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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「スクールガール・プリンセス」 完璧すぎる短編マンガ。絶対に読んでほしい。

お気に入り度★★★★★(おすすめ度★★★★★)




マンガ好きで普段いろんなマンガについて話してる人ほど

「ほかの作品だったら気軽に語れるのに好きすぎて語れない、語ることが恐れ多いと感じる作品がある」

っていうのには同意してもらえると思う。

私にとってこの「スクールガール・プリンセス」はそういう作品の一つだ。

何度も読み返すし、引用だけなら何度も何度もやるし何なら自分の中でも反芻して自分の一部になってるくらい影響受けてるけど

だからこそ、語ることができない作品である。本当に、本当に好きな作品だ。




作品については語れないからその周辺のことだけ語ってみよう。

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初めて読んだのは中学生の頃だったと思うけれど改めて読み返してみても完璧な作品だと思ってる。

最初はそこまですごい作品だと思わなかった。

たくさんの情報がごくありふれた日常の風景の中に溶け込んでいる。

そして、激しい感情のあおりなど一切ない穏やかな描写をとおしてこちらにしみこんでくる。

だから最初読んだときは「フーン」って感じなんだけどなんとなく気になる。

気になって何度となく読み返すうちに感情がざわざわしてきて

すごい素敵なものを読んだんだって実感が湧いてくるのだ。




別にこの作品はそんなしょうもない言葉で表現されるような作品ではないのだが

「フェミニズム的に正しい作品」という観点で言っても本作品は素晴らしい内容となっている。

ぶっちゃけ今のネットで繰り返されているフェミニズム云々の議論はすべてこの短編の中に包摂されているといってよい。

「月曜日のたわわ」がフェミニズム的に正しい作品になるために足りなかったものがこの作品には描かれている

男の嫌なところも、女の嫌なところも
夫の素晴らしいところも、妻の素晴らしいところも、余すところなく描かれている。

この作品を見ていると、ツイフェミもアンチフェミも、もともとああだったわけではないのだろうと思えてくる。

彼ら彼女らは何か大切なものを後天的に失ったのだという気持ちになってくる。

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かつては何かを好きだったこともあるけれど

なぜそれが好きだったのかが思い出せなくなっているのだ。

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人間にとって素敵なものはそう簡単に色あせたりなくなったりはしない。

ただ、人間は素敵なものを素敵だと思い続けることができないのだ。

何かを素敵だと思う心はすぐに色あせてしまうのだ。

どんなに素敵なことでも繰り返しそれに接しているとありがたいと思わなくなることは心理学でもよく知られているが

新しいことでも幸せだとか感謝する気持ちが薄れていく。

そうなったときに、ネガティブな面を意識し始める。

自分を棚に上げて、相手の悪いところだけが見えるようになってきてしまう。

「相手が自分にどういう得をもたらしてくれるのか」という報酬の要素で人を図るようになってしまう。

こうなってしまうのは、自分が大切な何かを忘れてしまっているからだ。


そして、みんななんとなくそのことには気づいている。

それでも、何を忘れてしまったのか、それをどうやって思い出せばいいのかがわからない。

たいていの人は思い出すことをあきらめて代わりの類似品を探す。

だからいい年をしたおっさんやおばさんが

アイドルや若いスポーツ選手を応援したり、異世界転生の物語を好んだりする。

キラキラしているものを求め、若い子からちょっとでも輝きを吸収しようとする。

これは男女変わらない。

性欲とかそういうものだけじゃなくてもっと根深いものだ。



ノスタルジーとはたぶんこういうことなのだ

ノスタルジーというのも、単なる故郷や若いころの振り返りじゃなくてもっとキラキラしたものを求めているのだ。

多くの人が欲してやまないものというのは本当はそういうものなのだ。

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本作は、その人たちが忘れていることを思い出すようなきっかけをこの上なく明確に示してくれる。

そして「それ」がどれほどに素晴らしくて人が生きていくために必要なものであるかをもう一度再確認してくれる。

そういう作品だと思う。




・・・うん、やっぱり、内容そのものについて語ることは私には無理だ。

だから、みんなもぜひ読んでほしいとしか言えない。

たった500円で買える作品だが、本編の「櫻の園」のエピソードの一つ「花紅」と合わせて絶対に読んで損はない作品だと私は思う。