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「善人シボウデス」感想:疑心暗鬼を高める仕掛け自体は素晴らしかったがあまりにも怠い。でも面白い…クッ悔しい

極限脱出シリーズ2作目「善人シボウデス」の感想DEATH。



前にも一度記事を書いたけど「無茶苦茶プレイしててだるい」作品でした。

www.tyoshiki.com

1作目の「9時間9人9の扉」は面白くて2日でクリアしたのと比べて、本作はやり始めてから2週間以上ずっと進まなかった。もう中盤はなかば義務感でプレイしてるような感じでした。

中盤のダルさは打越シナリオの中でもワーストクラスだと思う

最後までプレイしたらなるほどってなったので評価はよいのですが、いくらなんでもその前までがつらすぎる。

「打越作品はいつもそうだろ」って言われそうだけど、今回はEver17や12Rivenの中盤の怠さとかがかわいいレベルですよマジで。


①捜査パートでのもたつきやミスを誘いやすいインターフェースがストレスになる→終盤までなかなか慣れなかった。謎解き自体は面白い。


②とにかく演出が長ったらしく、しかも過剰な演出のわりに得られる情報が少ない。


③9人全員の個別ルートをクリアしないといけないが、一人一人の攻略に時間がかかる上に得られる情報が小出しすぎて、プレイ時間ごとに得られる楽しさが少ない。ひぐらしみたいに1つ1つのシナリオが盛り上がるのであればよいのだけど最初から情報を出すことに特化しすぎてるので1つ1つのルートががっかり感あるんだよね……。


④YU-NOのような感じで並行世界を行き来して「このキャラのルートをクリアしたければ先に〇〇」のルートでこのフラグ回収すれば他のキャラのロックが解除されて先に進めるシステムなのだが、キャラ多すぎる上にフラグを分散させすぎていてわけわからない。

※前作も同じ9人で同じ仕組みだったのに、フラグをそこまで複雑にしなかったし、大枠のルートは4つくらいだったからちょうどよかった。本作はボリュームを増やしてくれたといえば聞こえはいいけど実際はプレイ時間あたりの楽しさが激減して苦痛だったよ。

⑤フラグ回収だけでなくその時得た情報をもとに推理しなければいけないからゲームなのにメモを取っておかないといけない。得た情報を使えるまで時間がかかる場合、ずっとそれを頭に入れておかなければいけないのでプレイし始めたらクリアまでずっとメモリの一部を占有し続ける。


⑥キャラクターの魅力がすごい弱く感じる。そもそも2Dキャラから3Dからに変更したがポリゴンは荒い。キャラの掘り下げについても各キャラのルートではそれぞれの人物が己の自分語りをしてくれるが一番の見せ場のはずなのに演出が地味で文章も冗長な上あまり物語進行に絡まないことが多い。 命を賭けたバトルのはずなのに殺意も生存本能も弱くあっさり人を殺したり殺されたりする。 最も盛り上がるはずの「ABゲーム(囚人のジレンマみたいなだまし合いゲーム)」でもみんなあまり葛藤したりとか意外性のある行動をとらない。人間味が極端に薄い。

※ちなみにこれは「シロアリの塚」の話もあるようにわざとそうしてるのだと思う。ただ、ダルいゲーム性を乗り切らねばならない時にキャラの魅力が薄いのは本気でつらい。


⑦ここまで苦労してクリアしたと思ったら、「次回へ続く」みたいな不完全燃焼エンド。

完走した感想としては3作目がすっごい評価高いらしいですがこれを楽しむための2作目の門番が強すぎる。

というわけで今の感想は「お前まじでいい加減にしろよこの野郎。後で評価変わるかもしれないけど、今この時のムカつきは絶対に忘れないからな」と明らかに後で負ける即落ち二コマの1コマ目みたいな感じの状態です。

このゲームプレイしたことある人ならある程度同意いただけるのではないかと思います。



なにが一番ムカつくかというと、これだけクソみたいな要素がてんこ盛りなんだけど面白いということ(笑)

ここまでひどいと、逆にクソゲーだった方がすっきりするんですが

一方でこのゲームのタチが悪いところは、物語のギミックも、ストーリーもきちんと面白いということです。

これnot for meじゃないんですよ。むしろ好物。

https://twitter.com/shinkansenvsold/status/795992217550585857

なのに、その好物を楽しもうと思ったらむっちゃイライラ棒みたいなゲームを強いられる。

ストレスがえぐい。

素直にほめたいのにこういうツンデレなのか何なのかわからない物言いにならざるを得ないのです。


繰り返しになるけど、本作は刻々と変化する状況で「協力するかだまし合うか」を常に選択させられる仕組みでアイデア自体は本当に面白かった

みんながそれぞれの事情から他のメンバーを疑っており、

さらに作中で「いきなり死体が登場する」「人を自殺においやる薬の存在」「統一教会のようなカルト宗教」「謎の爆弾」などいろんな要素が登場して疑心暗鬼を煽ってくる。

その状況で「9点になればクリアだが0点になったら死ぬ囚人のジレンマゲーム」を繰り返し強いられる。

その結果、だんだんみんながおかしくなっていく。

「統一教会」という爆弾を一つ放り込まれただけで分断が起きてる現状を見るに、我々がこういう状況に陥ったらどうなるかは想像に難くないと思います

というわけで設定はすっごい面白いのです。


ただただ、このゲームがもう少しユーザーフレンドリーであったなら、本作はもっともっと評価されていたと思う。

【PS4】ZERO ESCAPE 刻のジレンマ

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