モンスター社員を受け入れる側がどれだけ消耗させられるかをまとめたので今度はそういうモンスターと扱われる発達当事者側の視点から考えてみる。というか、前の記事で私を定型発達者だと読み取っていた方が大勢いらっしゃったけれど、私は発達障害者でモンスターと扱われてきた側だよ。
というわけでアスペル・カノジョを読み返しているが、読み返すと「こんなこと描いてたっけ」という発見があって楽しい。
ASDの人がやらかしがちな嫌われ言動トップ4
発達障害者がやらかしがちな嫌われ言動トップ4。
— よしき (@yoshiki_anime) 2021年11月20日
1位 人の顔や容姿に対して無神経な発言をする
2位 人が作ったものに対して無神経な発言をする
3位 誰かと誰かを無神経に比較する
4位 無神経な確認癖(しつこい)
「空気が読めない」よりもっと具体的に言わないと伝わらない pic.twitter.com/ehuO6FdD3G
私はASDだが、この漫画で描かれている「アスペルガーの女性」ほど重症ではない。
それでも子供の頃からずっと家族に否定され続け、学校でもいじめを受けたりしていた。普通の人ならできることが全然できないことの劣等感というか罪悪感が常につきまとっていてなかなか被害者意識を自覚することができなかった。(おかげでめちゃくちゃこじらせた)
救いを求めてコミュニケーションの技法とか心理学とかの本を色々読んで勉強したこともあってなんとか人並みに擬態できていた時期もあったけれど、あまりにしんどすぎて耐えきれなかった。結局恋愛も諦め、出世も諦め、正社員として働き続けることも諦めるなど、人生諦めの連続だった。
自分のつらさとかを言語化して納得しようとずっとあがき続けているけれど、今でもまだ全然満足できてない。多分死ぬまで満足することはないんだろうな。
そんな私にとって、この作品はとにかく言語化能力が異常に高く、さらにいじめ問題についても「かなり中立的な目線で」描かれており読んでてめちゃくちゃ辛かったけれど、考え方を整理する上でとても役に立った。未完エンドであり完成度が高い作品だとは言えないのだろうけれど、こういう作品を世に送り出してくれたことを本当に感謝している。
当事者でない人が読んだときどう思うのかはよくわからないのだけれど私はこの作品がとても好きだ。もし私が書いている文章に興味ある人は絶対に読んでほしい。基本的に私はこの本に書かれてる内容を薄めたようなどうしようもないところだらけの人間だけど、なんとか生き延びてる。この本に描かれてる内容が頭に入ってない状態で私についてあーだこーだ言われても、いや「そうじゃなくて…」となってしまう。
先の記事でも「定型発達による発達障害者差別だ!」とか「発達障害者は全員死ねとでも言うのか!」とか「こいつは発達障害の本を一冊も読んだことがないに違いない」とか「お前が使えない上司だから悪いんだろ」とかいろいろ言われててちょっと笑ってしまった。
道徳を抜きにすれば「もしそうであればどれだけ良かったでしょう」って感じですね。多分こういう人たちよりは私はずっとこの問題について真剣に悩んできたと思ってるよ。でもそういう諸々を一から説明をするのが面倒くさい。
私になにか申したい人はお願いだから読んだ上で話してください。
- ASDの人がやらかしがちな嫌われ言動トップ4
- 発達障害あるある1:悪気はないけれどいつも人を傷つけたり苛つかせる行動をとってしまう
- 発達障害あるある2:行動した理由を翻訳してくれる者がいないと詰む
- 発達障害あるある3:コツコツ積み上げて行っても自分ではどうにもならないやらかしてすべて駄目になる→次第に無気力になったり一発屋になる
- 発達障害あるある4:周りが受け入れてくれるはずはずがないと自己表現を諦めがち
- その他
- 「モンスター同級生」や「モンスター社員」はなりたくてなっているわけではない。だからといって、そういった振る舞いから被害を受けたと感じる人はどうすればいいのか?
- リモートワークに関する技術が様々な問題を解決してくれつつある。モンスター社員だった人が無能と呼ばれなくなる未来は近いと思う