の続き。
前回の本が「男はこういうところもっとよく考えて!」という本すぎてバランスが悪かったので、バランスを取るためにこちらの本も一応紹介しておく。
- 特に重要なのが、「アドバイス」の部分
- その1:「男性が女性にむやみにアドバイスするな」はある程度言われるようになってきたけれど、「女性が男性にアドバイスするな」の方は守られないどころか、女性から男性へのアドバイスはどんどんひどくなってきている
- その2:女性はとにかく相手が自分の望んでいる言葉を言ってくれないというだけでネガティブに考えるバイアスがあるという点を自覚した方が良い
- ちなみに便宜的に男女に分けているけれど、「男性だから」「女性だから」という明確な区切りはないと思っている。男性でも上でのべた女性の特徴を持つ人も多いし逆も然り
- その他
特に重要なのが、「アドバイス」の部分
相手が困っているときは「男女共に」口を出さないのが良い。
適切でないアドバイスを嫌がるのは女性だけでなく男性も同じであるということをまず理解しなければいけない。
これはエドガー・シャインが死ぬまでずっとしつこく語り続けた話でもある。
支援者が陥りやすい6つの罠
https://note.com/kengoiwt/n/n0933bc918c98
1.時期尚早に知恵を与えてしまう
2.防衛的な態度に圧力をかけて対応してしまう
3.クライアントの依存を受け入れ、強く依存させるように助長させてしまう
4.安心感を与えて地位の低さを助長してしまう
5.距離を置いて支援者の役割を果たしたがらない
6.固定概念を抱き、過去の経験に基づきクライアントを扱ってしまう
原則1 与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる
https://eijionline.com/n/n4fdc8ab03fb4
原則2 支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる
原則3 支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、支援は効果的に行われる
原則4 あなたの言動のすべてが、人間関係の将来を決定づける介入である。
原則5 効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。
原則6 問題を抱えている当事者はクライエントである。
原則7 すべての答えを得ることは出来ない。
簡単な話、アドバイスというのは相手に求められるようになるまでやってはいけないということだ。もちろん「相手の行動によって自分が実害を受ける場合などはアドバイスせざるを得ない」のであるがこの場合もできる限り上下関係の意識を生じさせないようにしなければいけない。これが原則。なぜなら人は求めてないのにアドバイスをされるのが本当に本当に本当に本当に嫌いだからだ。求めていない時に求めていないアドバイスをされただけで相手から見下されていると感じてしまう残念な生き物なのだ。これはもうそういうものと考えるしかない。
その1:「男性が女性にむやみにアドバイスするな」はある程度言われるようになってきたけれど、「女性が男性にアドバイスするな」の方は守られないどころか、女性から男性へのアドバイスはどんどんひどくなってきている
何が厄介かというと、女性と男性の問題やストレスへの対処の方法がぜんぜん違うということだ。
・男は問題に対して「分析」を、女性は「説明」をして対処する。
・男は黙ってストレス対処するのに対し、女性は言葉にして対処する。
まずこの違いについて、男性はともかく女性側がほとんど理解できていないと思われる。
最近女性が頑張って言い続けたおかげで、さすがに男性側は女性側がストレスにどう対処しようとするかはある程度知るようになってきたと思う。
女性が困っている時は思っていることを言葉にして発散しようとする。
ここで男が正論を言って解決策を出そうとすると、相手の発散を妨げていることになり、こちらも気分の悪さにつながる。
ところが、女性側は男性側のストレスの対処の傾向についてあまり理解していない。
男が困っている時は黙って分析をする。ここですかさず女性から意見されてしまうと、「あなたは能力が低く、要領も悪い」と言われていると受け取り、気分の悪さを感じる。
男の沈黙を、女性は拒絶と受け取ってはならない。悩める男に対して「黙ってないで何か言って」と言うのは、悩める女性に対して「黙って考えて」と言うくらいズレている。
「男性はこちらの話を聞かずにすぐ解決しようとする」「そのくせに自分の気持ちを語らない」「すぐに反応しない、動きが遅い」などと文句を言ってる女性は基本的に自分がバカだと思ったほうが良い(アドバイス)
自分は相手から話を聞いて欲しがるくせに、相手の話を聞こうとはしない。何一つ相手のことについて理解しようとしないせいで決めつけてしまう・・・では自分の幸福を逃す為に努力しているようなものだ。
ただ、アドバイス自体がダメなのではなく、男が助けを求めてきたら女性は助言し、女性が落ち着いている時に男は解決策を持ち出すなどタイミングさえ合っていれば、最高のパートナーになる。
なので、お互いがお互いにできることを知って相手の得意な部分(領域)をリスペクトし、素直にアドバイスを求めあえる状況にもっていかないと詰む
ここをしっかりやっているのが水谷さるころさんの本なので、これは別途紹介したい。
その2:女性はとにかく相手が自分の望んでいる言葉を言ってくれないというだけでネガティブに考えるバイアスがあるという点を自覚した方が良い
一部の女性は何でもかんでも口に出すので、男性からすると「何が問題なのか」が非常にわかりにくい。
話しながら整理したりストレスを発散したりするから全部聞いてほしいというのは構わない。
ただし、話し終わった後でいいから「こちらにどうしてほしい」を別途ちゃんと自分で明示的に言葉にしてほしいと男性側は思っている。
大抵の場合、女性は自分がしてほしいことを、自分が思っているほど明示的に伝えていないことが多い。 場合によっては「察してちゃん」になっていることすらある。
しかも、お願いをするタイミングがものすごい長話の中で最後の方にチョロっととかだったりする。
話を聞かされていた男性としては「結局何が言いたかったんだっけ」になっていることが結構ある。
それでいて女性側はきっちりはっきり伝えたつもりになっている。
それどころか「あんなに一生懸命話したのに」と思っている。
この認識はマジで自分が不幸になるだけだから止めたほうがいい(アドバイス)。というか止めてください(懇願)。
逆に考えるんだ。お気持ちフェーズと要望フェーズは分けたほうがいい。いや、分けるのは半ば義務だと
気持ちを整理するために話をするのは良い。
女性が自分が言いたいことを全部聞いてもらうのは決して悪いことではない。
励ましを欲しい時に励ましだけを求めるのも全然悪いことじゃない。
ただ、いろんなものを全部まとめて一度に済ませてしまおうとするのは欲張りすぎだ。
お気持ちを伝えたから後は夫側が考えて察しろというのはただの横暴だ。