恋心というのは、そういう契約や理性とは違うところで動物的に働いていて、そのこと自体は、どこかしょうがないところがあるのだとも思っている。
ありがとうございます。「永遠の野原」買いました。年末年始でじっくり時間かけて読みたいと思います。
ちなみに、今私が読んでる「MUSICUS!」にも恋に関してすごい悲しい話があるのでついでに紹介しておきます。
恋愛至上主義の人間は本当に愚かだと思うけどでもここまで人を愚かでみっともなくさせられる恋というものは本当に「当人にとっては」素晴らしいんだろうなとも思う
このシーンですね。
(動画見るのが面倒くさい人のために)
主人公の対馬馨くんには幼馴染で香織ちゃんという女の子がいました。
小学生の頃からずっと仲良くしていて、信頼関係も強かったのだけど、恋愛関係ではなかった。
ある時彼女は、主人公とではなく別の男と付き合って、その男性の子を妊娠してしまいます。
主人公である馨くんは不安に苦しむ彼女のそばにいて相談にずっと乗って慰めていました。
しかし、いよいよおなかが大きくなってきてごまかし切れなくなった時、彼女がとった行動は「本当の父親(社会人で不倫している)をかばうために、勝手に馨を父親だということにする」ということでした。
……とんでもない裏切り、あまりにも理不尽な仕打ちですよね……。
しかもここで終わりならまだしも彼女はその「後」がひどすぎる。
読者である私には、香織という女性は不自然なくらいに「知性も心もすべてが弱い」存在として見えるのですが、あらゆる面でそういうだらしなくて弱いだけの女性だったとしたら、馨くんだって「裏切られた」とは思わなかったでしょう。おそらくですが彼女はそれまではまともだった。なのに、その男性に恋をしてしまったことでここまで「弱い」人間になってしまったわけですね……。
そんな彼女が最後に語った言葉がこれ……
正直、彼女に思い入れがない私としては「うん、〇ねばいいのに♪」って思いました(笑)
でも、馨くんが彼女を責めることなく糧に音楽活動を頑張るので私はもう何も言えないです……。
恋は人をここまで愚かにする……恐ろしい…恐ろしい……
でもこれ、「本人は」幸せだったんだろうな。大切な幼馴染を踏みにじってることとか考えられなくなるくらい視野がぎゅーっと狭くなって好きな男の人のことしか考えられなくなる。それってどんなに幸せなことなんだろう。自分がそうなりたいかといわれるとわからないけど、本当にうらやましい……
そういえば、恋のみっともなさを描いた作品では戸田誠二の初期の作品が好きだったなー
「美咲が丘ite」というとある集合住宅をテーマにしたオムニバス形式の短編集なんだけれど第二巻に収録されている「ラブ・ストーリー」という短編。また読み返したくなってきた。

- 作者:戸田誠二
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/16
- メディア: Kindle版
私にもいつかそういうときが来るのかなって「やがて君になる」の主人公みたいなことを考えてた時期もありました。
でも、女の人と付き合ってアレした時でも、恋という感情は全く得られなかった。

- 作者:仲谷 鳰
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/11/27
- メディア: コミック
やっぱり神様なんていなかったね、私は一生恋を知らずに死んでいくんだろうなって思うとなんだか世の中の人すべてに嫉妬したくなる。
私だって頭がおかしくなるくらい人を好きになりたかった……。

ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白 (角川文庫)
- 作者:中島 義道
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: 文庫