンソーマンのデンジくんの理想としていた生活がこの作品では描かれます。
タカヒロさんの作品は直球オーソドックスで無茶苦茶わかりやすい&読みやすい
前の記事でも書いた通り、タカヒロさんの作品はすがすがしいまでにドストレートな欲求を軸を描いているのが良いなと思います。
こういうのが読みたい人向け!ってのがすごく明確です。
その上で、その欲望をかなえるためにちゃんと代償や努力を支払うという観点がある。
欲望を満たしたいけど努力したくないからチート能力が欲しいってなるとこれは「なろう系」になっちゃうんですがタカヒロ作品はそうではない。「運動をした後に食べたご飯の方がおいしい」といわんばかりに「欲望は満たしたいけど自動的に満たされるのではつまらない。欲望をかなえるための努力はご褒美へのスパイス」という感じでかなりハードな試練を用意します。
◆強い欲求(動機)を持ち、その欲求をかなえるために必要な努力をするという古典的な、ド直球のドラマトゥルギーものを描きつつも
◆その欲求が、特別なものではなく「自分が好きになった女の子に好かれたい」みたいな、ありふれたものであるところが素晴らしいなと思います。
そういうわけで基本的な骨組みはいつも同じなのに、このシンプルな欲求についてきちんとエンタメとして面白いように設定を作り込んでいるのが良いです。
1話の出来がものすごく良いので、1話だけでいいから読んでほしい
本作品の場合、主人公の欲求は「きみある」や「まじこい」と同じように「好きな女性にとってのヒーローになりたい」という昔からある少年の欲求ど真ん中ストレートです。
さらにそれを細かく見ていくと
①強くて美人の女性を主として持ちたい
②女主人からHなご褒美をもらいたい
③バトルものマンガで活躍してヒーローになりたい
④他人にとって心から必要とされる存在になりたい
こんな感じです。
こういうドストレートな欲求をかなえるために
・世界に魔物がはびこっていて争いが絶えない。
・女性だけが超能力を持つ世界なので女尊男卑の社会。
という主人公にとってハードモードな世界設定を示したうえで、
・絶対服従しなければいけない代わりに戦う力を与えてくれる女性に出会う。
・女性は主人公を奴隷化する代償として、活躍に応じて「自動的に」ご褒美を与えなければいけない
という主人公に都合の良い設定を付与します。
結構設定を盛りまくりなんですが、きちんとそれが1話の中にコンパクトに収められてる。
おかげで主人公もヒロインも1話の時点でしっかりキャラがたった状態で理解できる設定になってます。
こういう導入部分でグッと惹きつけるツカミの部分がタカヒロさんはとてもうまいよなあって思います。(逆にいうと、王雀孫さんや田中ロミヲさんはそのあたり苦手だと思うし、なんでタカヒロさんはこの二人にシナリオ描いてもらおうとしたのか結構謎だな……)
1話が素晴らしかった作品って記憶に残るよね……
最近で言うと、「チェンソーマン」の一話が本当に素晴らしかったと思いますが、
それ以外にもここら辺の作品の1話が凄く好きです。
ここら辺の作品が好きな人にはすっごいおすすめです。
ちなみに、現役の編集者さんから理論的に整理されてます。
1話の構成は以下の5つの要素でつくってみましょう。
①つかみ…
②日常…
③トラブル…
④見せ場…
⑤ヒキ…