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「Monkeys!i」感想:「はと」さんは、今若いプレイヤーの中では一番支持されてるシナリオライターかもしれない

10年とか20年前にエロゲやってた人は、

高橋龍也から始まって、麻枝准やら東出がとか虚淵がとか元長がーとか丸谷がーとか王雀孫がーとか田中ロミオがとか星空めておがとか瀬戸口廉也がーとか奈須きのこがーとかとにかく好きなライターさんがいて、「このライターさんが担当してる作品は無条件で買う」ということが結構あったと思います。
今の若い人たちにとって、自分たちの世代にいた彼らと同じようなポジションにいるシナリオライターが、「はと」、「新島夕」、「衣笠彰梧」あたりなのかなと思ったりします。




エロゲに求められるものは、自分がのめりこんでた時期とは大きく変わったと思うし、むしろ今の方が正しいような気もする

エロゲに泣きとかストーリーとか文学要素とかをそん何求めてなくてとにかく「読んでて楽しい」「エンタメに振り切った面白いノベルゲームがやりたい」という人にとっては
「はと」さんがシナリオを担当されている作品をやっておけばとりあえず外れはないと思います。

最新作の「Monkeys!i」もとても楽しかったです。 

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Monkeys!i

フルプライスではあるものの、15時間くらいでサクッと終わります。

コスパを気にする人にはお勧めしませんが、今の自分的にはむしろ本作品のように
「演出しっかり頑張っててだれずに最後まで楽しませてくれるゲーム」の方が、
テキスト量は多いけど中だるみしてしまう作品よりずっと満足度高いです。



はとさんがシナリオを担当している作品は、とにかく文体の「軽さ」とキャラクターのピーキーさが特徴

あんまり含みとか意味をもたせてない、日常と同じような小気味良いテンポの掛け合いを中心にして物語が進みます。

それでいて、キャラクターは尖ってる場合が多いので、会話中心にキャラクターに親しんでいる間に気づいたら物語に入り込んでる感じ。

描写は全然丁寧ではなく、いきなりシーンがすっ飛んでしまうようなところも多いですが

「楽しくないところ」はどんどん飛ばしちゃおうという意図が明確なので嫌な感じは全くないです。

そんなこんなで、シナリオにめちゃくちゃ感動するとか泣けるとかは全然ないんですが、やってる間はひたすらに楽しいのでずっとプレイしていられます。



はとさんの「テンポのよいかけあい」テキストを、マンガのようなコミカルな演出がサポートしており、ゲーム体験として非常に楽しい

エロゲは昔から紙芝居で演出が全く進歩してないと言われており、この作品も紙芝居であることには変わりないのですが、HARUKAZEさんは結構演出頑張ってるので、飽きずに楽しめます。

要所要所でこんな感じのマンガ的な演出が入ったりします。*1

youtube.com

さすがにガチのアニメーションをふんだんに使っている「マルコと銀河竜」にはかなわないものの、こういう演出にあった感じのストーリーになっているのでかなり気軽に楽しめます。(ちなみに「マルコと銀河竜」も、はとさんがシナリオライターです)

www.tyoshiki.com

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マルコと銀河竜 〜MARCO & THE GALAXY DRAGON〜【全年齢向け】【萌えゲーアワード2020 イノベーション賞 受賞】

そんなこんなで、オワコンと言われたエロゲ業界において、HARUKAZEブランドは今でも若手を中心に新規ユーザーの獲得に成功しています。前作の「のらとと」シリーズは久々に10万本越え & アニメ化を達成&海外でも販売展開して公表を得たことで話題になりました。*2

www.value-press.com



これだけスマホゲーが当たり前になって、PCでエロゲなんかかったるいとされがちな時代でも、新たに若いプレイヤーを取り込めているのが凄い

昔は葉鍵作品とかNitro作品だったらとりあえず全部やるくらいにはエロゲのことが好きでしたが、「ランス10」や「天ノ少女」が完結してしまったことで自分の中ではもうエロゲはある意味終わってしまったところがあります。

私はもうKeyの最新作である「Sumeer Pocket」も、タカヒロの最新作である「我が姫君に栄冠を」もプレイしてないです。久々に「baldr」シリーズのスタッフが作った作品というから「閃鋼のクラリアス」というゲームに手を出しましたりもしましたがすぐに挫折してしまいました。 私はエロゲーマーではなくなってしまったんだなあと改めて実感しましたね。

そんなご隠居おじさんの私でも「はとさんシナリオ×HARUKAZEのゲーム」はサクッとクリアできたので、そのくらいこのゲームはとっつきやすいです。


特にはとシナリオはテーマ性とかシナリオとかで特筆すべきと頃はないのにとにかく楽しいというのがすごい。エロゲというのはアニメよりも「キャラ重視」の要素が強く、「キャラクターの魅力を楽しむ」ことが最優先であるという本分に忠実なところが良いのだと思います。純粋にプラスの意味で「頭空っぽにして楽しめみながら、キャラのことを好きになれる」作品ってのは需要がなくなることはないだろうからこの先も生き残りそうな気がする。この先も、「はとシナリオ」作品とQruppo作品だけはやるんじゃないかな……。




そういえば、Qruppoの「ヘンタイ・プリズン」も来年の1月に発売しますね。

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ヘンタイ・プリズン(Qruppo)

こちらも楽しみです。

*1:その昔、この演出を全編にわたってやった「QUARTETT!」というゲームがあったんですが、さすがに頑張りすぎて借金抱えて倒産しましたね……

*2:FGOで1000万人以上のユーザーを誇っており知名度なら日本トップクラスの月姫でさえ25万本とかだったらしいので、かなりのヒットと言えます。