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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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マネーリテラシーは大事だけどその前にネットリテラシーの方を身に着けておいたほうがいいという話

「10歳の時、父が10万円を渡して言った。このお金は好きに使っていい。ただし毎月のお小遣いは君の持ち金の1%だ」 → 結果、数年後のお小遣い金額がとんでもない事にwwwww : はちま起稿

読みました。ちょっとひどすぎるねこの記事。

正直あんまりこういう怪しい系の人には関わりたくないんですが……この記事の話をイイハナシダナーっとか、自分の子供にもこういう教育しないとなーって思ってる人、ちょっとマジで考え直せ。これ嘘であるかどうかは一切考慮せずむしろ真実だったとしても「教育の内容があかんやつ」だから。まぁさすがにこの話を本当だと思っている人は多くないようですが「創作だとしてもいい話だ。」「大事なマネーリテラシーをわかりやすく語ってくれてるいい話だ」というコメントをしている人が結構多くてやべえ……って思ってます

確かにマネーリテラシーは大事ですし、身につけるにこしたことはないと思います。過去にこんな記事を書いたこともあります。

でも身につければいいってもんじゃない、下手に間違ったものを身に付けたら死にますよ。「まだ仮想通貨持ってないの?」の人のアオリみたいなのを「マネーリテラシー」だと思った人たちは、今年の1月に大量に死にましたよね。こういう人たちは、マネーリテラシーの前に身につけるべきものがあることがわかってない気がします。


この記事で語ることは、興味ない人が読んでも「何いってんだ?」って思う話だと思いますが、いずれツイキャスのネタにするつもりでダラダラと思ったことを書いておきます。

「自分の頭で考えて選択や判断ができない人間は、まだマネーの知識には手を出すべきではない(それより前に身につけておく必要がある)」

私が好きな言葉に菜根譚の一節があります。

勢利紛華、不近者為潔。近之而不染者為尤潔。智械機巧、不知者為高。知之而不用者為尤高。耳中常聞逆耳之言、心中常有払心之事、纔是進徳修行的砥石。若言言悦耳、事事快心、便把此生埋在鴆毒中矣。

①有名で力があり勢いがあって華麗な人間や俗事に近づかない者は清潔ですが、
②近づいていても染まらない者はもっと清潔で、
③悪賢く策を弄する事を知らない者は、もっともっと清潔ですが、
④彼らを知っていてもそれらを利用しない者こそ最高に清潔すなわち高潔なのです。 
⑤いやな話こそじっくり聞き、思い通りに行かない事も耐えて生きれば、それがそのまま道場のような役割を果すことになるでしょう。

http://www.saikontan.net/choyk/2006/03/post_4.html

これは結構えげつないことを言っていて、大抵の人は「知らないからこそ」キレイでいられるってことです。
「知った結果大怪我をしそうな状態の人」は、知らないほうがいい可能性だってあります。
マネーの教養みたいな話は大事っちゃ大事なんですが、中途半端に身につけると、大抵の人間は欲を刺激されてリスクを取りすぎて失敗します。

偉そうに言ってますが、お恥ずかしながら私も痛い失敗しました。 
自分に自信がないなら、知らないほうがいいでしょう。少なくとも、ネットリテラシーすら低い人間が近寄って無事に済むような話ではありません。

この話、以前なら多分反発されてたでしょうが、仮想通貨で多くの人が痛い目にあった今ならわかるんじゃないでしょうか。



マネーリテラシーの前に必要なのは、「自分の頭で思考停止せずに考え続けられるだけの教養」

今日ホッテントリしてた「教養」についての記事でも語られていますが、「一見良さそうな話にあたったときに思考停止してしまうことを防ぐ」ことがとても重要です。

知識を身につけることで、「対象から引き出す価値や可能性を選ぶことができる」ことが理解できるようになる。知識そのものも重要だが、その習得の過程で、「選ぶことができる」ことに気づけるか、ここが極めて重要なのである。ややもすると、脳のデフォルトで停止しがちな人生に、そうではなく、「選ぶことができる」ことに気づき、実際に選ぶ。その選択肢なり価値基準が、そこに至るまでに積み上げられてきた「ものの見方」すなわちリベラル・アーツなのである。

特に気をつけておきたいのは「マネーリテラシー」「マネーの教養」を語る人たちです。例えば「イン○スターZ」とかね。三田先生のコンプレックスを煽る商売はめちゃくちゃ上手いなと思うのですが、この作品は結構な間違いやミスリーディングが多いです。ああいうのに引っかからないことが重要です。

マネーの話はものすごく危険です。


ですから、私の話も疑って聞いてください。


マネーについて考える際に絶対に知っておくべきこと

これは三点あります。

・「再現性」(自分でもできるかどうか)を重視するということ
・「自分を主役だと思わない」こと。自分の思い通りにならないものを扱っていることを肝に銘じておくこと。
・「増やすことは割と簡単」だが、「減らさないことは難しい」ということ。

これがわかってないと、まず間違いなくめちゃくちゃ痛い目にあいます。

そして残念なことに、まず間違いなく痛い目に合う前にはこれを理解することができません。いや、マジで。
痛い目にいちども合わずに成功する人は、天才だけです。


とはいえ、じゃあどうすればいいのか、ですが。これは基本的には「いい人に師事して学ぶ」が一番安全です。

とにかく師事する人さえ間違えなければなんとかなる。間違うと死ぬ。

ぶっちゃけ、本を読んでもなかなか大事なことはわかりません。

結局、自分より先に進んでいる人に師事して、その人達を見ながら学んでいくしかありません。

でもそのときに、選ぶ師匠を間違えると死にます。「まだ仮想通貨持ってないの?」みたいに煽る人についていった人の多くは5%だけが成功して、95%は灰になりました。でもそういう人は自業自得なのです。人を見る目や情報を取捨選択をする力がないってことです。自分の中にきちんとした判断基準がないから、自分で考えられない。だから、運任せで人をいうことを信じるしかない。しかも信じきれれば意外とうまく行くこともあるけれど、信じることしかできないくせに、大事なところでビビって美味しいところは逃し、ピンチになってから勇気を出して死ぬ。

敗者は必ず死に急ぐ。人はギリギリせっぱつまって来ると無為に耐えられないものなんだ。ここまで築いた手牌を崩す その行為に耐えられない。そして勇気を出す 今まで人生で使ったことない勇気をな・・・。ククク・・・とんでもない弱虫が限りなく死に近い決断だってするもの・・・!破滅を間近に感じてる人間は一種の狂人。開放を望むもの。地獄を見つめて生きるより希望を追って死にたい____そう望む・・・それが人間の末期・・・・・!

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65825291.html

というわけで、本当に師事する人を間違えると、本当に死ぬので気をつけたい。

どういう人に学ぶか、逆にどういう人の話は絶対に聞いてはいけないか

■学ぶべきはこういう人
①「実際に自分でリスクを取って」勝っている
②「自分が目指す方向で」勝っている。
③現在進行系で、一定期間以上勝ち「続けて」いる人=守りが強い人

そして、更にいうとこのことを肝に銘じて置かなければいけない。
①勝っている人ほど余計なことを語らない。(これについては例外はある)
②本当に勝っている人は「勝ち方」をおおっぴらには語らない。
 語るとしても「なんじゃそれ?」って話をする。


■これを裏返したのが話を聞いてはいけない人
①実際にはリスクを取って勝負していない(トレード利益よりアフィ報酬のほうが大きいなど)
②理念的な話ばかりしている
③時流に乗って短期的に大勝しただけでそれを維持できるかわからない

これに加えて
やたらと「テクニック」とか「一見役立ちそうな知識(入門書レベル)」を語る人。「素人の自分が聞いて、イイハナシダナーって思うような話をする人」などの条件を満たしている人は危険だ。こういう人の話を聞いてはいけない。

後者の条件を満たす人たちは、善意でやっているのではなく、悪意を持って・・・というと語弊があるから商売でやってると疑ったほうが安全だ。すべてがすべて悪い人ばかりではないが、その人達が本当にいい人かどうかは、自分がその相手と同じレベルに達しないとわからない。

この観点で言うと、記事冒頭の人の話は、参考にするには瑕疵が多すぎて危険

いやまぁ、創作なのはわかりきっているし別にこのお話を信じたいなら信じてもいいです。でも、この話多分「役に立つ」よりも「害」のほうが大きいかなと思う。

まず、この人は完全に「商売」でやってる人です。今は商売じゃないとしても、絶対に商売を始めます。この人は投資で勝負する人ではない。

(1)まず、書き手のレベルは大学生にしては高いけど十分ではない
まずね。話の内容そのものよりも、こうやって複利の大切さを父親から学んだはず人の投資スタイルを見てみたら、全然「複利」の概念を活かせてない。本当に複利の強力さを理解できているのなら、「再投資」や「積立投資」を実践いるはずだが、彼女のツイートを見る限り、半年以上何もしていない。ただ漫然と良さげな株を買って放置してるだけ。しかもバフェットを目指すと言っておきながら、全然バフェットの投資ルールと違う。今の相場環境で現金フルポジとかなめてんのか。

要するに、彼女は真面目に勉強してない。バフェットのことも、複利を活かす方法も、全く理解できていない。

もし仮に、彼女が語るような素晴らしいお父さんがいたなら、彼女が全く複利の概念を理解できてないまま放置しているはずがない。つまり、確実に嘘か、教育が失敗したかどちらかということだ。そもそもそんな素晴らしい教育を受けた子供が、未だに100万円も貯められてないとかないわー。

というわけで、まあいろんな側面から検討してもこの話は「私がかんがえたさいきょうのお父さん」でしかない。そして彼女の現状は、その素晴らしいお父さんの教育があった、という設定に全く見合っていない。要するに、まだまだ理解度の低い人が、その浅い理解のままで他の人に説明しようとしている状態がいま


(2)十分なレベルに達していないものを、嘘を使って完成品とみせかけて広めようとしているところがギルティ
別に、彼女が現時点で完璧に理解出来てないこと自体が悪いって言ってるわけじゃないよ。まだ勉強途中の人が、そのことを自覚して、「まだ理解は完全じゃないけど自分が今まで勉強してきたことをまとめました」だったらむしろ高く評価したい内容だ。大学生の研究ノートをストーリー形式にまとめたもの、としてならそこそこ良く出来てる。ストーリーラインは村上世彰のパクリだけどな。

でも、彼女は「父親に英才教育を受けた」という嘘を用いて、自分の不完全な知識が、あたかも完璧なものであるというように見せかけようとしている。こうなると、これはもう善意とはいえない。「商売」です。質が不十分ことが問題なのではなく、それを「嘘を使って」美談に仕立て上げて、質の不十分さをごまかしているのはまずい。はてブ見る限り結構な人が、話が「嘘」であることはわかってるみたいだが「父からの教えとされている部分」については正しいとか素晴らしいと思ってる。なんでやねん。 


まとめ中で、なんかマンガを我慢したことをあたかもいいことのように語ってるけど、この創作お父さんの教育より、こっちのほうがよっぽど優れた投資であり教育だと思うよ。





私が複利の力を教えるならこんなまだるっこい方法使わない

そもそも、この話全然素晴らしくもなんともない。

もし自分に子供がいて、子供に複利の素晴らしさを教えるなら、自分の投資する姿を見せたり、優待を使って、株を持っていることのメリットを教えたりする。普通に一緒に付き従って投資するし、昨日書いた記事のように、BSの話を教える。当たり前やろ。なんで彼女の素晴らしいお父様は、彼女に複利の素晴らしさだけ教えて、投資については全く教えてくれなかったんですかね?なんでお小遣いを工夫することは良くて、幼い頃から投資に関わらせることは見下されるんですかね?「彼氏彼女の事情」の雪乃ちゃんを見習おうよ。

・・・って感じなんだけど、批判するだけだとただの老害って言われそうだから、実際に彼女のお父様より素晴らしい教育をしている人を紹介しておく。

私の投資クラスタの知り合いにはこんな人がいる。 彼は娘NISA講座を作っていて、娘さんの小遣いを「配当金」から出している。また、彼は自分の口座の配当金の一部を積み立て、再投資して娘さんの口座の株を少しずつ増やしていっている。 彼の理想は、彼女が高校生になるまでに、家族全体のPFの配当金が年200万くらいになることだ。そうすればいつ自分が死んでも彼女はなんとか生きていくことができるからだという。こういう親からは、自然と必要なリテラシーを学べると私は思うんだよね。だって身近に投資の成果があるんだぜ?


私はこういう例を知っているので、彼女のお父様の教育が素晴らしいとは全く思わなかった。彼女は1万フォロワーくらいいるらしいが、今の時点では投資よりも自己ブランディングばかりに積極的だ。 もうほとんど投資家でも、マネーリテラシーの話でもなく、ただの自己啓発になってる。 さて、彼女をフォローしている人は、一体彼女から何を学びたいんですか? 



せっかくだから、資産形成について、質の高い話をしている本を紹介しておこうと思います

はっきりいって勢い任せで思いついたことをダラダラ書いてるので、ここまで読んでくれた人がいるとは思わないけど読んでくれた人へのお礼として。

上の人のような話をありがたがってしまう人が本当に読むべき本を紹介しておきます。

人気のFPが書いた資産形成の入門書ですが、この本こそが、本当のマネーリテラシーの入門書の決定版です

はじめての人のための3000円投資生活[Kindle版]

横山 光昭 アスコム 2017-06-24
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この人の本には、正しく「複利」を活用して資産を形成する方法が書いています。月ごとに決まった金額を重ねていくってきくとそれだけ?って思うかもしれませんが、実際には「リスク分散」と「複利」、それから「再投資」をフル活用しています。投資といえば株式投資キャピタルゲインを得ることだけだと思っている人が多いですが、資産形成の王道はむしろこちらの積立とインカムゲインを組み合わせたものなんですよね。

複利」を活用するというのは、こういうことなんだっていうのがこの本の内容を正しく理解すればわかります。ためしにこの本を読んだ後で、上の彼女のまとめを読んでみてください。いかに彼女が「複利」というものを理解できていないかわかります。 実際、彼女に限らずアフィリエイターがよく「年利6%を積み重ねていけば○年後には○○円になります」って話をして、さあみんなも投資しましょうって証券会社のアフィとか貼ってますよね。 あれ、ホントになんにもわかってないからね。

「今すぐ資産形成に取り組もう」って言うのでなくても、そういうインチキ話にだまされないために、自衛のためにもこの本くらいは読んでおいたほうがいいと私は思います。




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なんというか、私ってよくわかってなかっただけで、子供時代の教育は恵まれていた可能性が。